第34話
「私はお強い方が好みです。ですので、正己さんは大好きです」
「お、おお」
あの‘ヒメ’って卑弥呼か?ってことは弥生時代くらい?あー、歴史の授業の時よく寝てたからわからん。
正式に俺とリンは夫婦というやつになってフリックに会いに行くことにした。
「あの…正己さん。私は須藤リンということになるのでしょうか?」
「多分そうだと思うよ」
戸籍とかないんだもんなぁ。
「で、今日はランゲル王国の王子、ああ、王太子かなぁ?のフレデリック殿下。俺は友人だからフリックって呼んでるけど。それに会いに行こうと思うんだ。俺は結婚したぞ~!羨ましいか、この野郎!って」
「本当に仲良しなんですね」
俺は郊外で角笛を吹いて龍己を呼んだ。
「おいおい、リンとラブラブなのかよ。俺の背中の上では自重してくれよ!」
そうは言ってもなぁ。新婚なんです。
俺はリンを龍己の背中に乗せてから龍己の背中に乗った。頭の中で『煩悩退散』と思いながら。
しかし無情にも風になびくリンの髪から覗くうなじを見ると、煩悩が戻って来そうになる。退散していただいたはずなのに。
心を無にしてのランゲル王国までの空の旅となった。
王城の門番にいつものように止められたが、マサミです。と言って、ちょっと無詠唱で魔法を見せたら、「す、すいません!お通りください‼」となった。
「正己さん、いつもこんなんなの?」
「うーん、門番さんが顔を覚えてくれなくてねぇ」
「正己さんのステータスボードを見せるのが一番じゃない?」
あ、それが安全確実。魔法なら他に真似するのが出てくるかもだけど、ステータスボードは身分証明みたいなものだし。
「フリックはどこかなぁ?ん?謁見の間?何でだ?いや、俺が迷子にならなくていいんだけど」
リンは珍しいんだろうなぁ。キョロキョロ見ている。
「あ、水をあんなに吹き出していますよ!」
「アレは見た目に涼しいだろ?あとそれ自体が芸術作品というかね?俺にはわからない世界だよ」
さて、謁見の間はあの上だろうけど、面倒だからリンと一緒にテレポート(監修:龍己)。
「おぅ、マサミ。久しぶりだな。突然の登場で驚いたけどどうしたんだ?」
「いや、こっちもフリックがなんで謁見の間とか思ってたところだけど?俺はなぁ、なんとこの可愛いリンと正式に結婚したんだ~!」
おや?冷やかしとか来るかと思ったんだけど、そんなこともなさそう。
「フリックはまた面倒ごとか?」
「まあなぁ?こいつらがなかなか本音を言わないから」
「殿下!…にマサミ殿!全くの冤罪。我らには何の事だかサッパリですよ」
「な?」
フリック曰く税金を領民から実際より多く徴収し、国に納める税金との差額を懐に入れていたらしい。
「どこにでもいるんですねぇ」
「えーと、マサミの奥方の…」
「リンと申します。以後よろしくお願いします。殿下」
「マサミと同じくフリックでかまわないよ」
リンも黒髪黒目以外の人間に慣れてきたなぁ。
「フリック、面倒だし嘘探知魔法を使う?」
「頼めるか?」
「余裕~」
俺はランゲル国の結構お偉いさんたちに魔法(監修:龍己)をかけた。
どこにでもいるんですね横領する人って。蚊とかそんなのみたい。海外は行ったことないから知りません!
国内ですら危ういのに…。9割以上北海道在住。




