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クラウチングスタートな転生

 頑張ります。

 ああ、この緊張感がたまらない。この一瞬のためにどれだけの時間を費やしてきたことか。

 「……」

 周りの静寂が耳にしみるようだ。研ぎ澄まされていく感覚。俺は七歳の時からこの競技に魅せられ頑張ってきた。そうして手に入れたのだ。この強靭な脚力を。

 「どん。」

 ピストルの音が鳴り響いたと同時に、俺は、華麗なクラウチングスタートを切ったのだ。そのスタートがよもや俺の長きにわたる異世界オリンピック人生の始まりであったとはだれも想像できなかったであろう。

 これからもがんばります。

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