第1章: おまけの誘い
前作”図書委員会”で長くなりそうなので、独立させるとお知らせした武内苑子の恋愛話です。
お待たせしましたって・・・書いていいのかな。
私は武内苑子です。泰斗高校の1年生です。最近、兄のおかげで知り合った専心館高校3年生の内藤駿介さんは、入学して間もなくの連休明けの通勤ラッシュで私を助けてくれた人でした。
顔を見るだけでラッキーだったのに、思いがけず兄のおかげで知り合ったあの人は、寡黙だけど優しくて、初めは1年生の私にも敬語だったけど文化祭の頃には普通に話してくれました。
最初は、ちょっと関われただけで嬉しかったのに、私は、もっと近づきたいと思ってしまうのです。
欲張りです、私。
今日は泰斗祭の振替休日。部屋でのんびりしていた私のところに、聡太お兄ちゃんが顔を出した。
「苑子、来週の日曜日は空いてるか?」
聡太お兄ちゃんから渡されたのは、20枚ほどの食券と書かれた紙。
「へ?」
「来週の専心祭の食券。やるから、来週俺につきあえ」
「えっ!なにそれ。」
「内藤が「妹さんと一緒にどうですか」ってくれたんだよ。俺がOBでなおかつ内藤の先輩でよかったなあ!!苑子」
「えーっ!!」
(お兄ちゃんメインだけど)内藤さんが専心祭に招待してくれた!!どうしよう。なにを着て行ったらいいのかな。学校行ったら、樹理ちゃんに相談しなくちゃ。
お昼休みに樹理ちゃんに昨日の件を相談したら「制服にしときなさいよ。迷子になっても分かりやすいから」とアドバイスされた。
でも、迷子って・・・「樹理ちゃん。私が迷子になること前提?」
樹理ちゃんは「あはは、ごめんごめん。でもさ、目印になるから内藤さんも探しやすいとおもうけど?」と笑う。
内藤さんが探しやすいとな?なぜ、内藤さんがここに。私は思わずきょとんと樹理ちゃんを見てしまった。
「内藤さんって、食券だけ渡して放り出すような人?違うでしょ。きっと案内してくれると思うけどなあ~。苑子!!これはチャンスだよ。がんばんな!!」
「そうくんがメインで、私はオマケなんだけど・・・」でも、でも・・・内藤さんが案内してくれる可能性があるのかな。
「何がチャンスなの?」と、突然男の子の声がした。
座っている私たちを見下ろすように、高野くんがパンの袋を持って立っていた。
「ちょっと高野くん。急に現れないでよっ」
「ごめん。チャンスって、何のチャンスなんだろうと思って」
「あの、高野くん。チャンスっていうのは私の話で、樹理ちゃんには相談に乗ってもらってるだけなの。だから、気にしなくていいよ?」
「え・・・。武内さんの?そうなんだ・・・・」高野くんは、なんだかちょっとへこんで、友達のほうへ歩いていった。
「樹理ちゃん。高野くんがへこんでたみたいだね。」
樹理ちゃんに言うと、樹理ちゃんは高野くんのほうをチラッとみて「ふん。この程度でへこむなんて・・・やっぱりダメだわ」とボソッと言った。
「何がだめなの?」私が聞くと、樹理ちゃんは「ん?苑子は気にしなくていいんだよ。それより、苑子。専心祭の報告、楽しみにしてるからさ」と、素敵な笑顔でサラッと言った。
読了ありがとうございました。
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ストックが少したまりましたので、UPしてみました。
この作品でも、聡太は暗躍(笑)の予定です。話には出てくる、長兄・伊織も登場させたいなあ~と思っています。