第40話
リンの産室も確保してくれたので、安心して俺はリヴィアの街で医者の仕事ができた。リンになかなか会えないのは寂しかったけど、リンを王女の乳母にしたいとかフリックから申し出があった。
リンは私でいいのかな?とか戸惑っていた。普通の反応だろう。俺もだけど平民だし。この国の人間じゃないからな。リンの母乳で髪が黒くなるってわけでもないだろう?なんかランゲル王国の貴族様から声があったらしい。フリックが一蹴したみたいだけど。
今度産まれる子が王女と仲良しになればいいなぁと俺は思っていた。俺とフリックみたいな関係になればいいなぁくらいに思っていた。
リンに当たり前のように悪阻の期間があり、陣痛が訪れた。
俺と成己とマリはのん気にリヴィアの街から龍己の背中に乗ってランゲルの王城を目指した。
「リンのことだからさぁ、着いた頃にはすでに産まれたあとかもしれないぞ。お前達二人も超安産だったからな」
「流石母さん」
「え?出産って数時間かかるんじゃないの?」
二人の反応が面白い。
俺達が王城に到着したら、本当に産まれたあとだった。
「母さん、すごい!」
「やっぱりレベル高いと安産なのかな?私も鍛えようかな?」
「リン、お疲れ~」
「うん、お休み~」
なんだか、このやりとりにも慣れた。わかってたよ。眠いんだろう?
「えーと、マサミ様?お子様は男の子ですよ。母子ともに健康です」
そうだろうな。俺達を見てすぐ寝るあたり。
「へぇ、弟かぁ。一緒にダンジョンに潜ったりできていいかも」
「えー?私仲間外れ?」
「だって、お前弱いもん」
「鍛えるわよ!」
子供達の会話を楽しんでる場合じゃないな。名前を考えなきゃならないのか…。
苦手なんだよな~。とはいえ、克己がいいと思う。
リンが起きたら相談だなぁ。なかなか合わないんだよなぁ、タイミング。初乳の時間だったり。
「リン起きたのか?ご苦労様」
「母さん、スゲーな一体どんな力業?」
「痛いのが嫌だから、本気でイキんだのがよかったのかなぁ?」
そうだよな。子供だってさっさと生まれて来たいんだから、そのほうがいいよな。
「やっぱり力業なんだ。鍛えた方が良さそう。私も鍛える!」
「リン様、初乳の時間となります」
「またね、皆」
相談するタイミングも行ってしまった。
その後、リンと相談することができて名前は克己に決まった。
数年後、まさかの事態となった。
俺は王女と仲が良くなればいいとは思ったよ?でも限度ってもんがあんじゃん?
「おうじょがね、おおきくなったらぼくとけっこんしたいっていってるってきいたよ」
「どこでだ?」
大人げなく克己の両肩を掴んでしまった。
「とうさんいたいよ。おしろのじじょさんがうわさしてた」
城の侍女って噂好きだからなぁ。
力技で出産?




