第4章:クリスマスまでの過ごしかた。
苑子の過ごし方。の巻
冬休みが間近になって、内藤さんは自由登校になっていた。朝に電車で会話ができなくなったけど、メールのやりとりをするようになった。
私たちも、期末が終わってあとは冬休みを待つばかりなので、結構気楽。
週明けの昼休みに、樹理ちゃんにメルアドを聞いたこととクリスマスにケーキを渡すことを話をしたら「すごい!苑子、頑張ったね」と自分のことのように喜んでくれた。
「ありがと、樹理ちゃん。私、がんばる」
「うん、がんばれ。で、どういうケーキを焼く予定なの?」
「甘すぎるお菓子は苦手ってメールに書いてあったから、甘さ控えめのケーキを焼こうと思って。それでね・・・」と私はカバンから袋を出した。
「何種類か焼いたんだけど・・・一緒に食べてみてほしいんだ。」
「おおっ。苑子のケーキ、久しぶり~。」
「最初、そうくんに食べてもらおうかと思ったんだけど、そうくんって、何食べても美味しいしか言わないから、わからなくて。ごめんね、樹理ちゃん、実験ぽいのにつき合わせちゃって」
「何言ってるのよ~、苑子のケーキは美味しいからいくらでも付き合うって」
樹理ちゃんは早くも、どのケーキにしようか迷っているみたいだ。
「このケーキ、どうしたの?」高野くんが、樹理ちゃんが選んだケーキに目を留めた。
高野くんって、樹理ちゃんがいるところによく顔を出すけど・・・・やっぱり樹理ちゃんのこと、好きなのかなあ。
「高野には関係ないよ」と樹理ちゃんはそっけない。
「あ、あのね、高野くん。樹理ちゃんに試食を付き合ってもらってるの」
「試食?」
「う、うん。私が焼いたんだけど・・・」
「武内さんが焼いたの?」
「そうなの。」
「苑子が彼氏にあげるのは何がいいか考えてるんだよね~」樹理ちゃんがニヤリと笑った。
「樹理ちゃんっ!」私は顔が赤くなってしまい何も言えない。内藤さんが彼氏になったら、どうしよう。ひゃ~!!
「彼氏・・・武内さんに?」
いかにも意外という顔のあと、なぜか急にがっくりした顔をして高野くんは立ち去っていった。
「高野くん、どうしてあんなにがっかりしたんだろ?・・・ていうか樹理ちゃん。内藤さんは彼氏じゃないし!」私は周囲に聞こえないように樹理ちゃんに言った。
「そうなったら、嬉しいでしょう?」
「・・・・嬉しい」
「素直でよろしい。」樹理ちゃんは、何事もなかったように“どのケーキから食べようかな~”とケーキを選び始めた。
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前回、苑子の押しで少し進んだ(?)二人がそれぞれクリスマスを迎えるまでの話です。
次回は内藤サイドです。