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14章 闘う者たち

二枚刃の日本刀と言う珍しい武器を携えて、一気に斬りかかるレミリア。

しかしジェネシスはブレイズバリスタでその攻撃を受け止めてしまう。

金属音が響き、2人は苦い顔をしながらも睨み合う。


「…貴方たちの好きにはさせないわよ!」


「悪いね…こっちは既に被害を蒙ってんだ!

―――ノーマン・トマスの言葉を知ってるか…『象徴的な行為がしたいなら、旗を焼いても無駄だ。色を洗い落とせ』ってな!」


彼は更に力を加え、彼女の持つ二枚刃の日本刀を弾き飛ばした。

其れはそのまま駅のコンコースの地面のコンクリートに刺さる。

周りの機械軍兵たちはパチュリーとケット・シーを囲んでは銃口を向けていたが、ケット・シーはとっておきを披露する。


「皆はんお待ちかね、手榴弾を披露したるで~!」


投げられた黒い物体は機械軍兵が密集する場所で破裂、大爆発を起こした。

煌めく閃光。二本刃の日本刀を弾かされ、手榴弾の閃光に視界を奪われてしまう。

その瞬間を見切ったパチュリーは電気ロッドで兵士たちを退け、彼に合図を送った後ケット・シーに言われた道を走る。

彼もパチュリーの合図に気づき、そのまま脱出を図った。


混乱している駅構内。駅員が警棒を片手に何人か立ち塞がったが全て彼が大剣で薙ぎ払った。

駅ナカと言われる、コンコースに設置された店街の前を疾走し、騒めく空間で急いだ。

何人かの機械軍兵が銃を片手に立ち塞がるが、ケット・シーの颯爽な銃捌きやパチュリーの電気ロッドによる放電で撃退していく。


改札を無理やり乗り越え、一般客の視線を浴びる中、ケット・シーの言う駐車場へ急ぐ。

段々と人数が少なくなっていき、天井の光も少なくなっていく。

薄暗い場所に到達し、人の気配がしなくなった時、目の前にマシンガンを携えた機械軍兵2人が門番として、ガラスドアで隔たれた入り口があった。


「此処が噂の入り口やで」


「…なら私がこの大剣の一撃で!」


壁の死角で隠れていた一行のうち、ジェネシスは2人に向かって唐突に斬りかかった。

血飛沫が飛ぶ。内臓が少し垣間見えたと同時に2人を殺害し、ガラスドアも大剣で壊した。

警報が鳴り響く。これではすぐに居場所を特定されてしまうだろう。


「いかん!奴らが来るで!早くバイクに乗り込むんや!」


ガラスドアの向こうではバイクが沢山置かれていた、地下駐車場であった。

が、肝心の出口が見つからない。

ケット・シーはパチュリーの右肩に、2人はエンジンをかけるが彼女は気になっていた。「


「…ケット・シー、何処から出ればいいのよ?」


「何言っとるんや、今ジェネシスはんが壊したドアから出るんや!」


すると喧噪的な声が迫っているのが分かった。猫は彼女の肩の上で猛烈にアピールする。

その声は五月蠅いとさえ感じるほどだ。


「え!?専用の出口無いの!?」


「いいから早く出発するんや!道ならワイが案内したるわ!」


「わ、分かったわ!」


パチュリーが先発、続いてジェネシスが出発する。

駅構内にエンジン音と言う轟音を響かせ、迫りくる機械軍兵たちに向かってアクセルを全開にする。

このまま突進を図るつもりであった。

タイヤと地面の擦りは巨大な摩擦音と為って、目の前にいた機械兵たちを吹き飛ばす。

マシンガンで銃弾を放たれたが、それを巧みな運転捌きで躱していく。

高速で人が混乱するコンコースへ突入、ケット・シーは命令を下す。


「A番連絡通路でそのままなだらかな坂を上ってA番C出口に出るんや!

其処から道路に入る!それは後でワイが説明する!」


「待ちなさい!逃げきれたと思わないでほしいわ!」


同じくバイクのエンジン音を響かせ、追跡してきたのはレミリアであった。

執拗だと感じながらもケット・シーは後ろに存在するバイクに向かって拳銃を構える。

バイクの上で感じる暴風の中、毛を逆立たせて…。


「ワイの攻撃、受けるがええで!」


連射する拳銃。しかし彼女は右手で構えた、二本刃の日本刀で弾いてしまう。

金属音が響き、銃弾を断ち切る鈍い音がドップラー効果となって風に乗って流れていく。


「貴方の攻撃なんか受ける訳ないわ!この訓練された私が!」


「よそ見注意、って事で」


ケット・シーに注意を惹かれていたレミリアのバイクの元まで減速し、タックルを仕掛ける彼。

仕掛けられた彼女はバランスを崩し、一旦日本刀を背中の鞘に仕舞う。

両手でハンドルを構え、何とかバランスを立て直すやケット・シーは拳銃を構えた。


「今やで!」


放った一発の閃光。その筋は彼女の頬を掠った。

血が一直線上に描かれる。彼女は掠り傷であったがその一瞬の隙が…命取り。

目を瞑った瞬間、駅ナカの店にバイクで突っ込み、大爆発を起こしたレミリア。


「ぎゃああああああ!!!」


その光景を見て、ケット・シーはガッツポーズをした。喜びの示唆である。

ジェネシスもそれを汲み取り、様子を理解した。確かにバックミラーでは悲惨な光景が映っている。

サイレンが鳴り響く中、エンジンを更に加速させていく2台のバイク。


「…愚かなものだな」


「ジェネシス!前!」


パチュリーに言われて気づいた彼は、目の前に柱が迫っていたことに気づいた。

すぐさま躱したものの、ボーっとしていた彼は自分のいい加減さを悟った。


「…ジェネシスはん、アイツを馬鹿にするのはええけど、先ずは自分の事を大事にしようや」


「…ご尤もです」


2台のバイクはそのまま駅構内を疾走していた。

人々が騒めく中、やはり世界は変わってしまったのだ―――そんな儚さが其処には存在していた。

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