第39話
散々俺の時に揶揄ったから今まさに天罰のように気になって仕方ないんだろうなぁ。でもまぁ俺の用件。
「で、リンの産室を用意…」
「あとにしてくれ!」
なんて面倒な男なんだ。
「俺がいるんだからなんかあっても処置なんかチョロいもんだ」
「ああ、そうだな。リンさんの産室?いいよ。部屋余ってるし」
王城って無駄に部屋があるよなぁ。
侍従さんの説明によると、王妃様は産室に入ってもう数時間経っているらしい。リンみたいにウロウロしてたら、はやくね?みたいに産まれたわけじゃなくて、結構頑張っていらっしゃるという話だ。
リンですら、産後は疲れて眠ってばかりだったほど疲れるというのに、王妃様はもう数時間も戦っているということになる。もう中ボスだね。
フリックも拳を握っちゃってるけど、爪が食い込み過ぎて血が出てるよ。あとで治療だね。
「侍従さん、その間の陛下の仕事は?」
「手を付ける者がいません」
フリック、仕事も放棄しちゃうか~。いや、わかるんだけどさぁ。
その時小さな子供の泣き声が聞こえた。
「産まれたんだ。部屋に入ってもいいだろうか?」
「向こうから開けてくるまでの我慢ですよ」
嬰児交換もこうして成立するんだな。出てきた女に速攻で嘘発見魔法かけてやる。
「陛下、慎ましやかな女の陛下の御子ですよ」
この女の頭の上に嘘と出た。はぁ、嬰児交換かぁ。
「で、本物の御子はどこにいるんだ?中に入るぞ」
またしても窓から捨てようとしている女が……。王城に女の子の死体とかあったら嫌だろう?もっと建設的に考えろよ。
「ちょっと待ったーーーー!」
侍女は動きを止めたので女児を確保。この女にも嘘を発見する魔法をかけさせてもらった。
「あなたは陛下の御子を窓から捨てようとしましたね?」
「まさか?その子は私の子です」
それにしたって、窓から捨てる?あり得ないだろ?嘘の文字が頭の上で燦然と輝く。
「もう一度聞きます。この子は陛下の御子ですね?」
「違うって言ってるじゃない!」
‘嘘’という文字が頭で上で燦然と輝いている。
「はぁ、マサミがいて良かった。産室にいる女たちを全員嬰児交換の罪でとらえろ!」
「「「はっ!」」」
嬰児交換流行ってるのか?
「陛下、申し訳ありません。女の子、王女でした…。このままでは側妃を望む声が…」
「私はそんなものは望んでいない。疲れただろう。ゆっくりと休むがよい」
「フリックー、俺はリヴィアの街で医者やってるから入用の時は使いの者でも寄越せば駆けつける(飛んでいく)ぞ」
「そう言ってくれて有難い。俺はいい友人を持ったな」
「あ、そうだ。お前、緊張して手を握り過ぎてただろ?手から流血…」
「あ、本当だ」
気付いてなかったのか…。必死だったもんな。
流行ってるの?嬰児交換と手から流血。手の爪切ろうよ…。




