レスターの答え
「ええ、どんな危険が彼女に迫っても、生命の限り彼女を守り抜きます」
村長の問いに
レスターは淀むことなく
胸中に秘めた覚悟を
村長に伝えた
「……あい分かった。エリカ、ワシはお主が掟に背くことを許そう。レスターどのと幸せにな」
「それじゃあ、レスターさんと旅に出ても?」
「ワシは何も言わぬ。しかし、両親には伝えたか?」
「いえ、これから言うところです」
「そうか……早く言いなさい。その方が、別れに苦しむこともないからの」
「分かりました」
レスターの答えは
村長はエリカが
レスターともに
旅に出ることを
許すに足りた
そしてエリカの両親に
旅に出ることを伝えるよう
村長に言われたのだ
「ふむ……どうやら祭りは終わったようじゃな」
気がつくと
祭りの賑やかな騒音は
鳴りを潜め
夜の静寂に包まれ始めていた
「そうですね。両親にはこれから伝えます」
「そうか。では、行ってらっしゃい」
エリカはソファーを立つと
同じようにレスターも立った
「僕も行こう。肝心の僕が居なければ、納得してくれないと思うしね」
「ありがとうございます」
レスターは村長のほうに
身体を向けると
「村長さん。僕たちのこと、認めてくださりありがとうございました」
と礼を述べた
「ああ、レスター殿もエリカの両親に認められるよう、イヴェール様に願っておりますので」
「心遣いに感謝します」
レスターは再び
村長に頭を下げると
村長の家を出て
エリカと共に
エリカの両親がいる
家へと歩き出した
そして物語は終局へ――




