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歪んだ恋心

それは冬の聖人イヴェールを祭る日の雪降る夜


木々の隙間からエリカの姿を

良質な素材で作られた

毛皮のコートと

同質の靴で身を纏った

一人の青年が見つめている

青年の名はカーメル


エリカを想い続け

心を歪ませてしまった

哀れな青年


「ああ、エリカ……なぜボクではいけないんだ……こんなにも君を想っているのに……」


カーメルの心は

エリカのことで一杯


されどエリカは

カーメルのことを

受け入れない


レスターのことが

エリカの胸中を

満たしているから


そこにカーメルが

入る余地など無い


彼にとって残酷な現実

彼はそれを受け入れない

ただただ子供のように

否定するばかり


幻想を現実にするために

彼は狂った

精神を狂わせたのだ

それは歪んだ恋心を

核とした狂気


カーメルの望みは

ただ一つだけ


エリカと繋がり

一つとなること


だからカーメルは

木々の隙間から

エリカを眺めることをやめ

ゆっくりと確実に

エリカのもとへと歩む


新緑の瞳に

歪な狂いを宿しながら――

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