それでも出たくはない
家から一歩踏みだせば
冬がまとわりついてくる
手を刺すような
水の冷たさ
服を脱ぎ散らかしたままの
今にも折れそうな梢
白くなる
呼吸
残しても残らない
雪の中の足跡
空気にうるおいがなくて
きれいにみえる景色
ふいに襲ってくる
静電気
灯油を売りに行く
トラックの音楽
コンコンと
ウイルスの笑い声
どれもこれも
期間限定
味わいたい
でも欲ばりな私は
この瞬間ごとの冬を
この冬と次の冬とその先の冬は
きっと
ちがう味がするから
そう思っても私は
暖かい家から出たくはない
最後まで読んでくださってありがとうございます!
冬って、寒いだけじゃないと思う。