第33話
「おう、なんだなんだ?マサミ!女性同伴でお帰りとは」
「いやぁ、彼女が俺のドストライクだったんで貰ってきました。こんなに可愛いのに、奴隷だったんですよ?あ、主も女性でしたよ」
リンは自国の人以外の人を初めて見るからか、俺の陰で怯えていた。
「リンが怯えちゃうじゃないですか!リン、この人はライさん。この街のギルドマスターって偉い職業をしている人。そういえば、ライさん義足の具合はどうですか?」
「おうバッチリよ!これなら明日にでも現役復帰できるってぐらい絶好調だ」
それは何より。
「剣術衰えてませんか?体力とか。俺で良ければ手合わせの相手になりますよ?」
「マサミ相手なんか無理無理。俺が死んでしまう!せっかくの義足が……」
「あのー、正己さんってお強い方なんですか?」
「この子、何にも知らないのか?」
「あの島国自体知られてないみたいでしたね~」
「はぁ?お前、そんなところに行ってきたのか?」
「はい」
ライさんはリンに長々と俺のスゴイ武勇伝みたいなことを話していた。リンの俺を見る目が変わった。
「黒髪黒目で魔術に長けた人じゃないんですね」
「おうよ!レベルがマイナスってもう世界中でマサミを知らないやつはいないってくらい有名人だ」
魔術じゃなくて、魔法だよ。それも覚えようね。
リンもステータスボードを見てみることとした。
職業欄に マサミに連れ去られた人 とある。心外な。略奪愛みたいな?
レベルは35 閉鎖的なところで育ったからよくわかってなかったみたいだけど、かなり強いよ?
「リンのレベルだとどのくらいの冒険者になる?」
「うーん、E…F級冒険者か?」
「そのれべるだとか冒険者の級だとかはなんですか?」
「どのくらい強いかの指標だよ。リンは自分だとよくわかってなかったみたいだけど、かなり強いよ。いつもあの‘ヒメ’が愚図とか言ってたから自己肯定感がほぼないんだよ」
「リンを連れてるからってEとかF級の依頼を受けられると思うなよ」
「は~い」
ちぇっ、ダメなのか…。ライさんは俺に厳しくない?
うーん、正式にリンと婚約したわけじゃないしフリックに会いに行くのは時期尚早だな。
「マサミは私のどこがいいんですか?」
突然聞かれて困った。
「第一印象は顔だけど、つまらなそうに‘ヒメ’の世話してたよね?」
「つまらなかったですから」
「そうだよね~。頑張っても褒められないし、貶されるし、やってられるか自分でやれよ!とか思うよね?」
俺がバイト先でそんな扱い受けたら速攻辞める。
「奴隷だったから辞める事ができなかっただけで、心は辞めたくて仕方なかったんです」
「だよな~。俺がああいうのの奴隷だったら同じような表情してたと思う。そんな中で一瞬だけ俺と目が合っただろ?そん時に微笑んでくれたんだよ。可愛かった」
リンは頬を染めた。
「そんなこと覚えているんですか?」
「可愛かったから、心のアルバムに……」
「あるばむ?」
「うーん、思いで写真手帳かな?そんで、解放されてからは表情も明るくなったし、色んな感情を表現するようになったよね?そんなところかな?」
直接的に顔が超好みとは言えないところだろう。好みだけど。
難しい判断ですね。一歩間違えるとリンちゃんに嫌われちゃう!




