第8話
さて、皇帝とも謁見したことだし、城下町やら城の中やらで探し当てるぞ。
「龍己、匂うか?」
「皇族の口臭が強烈過ぎてなかなか城の中は難しい」
だよなぁ。俺ですら「くせぇっ」て思うから、龍己には物凄いだろう。
「城下町を見るか」
「待て!この城壁、なんか匂う。なんだ?」
城壁を守っていた兵士には悪いけど、眠ってもらった。龍己監修で俺は睡眠魔法を会得した。
城壁の一部が凹み、隠し階段が現れた。
「どうだ?この奥からは食べ物の匂いとかするか?」
「当たりだな」
俺は城下の人々に叫んだ。
「城壁の凹みに触ったら隠し階段が現れたぞ!中に食べ物の気配がする!」
これだけで腹を空かせた住民は隠し階段の方へとやって来た。
「兄ちゃん、中は確かめたのか?」
「え?」
「罠があったりしたらたまったもんじゃない。兄ちゃんが先頭に立ってくれよ」
予定では、住民が食べ物を見つけてクーデターみたいのを起こすはずだったんだが、罠か…。あり得る話だな。
「わかったよ。俺が先頭で行くな」
俺が先頭でどんどん進んでいくと、そこには今まで貯めてあったのか?というくらい沢山の食料が!
「こんなに食料が……。皇家は何をしていたんだ?」
独占して肥えてました。見たことないのか?
「皇帝の姿、見たことないのか?」
「畏れ多い。そのようなお方のお姿など我々が見るには尊すぎます!」
その尊い方は肥えていて、威厳ないけどな。
「兄ちゃんは見たことあるのか?」
「ああまぁ」
「やはり、威厳に満ちていて凛として壮健なんだろう?」
「いや、残念だがこの国の皇帝陛下はでっぷりと肥えている方だ」
「影武者じゃないのか?」
「信じたい気持ちはわかるが、ではこの食料の備蓄をどう考える?今日、明日にでも戦争を仕掛けるのか?皇家は食料を独占している。これが事実だ」
都合のいいことに、その場に皇家の第3皇子が現れた。こいつもでっぷりと太っている。
「何奴?我はこの国の第3皇子ぞ?」
「「兄ちゃんの言う事が本当なんだな……」」
不本意な形で俺の言葉が信用されこの第3皇子は人質として平民に攫われた。
この場所にあった食料は何往復も住民がすることで皇族の独占ではなくなった。
「龍己~、もしかして他にも同じような場所があるんじゃないか?」
「城壁を辿るとわかる。不自然に兵士が護衛している場所だ」
なるほど、門でもないのに護衛してる。わかりやすい。
俺はそこの兵士を眠らせて隠し階段を数カ所現した。
「いやぁ、兄ちゃんなら信用できる。何?1カ月限定貿易利益競争?1カ月限定だったら兄ちゃんならここの鉱石好きなだけ持ってきなよ」
よっしゃー!鉱石いただき!
「私らはもう数年食料にありつけそうだし、鉱石は好きなだけ持っていくといいよ」
その言葉通り、俺は4台の馬車に積めるだけ積んでその馬車はヴェータス王国へと向かわせた。これから1カ月近くかかるはずだ。馬車の護衛は上空から、俺と龍己が行う。馬車を襲おうとする輩を発見したならばいち早く降り、主に俺が倒している(龍己が手を出すと殺しちゃう)。
楽勝で、鉱石入手‼
王族、ピチピチブヨブヨしすぎ!どこまで独占したの?




