第22話
おいおい、また2-Cの連中の中の商人のやつ。ヴェータス王国じゃ商売できなくなったからって麻薬を売るようになったのかよ?担任の長野せんせーは何してる?監督不行届というやつじゃないのか?
俺は関わりたくないから、この国ともオサラバするか。あ、冒険者ギルドに登録してるんだったな。一度リヴィアに戻るかな。
なーんて考えてたのに、「マサミ待てよ!」とフリックに止められた。
「俺は異世界人と関わり合いたくないんだよ」
「そこをなんとか‼」
うーん、次期国王確定のフリックに顔の前で手を合わせて頼まれたんじゃ断りにくいなぁ。何より周りの目線が「王子がここまでしてるんだぞ?」的で怖い。
「ふぅ、わかった。匿名で協力するよ。えーと、ランゲル王国に麻薬を持ち込んだのはヴェータス王国で商売ができなくなった商人(異世界人)だ。誰かは断定できないけど、まぁヴェータス王国で商売できなくなったのは20人弱いるから、その中の誰かだろうなぁ」
モブの分際で面倒なことを…‼
「最近、ランゲル王国に来た異世界人(俺以外で)を調査すれば一発じゃねーの?」
「そうだな…。俺は謁見の間でヒットした人間に会うから、断定をしてほしいんだが……」
「龍己の嗅覚か?」
「是非お借りしたい!人間なんかに使われるようで嫌かもしれないが」
そうかなぁ?龍己は結構楽しそうに協力してくれるけど?
「とりあえず、龍己に聞いてみよう」
俺は角笛を吹いた。龍己は慣れたようで、着地点の大きさに合わせて自分の大きさも変化させている。
「正己、また面倒ごとに巻き込まれてるのか?」
「まあな。今回は龍己が主役!龍己に犯人を断定してほしいんだ」
フリックが麻薬の根絶を考えている事など、事細かく龍己に説明。
「なるほど。それで俺の嗅覚が重要ってことか?」
「そういう事!協力してくれるか?」
「まぁ、いいぞ。時間はたっぷりあるからな」
つまりは暇だということか?これも黙っておこう。龍己が主役☆ってことで気をよくしてるみたいだし。
翌日より、異世界人と呼ばれる人間が王城に招集された。
はぁぁぁぁ、ほぼ2-Cの連中じゃね?
一人づつ次期国王のフリックと面談することとなった。商人だし、王家御用達とかになればランゲル王国での成功は約束されたようなもの。
皆、ここぞとばかりにアピールをしていく。「我が商会の強みは」で始まる文言を何度聞いた事か……。他者との違いをアピールしているんだろう。就職面接みたいだな。
「おい、この人間から麻薬の匂いがするぞ!」
俺はトブチから密かに借りていた薬品でも確認した。確かに麻薬を扱っているようだ。
俺は王座に座るフリックに合図を送るために、咳払いをした。
「ときに…国王陛下は病床に臥しているが、何か知っているか?」
「病床なのですか?でしたら、こちらの薬などいかがでしょうか?体調がよくなるやもしれません」
「ふむ。様子を見たわけでもないのによく薬を出せるな。俺なら出来ないな。容体を診て、その容体に合った薬を渡すが?」
「コレは万能ですので、はい」
あれは、麻薬だな。確かに万能と言えば万能だな。
正己君は苦労人ですね。




