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雪降る夜

話はクライマックスへと至る

時が経て来るは

冬の聖人を祭る

イヴェール祭


それは世界の四季を司る

四人の聖人たちを祝う祭り


その日に限り

世界中の人々は

愉快に踊り

聖人を称える歌を歌い

酒を飲み

賑やかに祭りを行う


それはルドニの村も同じこと

されど今年は

例年通りには行かなかった

過去にない事例が起こったから――


――――――――――――

「雪……綺麗だな……」


時刻は雪降る夜

ルドニの村近くにある丘の

木の根元に佇む少女が一人


毛皮で作られた帽子を被り

簡易な毛皮のコートを羽織って

厚めのブーツを履いた

少女の名はエリカ


彼女は長く憂いを宿した瞳で

ただ一人雪を眺めていた


冷たくて儚くて

積もり消えゆく

氷の欠片


「……この想いも……雪のように……消えたらいいのに」


エリカの胸中に秘めた

旅人レスターへの

叶わぬ想い


長く長く抱き続けた

エリカの恋心は

悲しき虚しさへ

変わってしまった


この想いを消え去られたら

どんなに楽になることか


されど恋という運命は

どこまでも残酷を

孕み続ける


脱することを許さない

逃れることを許さない

心を絡め続ける

冷たい鎖


エリカの心の鎖を

解き放つのは

レスターという刃


彼こそがエリカを

心底から救いえる

唯一の存在


ゆえにエリカは待ち続ける

救いの刃であるレスターを――

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