第29話
俺はじっくりと腰を据えて義足の制作を見るつもりだった。しかし、ドワーフのスキルで関節部のドラゴンの爪の加工やら脱皮の皮を義足の芯にするという話やら、あっという間にできてしまった。……俺、スキルないから無理じゃん。
太ももの肉感とかはゴムを使うらしい。その加工が難しいらしいけど、これまでの加工だって十分難しいのに。
ちなみにギルマスのライさんのサイズを伝えているので、完成品はライさんにピッタリの物が出来る予定。
数日で義足は完成した。時間がかかったのは材料の入手。
「あー、残った材料はこの里で使ってください」
「「「「マジか?」」」」
俺は拝まれてりした。ドラゴンの爪やら脱皮した皮やらは相当レアらしい。
義足を持って俺はリヴィアの街へ戻った。
街が寂れた原因はギルマスの不在だったようだから、今は大丈夫じゃないかなぁ?などと軽く思っていた。
俺は完成した義足をさっそくライさんに使ってもらった。
「おお、コイツはスゲーな。ひざの関節とかあるのか?リハビリとかした方がいいかもな」
普通に動いているライさんはかなりの運動神経の持ち主だと思う。
「リヴィアがまだ寂れた様子でしたけど?」
「ああ、‘We are No.1’ってグループがあちこちを縄張りにしてて、ショバ代とか支払わなきゃ、暴力を振るうようになったんだよ。それで、この街の連中が他の街に行っちゃってこのザマ」
やり口が元の世界のチンピラみたいだけど、2-Cの連中が関わってないよな?
「幸い、ギルドはなんとかやつらの縄張りじゃないんだ。だから俺は生きていられる」
‘We are No.1’って何だ?恥ずかしいことはわかる。だが……。いや、会ってみればわかるんだが、会いたくない連中だったらどうしたらいいんだ?
「とりあえず、‘We are No.1’って連中に会ってみるかぁ」
俺の勘は当たるもので(嫌なこと限定)。そこにいたのは、元・勇者の神谷と元・戦士の港と元・賢者の長野センセー。それに元・王太子妃の袴田がいた。
「はぁ?俺はセンセーに手紙書いたのに、センセーは率先して何やってんですか?チンピラみたいなことしてるとか?」
「失礼ね。貰えるところから貰える額を貰ってるだけよ」
無理を押し付けてるんでしょ?この寂れ具合…。
「お前に負けて以来、あの国で居場所を失くしたんだよ!」
こいつらみんな他責志向の持ち主か?今まで散々チヤホヤ育ってきたから打たれ弱いんだなぁ。ある意味哀れ。
打たれ弱いって哀れだなぁ。周りが用意してくれた美しい世界でしか生きられないじゃん。もっとこうどこでも生きられるってサバイバル感あった方がいいと思うけどなぁ。




