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プロローグ
―――首都国家フィラデルフィア。
此処では数多くのビルが立ち並び、企業や証券会社が海のように広がっていた。
しかし、一歩町から外れると、其処にあったのは熱帯のジャングルだ。
色々な色彩を持つ動物たちが生を育み、そして生きている。
その中で、遥か昔に築かれた文明が存在していた。
その文明は俗に「シュトラ文明」と呼ばれている。その遺構はフィラデルフィアの熱帯雨林の中で細々と佇んでいる。
シュトラ文明は超常的な存在である「水晶髑髏」を崇めていた事が分かっている。
しかし、其のシュトラ文明は僅かなレポートや記録に残されただけの文面上の存在でもあった。
フィラデルフィアは歴史に恵まれている。
フィラデルフィア総合参謀本部の大統領である八意永琳は、遺跡や歴史を研究する為にフィラデルフィア国際考古学研究所を設置した。
―――これは、今日も尚、遺構の研究を続ける1人の人物が歩んだ、水晶髑髏を巡った物語である。




