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77、聖剣顕現

「不死鳥……!!」

『顔に少し希望が戻りましたね。良いことです』


すると、バキン! ガシャン!! という音が背後と隣でして、体が軽くなる。

隣でも、拘束を解かれ、意識を取り戻したレンが、目を瞬かせていた。


不死鳥(フェニックス)よ。

私には従わずに、その小娘に従うとはな」

『あなたは、この国の王の器ではありません』

「何」


先代魔王の亡霊が眉を顰めたその瞬間、レンが上空を指さして「あれ見ろ、愛美!」と叫んだ。

反射的に上を見ると、上空には何体もの疾竜(ワイバーン)


間違いない。

迷いの森にいた疾竜……あの、殺された竜の家来たちだ。


『私が呼んだのですよ』

「不死鳥」

『皆、あなたの暴挙に激高しています』


不死鳥の黄金の目が、静かに細められる。

対して、紅い目をした先代魔王は悔しそうに歯噛みしながら処刑台から飛び降りた。そして三人の王が、広場を降りた先代魔王に寄り添う。


思わず息を呑む。

……彼らは三人とも、紅い目をしていた。

なんてことだろう……彼らの意識にも、支配が及んでいるのか。


「レン、こんなことってあり得るの? 一人の人間が、複数の人間を操るなんて」

「魔剣のせいもあるだろうな……。ディアボロスが、あいつに力を与えてる」

「!? どうして!?

だって、人間王の石碑には、黒い炎を纏って使わないと、呪いが生まれるって……」

「そこにまたトリックがあるんだろ、うわっ!!」

「きゃ!」


襲ってくる浮遊感。

処刑台の土台の部分が壊されたのだ。

崩れる……このまま落下すれば、確実に瓦礫に潰される。

そう思って目をつぶると、ふわ、と体が浮いた。


「“浮雲(ウキグモ)”」

「れ、レン……ありがとう」

「問題ない」


聖力の力で地面にゆっくりと降ろされ、私は軽く息をつく。

しかし安堵したのも束の間、立っていた地面が膨張し、人の形になっていった。

これ……土人形(ゴーレム)


「土属性の魔力……“死の王”か!!」


レンの叫びに、思わず黒いケープを纏うブラッドリーさんを見る。

確かに彼は手のひらをこちらに向けていた。

ぼこぼこと盛り上がっていく地面が、どんどんと新しい土人形を生み出していく。

あっという間に、私たちは十を超える大小さまざまな土人形に囲まれてしまった。


「やばい!!」


土人形が予想外に俊敏な動きで、私達に手を伸ばしてくる。

死ぬ、と思った瞬間、レンがすぐさま私の前に立ち、一瞬私を振り向いた後……叫んだ。


「来い! アポロンッ」


急速な勢いで、レンの右手に白銀の光が集まっていく。

渦巻いた聖なる光は、目もあけていられないほどの強いものになり……そして、消えた。

残るは、レンの手元の光のみ。


「ラァッ!!」


裂帛の気合いと共に、レンがその光を真横に振り抜く。まるで雷光のように閃いた剣の軌跡が、目の前の土人形を爆散させた。


「レン……それが、」

「ああ……っぽいな」


レンが手にしていたのは、白銀の刃と、黄金の柄を持つ美しい両手剣だった。

金色の装飾は、まさに天が与えた美。


―――――聖剣アポロン。


「すっごい……」


私が思わず呟くと、レンが笑った。


「ちょっと待ってろ愛美。すぐ片づける」

「……かっこいいこと言っちゃって。レンのくせに」


私だってやるよ。守られてばかりじゃいられない。

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