49、ペーパーテスト
*
____そして。
闘技場の試合に申し込むことになった私達は、パンフレットを覗き込みながら悩んでいた。
どうやら一つ一つの戦いはバトルロイヤルではあるものの、これは総合的、かつ全体的に考えると、チーム戦のようだ。
いや、チームというよりタッグか。2人1組だから。
「運が良かったな」
と、レンは武装していない者の為の貸武具が置いてある控え室の中で、呟いた。
……まぁ。運は良かったのかな。2人1組じゃなかったらそもそも出られないもんね。ただ私としてはあまり出たくなかったんだけど……。
「とりあえず、武器と鎧はどうする?」
「まだいい。最初はペーパーテストだからな」
「……え?」
「パンフレットに書いてあったろ? 1回戦はペーパーテスト。1人1人がテストを解いて、その合計点数で競うんだ」
そんなの聞いてないぞ!!
「無理だよ無理無理!! 私、この世界に来てまだ5日目だよ!? それなのにペーパーテストって無理に決まってるよ!!?」
「んなこと言ったって、しょうがないだろ。競技は競技なんだから」
競技じゃないよ!! テストは競技じゃないよっっ!!
しかしレンは冷めた目のまま、それに、と続ける。
「これはチャンスだ、愛美」
「なんでチャンスなのよ。レン話聞いてた?」
「教会が王府に情報を渡したくないなら、騎士団は最初に潰しにかかる。おそらく父は試合と聞いて、腕の立つ者だけを派遣してるはず。稽古ばっかりのあいつらは多分みんな脳筋だ」
自分を守ってくれる人達に対して、なんて言い草だろうか。まったく最悪だ。告げ口してやりたい。
日本人としての奥ゆかしさをこの男はどこに置いてきたんだ。
「だから、とりあえず気合でいけ」
「何言ってんの? やっぱりバカなの? レンこそ脳筋なんじゃないの?」
「しっかりしろ、次期魔王」
「魔王関係ないでしょ!!」
むしろ、普通の魔王なら、聖剣アポロン探しに協力したりしないから!
身分を偽って、勇者と一緒に試合に出たりしないから!!
「まぁ、そんなことはどうでもよくてだな」
私の心の中の抗議を読み取り、レンはさらりと言う。どうでもいいとはなんだ、この冷血王子め。
「ペーパーテストでは、全50チームのうち、40チームが落とされる。つまり篩にかけられた上位10チームが2回戦、つまり最終戦に残れることになるんだ」
「騎士チームが残ってないといいね」
「どうだろうな。騎士達は20人くらいいたから、10チームは作れるだろ? 2、3チームくらいは残ってるんじゃないか?」
……むしろそのくらい残ってないと、本当に脳筋の印を押したい。
というか、2回戦までしかないのに、最終戦というのがネーミング的にあまりよろしくないと思う。普通でいいじゃないか。予選と本戦とかで。
____などというくだらないことを考えていると、不意にアナウンスが流れた。
『全チームの皆様、ペーパーテストの準備ができましたので、リングまでお集まり下さい』




