第36話
そんなんだからリンはあっさりと俺の子供を妊娠した。俺自身が診察してるから性別まで知っているのは何だか味気ないなぁ。
「私は正己さんの子供を授かることが出来て嬉しいです」
はぁ、どこまでもリンは可愛いなぁ。リンには性別を教えてないけど、俺の動きとかでわかっちゃうかもなぁ。
「正己さん、私、頑張ります!」
うわ、これはバレてる。答えは双子なんだけど、男女の双子なんだよなぁ。
リンもレベルが35だし陣痛に勝って産むことはできるかと思うけど、別腹みたいなもんなのか?よくわからん。
リンは不安かもしれないが、ちょっとライさんに聞いてこよう。
「はぁ?あの娘さん、あっさりとマサミの子供を妊娠?」
「あんまり大きい声で言わないで下さいよ。なんか嬉し恥ずかしいですね」
「リンのレベルでも陣痛って大丈夫ですか?」
「それを男の俺に聞くか?一概に言えないが、レベルが高いから安産とは言えないってのがギルドとしての統計だな。って、おい、どこに行く?」
「急ぎ、ランゲル王国の王城にリンの産室を用意してもらう!」
俺は龍己に乗ってて聞こえていなかってけど、「相当てんぱってんなぁ」とライさんは呟いていたらしい。
「リンさんがマサミの子を妊娠ねぇ。遅かれ早かれだと思ったけど、早すぎ!」
フリックは俺の股間を掴んだ。
「フレドリック殿下、手が汚らわしいですよ?って侍従さん達が思ってますよ?」
フリックは手を離してくれた。なんか一命を取り留めた気分。
「それで、王城の中にリンの産室を用意してくれないか?対価は……困った時に俺の手を貸す。リヴィアの街に腰を落ち着かせようと思うんだ。子供もいるし、家庭があるのにフラフラしてるわけにいかないだろ?あ、手に職がない!」
「リヴィアの街で医者をしろよ」
「それ、国家資格か?試験勉強は嫌だぞ」
「陛下を治療したという功績があるから、免除だな。即資格持ち」
「やる!職がないと食わせらんないからな」
そういう事で、悪阻が始まる前にリンは王城へと移動。王城の一室はリン専用の産室となっている。
「なんだか大袈裟ですよ!」
「何を言っているんだ。レベルと子供を産むときの痛みは関係ないらしい。リンは強いから平気かと思ったんだけどなぁ。リヴィアの街のライさんから統計的にレベルと関係ないらしいって話を聞いた」
「あ、それから。俺はこれからリヴィアの街で医者をするからな!手に職がないと家族を養っていけない。リヴィアの街は冒険者が多いから患者に事欠かないだろう?当面はフリックの下働きとかするかなぁ?」
やっぱり家庭を持つというと大変ですよね。フラフラしていてはだめですよ~。




