表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/93

78、主従契約

私の手に、魔王の証である黒い炎が現れた。

超高熱の炎。強く念じれば念じるだけ、私の意のままに操れる。


「目の前の敵を、焼き尽くせ!!」


叫んだ瞬間、じゅわ! と音を立てながら、土人形があまりの熱に耐えられず、蒸発した。

後に残ったのは白い灰。


「……少しはやるようだ」


“ランスさんの声”が耳に届いたその瞬間、目の前が真っ白に染まった。

今度は、“妖の王”が手をこちらに向けていた。

淡い曙光を受けてきらめくダイヤモンドダストが吹き荒れ、凄まじい勢いの氷雪が私たちの肌を叩く。


寒い、を通り越して……痛い!!

そう思った刹那、青い光が目の前を通り過ぎて、吹雪が止んだ。代わりに、猛烈な勢いで白い煙が立ち上る。疾竜のドラゴンブレスが、“妖の王”の吹雪を防いでいるのだ。

でも……もう保たない!


私より先にそう判断したのはレンだった。

さっきの攻撃のせいで氷のように冷えた手で私を引き寄せると、聖剣を地面に突き立て、その陰に隠れる。


直後、ドラゴンブレスを吹雪が破った。

勢いを増した氷雪が、ブレスを吐いていた何体かの疾竜の体を氷漬けにする。

悲鳴を上げる間もなかった。刹那の家の私たちに到達した吹雪は、聖剣の結界で阻まれる。

白銀の壁が、軋む。


「いいか愛美、今から魔封じを解く」

「え? で、でも、それじゃ私はレンと一緒に戦うのが難しくなって、」

「大丈夫。聖力も魔力も全開にできる」

「え? それって、」

「…………あとから怒るなよ!!」


どういうこと、と聞く暇もなかった。

……直後に、私の唇を……レンが自身の口で塞いだからだ。


「なっ、ちょっ、れっ……!!」

「……っ俺はこの手首だ、聖剣を上手く振れない! 一時だけの簡易な主従関係だ、ほら早く!!」


呆然としながらも、私は聖剣に駆け寄る。

しかしその瞬間、吹雪が一気に勢いを強めた。

風属性の魔力。

“ランスさんの”竜巻を加えて、吹雪は今まさに結界すら破ろうとしている。


「はぁっ!!」


思いっきり聖剣を引き抜いて、一振り。

余計な邪念を振り払うべく、そして目の前の吹雪を吹き飛ばすべく。

……横薙ぎに一文字。


白銀の閃光が走った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ