第28話
「でもまぁ、義足を作ってる間だけでもちょっと鍛冶の勉強でもすればいい。鍛冶の世界はそんなに甘くはない」
そうでしょうね。長命種のドワーフさんの天職ですから。
「それで、義足の構想なんですが……」
俺の構想をワーグさんに説明した。
「なるほどなぁ。異世界人ならではの着眼点だよなぁ。スライムとはなぁ。ただの雑魚モンスターとしか思ってなかったからなぁ」
「スライムが干からびるといけないんで水分が必須になるんですけどね。そうすると、関節部に金属が使えなくなるんです。サビちゃうでしょう?簡単に錆を落とせませんから」
「そうすると、他の材料ってことになるのか……。お前さんなら取って来れるかもなぁ。関節部の金属の代わりにドラゴンの爪を使う。義足の芯の部分にはドラゴンの鱗を使う」
「俺、今使ってる義足を見て驚きました。あまりにも粗末で。ただ棒をつけただけ…みたいな」
「ないよりはマシなんだろうけど、確かに粗末だよな。今回使う材料はマサミ殿だから調達可能かもしれないが、他のヒトは無理だろうな…」
爪はいいとして、鱗ってくれるかなぁ?
「それじゃあ、俺はドラゴンの爪と鱗を求めて行ってきます」
ドワーフの里からちょっと離れたところで俺は角笛を吹いた。
「爪はともかく鱗はやだぞ!」
さすが耳がいい。龍己は聞こえていたらしい。
「うーん、谷の誰か脱皮してたりしないかなぁ?とにかくドラゴンの谷に行ってみない?」
「了解!」
俺と龍己はドラゴンの谷まで飛んでいった。
結論から言うと、脱皮しているドラゴンはいたが鱗の提供は嫌がられた。
「だって、お前。皮膚を剥がすんだぞ?嫌だろう?」
もっともな話。脱皮した皮に地味に鱗がついてたりしないかな?と期待してみたけど、鱗はなかった。
とりあえず、俺はドラゴンが脱皮をした皮と爪をドワーフの里へと持って帰ることとした。
「おいおい、脱皮した皮なんてレアなもの持って来たのか?それと爪」
「脱皮は運よく最近脱皮したやつがいたので、落ちていました。爪はまた伸びるんだから、って説得をしました。足りますか?」
「脱皮した皮がこれだけあれば、十分!爪も十分すぎるほどだ!よくこんなに持ってこれたな」
「いやぁ、ドラゴンに友人(友竜?)がいるので、余裕です」
「マサミ殿はドラゴンに知り合いがいらっしゃるのか。レベルもスゴイが交友関係も凄いな」
うーん、そういえばランゲル王国のフリックもそうだし、各国の国王レベルのヒトには顔が利くなぁ。
冷静に考えると‘皮’は痛い。誰か脱皮しててよかったね。




