表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

出会い



今日も私は俯いて、ボソボソとした口調で話す。


根暗な雰囲気で自分を包む。前髪も伸ばしっぱなし



ーーだって、人間と関わるの面倒臭いんだもの。



自己中で常に周りの目ばかり気にする……私とは話す価値も無いわ





今日は何をしよう?勉強でもしてこの退屈な休み時間を過ごそうか?


いや、勉強なんて不要だ。


私は優秀だから高校の勉強くらい朝メシ前



読書でも……するか。




「それ、何てタイトルの本?」


「……………。」


だんまりを決め込む。


最近、私に話しかけてくる変人。


須藤 すどうあかね


クラスの人気者


でも、私と話す価値なんて無いわ。



「……………。」


「教えてくれないの?ねぇ……?」


もう、うっとおしい!!!!


私は痺れをきらして、本のカバーを外しタイトルを見せる。



『百合の楽園』



ーーーしまっ…た……


今のは、見せちゃダメなやつだったーーー



「ん?意外にこんなの読んでんの?面白い?」


「……るさ…い、アンタは別に知らなくて良いわ」


パシッ


突如、腕を掴まれる


「嫌だ」


「は、離しなさいよっ!!」


頑丈な拘束は散々に振り回しても外れない。


「ちょっ……引っ張んないで………」


茜は少女を引っ張る。


香澄かすみ、騒がないでホラ………」


何時ものじゃれ合いに周りは無反応である。


最も、茜が一方的に香澄に話しかけているだけだが。


「……ところでさ…」


香澄の耳元に茜が近づいていき、甘い声で囁いた。


『女同士、大丈夫なの?』



ーーーー!?ーー


「……アンタは駄目………私は…二次元の百合が好きなだけ………」


「ふーん。じゃあ真性レズって訳じゃないんだ」


つまらない。そう顔を歪ませる茜


「あ〜いわゆるアレだね腐・女・子」


腐女子の部分を妙に強調させニヤニヤと彼女は笑う。


「気持ち悪いでしょ?なら私の側から離れてよ」


茜をキッと睨みつけながら凄みを聞かせて喋る


「うん。そうだよね百合好きの腐女子といると吐き気するわ」


ーーじゃあね。


茜は消えていった。


「……………。」


香澄は一瞬、ほんの一瞬だがとても悲しそうな表情を浮かべた。


………それを、茜は見逃さなかった。


悲しみを紛らわすように本に目を移す香澄


香澄に気づかれないようにそっと背後へ忍び寄る茜


「香澄」


名を呼ばれた本人はビクッと肩を震わせた。


声のする方を振り向こうとするがその前に耳元で声が聞こえた。


『ごめん。嘘だよ……』


彼女は、香澄はこの台詞を聞くとやっと自身の有りのままの言葉を捻り出す。


「何でそんなことするの?怖かったよ………」


ポンポン


頭を優しく叩かれる。


「君の本当の気持ちを見せて欲しかったから」


後ろを振り向いた香澄に茜は優しげに微笑んだ。


「私と友達、初めませんか?……今日から」


「……………馬鹿……」


差し出されたその手を掴んで、香澄は返答した。


心からの笑顔を浮かべながら。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ