第5話
「聞いたか?無謀にも旅の異世界人が神谷と一戦交えるらしい」
「なんか不憫~」
「え~、絶対神谷君が勝つに決まってるじゃん」
「陛下の命令なんだよ」
「ああ、王命ってやつ?」
そんな事を言われながら、俺と神谷は向かい合った。神谷はなんか凄そうな剣を持っている。
「ああ、初対面の君にいきなり使うほど野蛮じゃないから安心してよ」
「神谷君紳士~♡」
「俺相手にそんな事言ってられないぜ?」
俺の声で相手が須藤正己だとわかったようだった。
「お…お前。生きて…」
「ああそうだ。クラス全員に殺された須藤正己だ。正々堂々そのいい剣を使って来いよ。お前レベル13なんだろ?俺のレベル知りたいか?」
俺はこそっと神谷の耳に呟いた。「-48」と。
その場で神谷は失禁。そうだろうな、50以上レベル差のある相手と戦うのはどうかと思う。
俺に与えられたのは、木刀。神谷も不憫だし、まぁいいかと、俺は神谷のボンノクボに一撃食らわせて、下半身不随状態にした。さて、こんな神谷の介護をやりたがる女はいるかな?勇者でもなくなり、試合中に失禁。果ては下半身不随で今は気絶中。
「神谷、俺のことは誰にも言うなよ。っと今は気絶中なのか」
「神谷の仇を取ってやる!」
おお、おお。熱血だなぁ。戦士か?随分鍛えたみたいだな。デカい斧振り回せるようになったのか。
「俺のレベルは15だ。お前もできるみたいだが、レベルは?」
そんな港にもこそっと「俺のレベルは-48」と教えてやった。
港も斧を落とし、ガタガタと震え出した。さっきまでの威勢はどうしたんだろう?
「お前……生きてたのか?」
「まあな。それからいろいろあったわけだが、港は俺と戦うか?戦士だもんなぁ。さてどうする?」
内心は棄権したくて仕方がないだろうな。でも観衆と王命と戦士という肩書きによって逃げ道が塞がれて、どうしようもない。顔面蒼白で俺に挑んできた。
「斧、落としてるぞ?」
俺は、斧を投げ返してやった。なんか攻撃になったらしい。親切心なんだが。攻撃されるのが嫌なら、避けるなりすればいいのに、無理にキャッチしようとするから、肩を脱臼するような羽目に……。デカい斧はただの脅しかぁ。残念。
「戦士は接近戦をするのか?俺は接近戦でもいいぜ?」
俺は港の鳩尾を殴った。思いっきり吐いた。
どうでもいいが、この闘技場、失禁痕やら吐瀉物やらで汚い。
俺は胃液で慣れてるけどさぁ。汚いものは汚いよなぁ。
こいつも手刀で一発で気絶させた。あ、気絶させる前に俺の存在は秘密☆って伝えるの忘れた。
人気者の陽キャが速攻で失禁とかありえないっていうか、恥ずかしい!




