第20話
「あ、フリック。何やってんだよ?」
「王子に向かって失礼な!こちらはランゲル王国第1王子のフレデリック殿下であるぞ?」
「いいんだ。マサミは?なんか広場で魔女裁判とか言ってたけど?」
「ああ、失礼だよな。貴族の悪事をいたいけな薬師に着せて闇に葬ろうとしてたんだぜ?そういえばフリックって王子だったのか?」
俺は不敬とかにならないよな?ドキドキする。まだまだいじめられっ子の小心者根性があるなあ。
「ああ。父上が病床でなぁ」
「あ、それ!それが原因で高位貴族が結構好き勝手に政をしてたらしい。とりあえず、そのフリックのお父さんに会わせてもらえるか?」
俺はトブチを連れて王城の中へと進んだ。トブチは本当に粗末な服を着ていたので、俺の上着を羽織らせた。
「俺まで陛下にお会いしていいのか?」
「薬師としてどう診断するのか、俺は見てみたい」
「陛下!フレデリックです」
「おお、フレデリック。立派になったなぁ。後ろの御仁は?」
「友人のマサミ殿と薬師のトブチ殿です。二人が必ずや父上の体調をよくしてくれるはずです」
「トブチ…陛下の容体、どう思う?」
「何者かによる毒の摂取が原因かと思う。毒の特定はできないけど」
「やっぱりそうか…」
異世界ってどうしてこう、毒を盛るとか多いんだ?
「ところで、フリックに兄弟とかいるのか?」
「異母弟になるが、いるぞ?それがどうしかしたか?」
フリックが留守にしてたりしたしなぁ。異母弟的にさっさと王位を継承したかったのか?しかし、フリックは帰ってくるし、俺は来るしで台無しだな。
「さて、陛下は毒を盛られているようなので、俺がこれから解毒しますね。魔法なので痛くも痒くもないし、俺も全く平気です」
言うと、俺は陛下の解毒を行った。
「あとは体力の回復です。これは徐々に行ってくださいね。長期にわたって寝台の住人だったのでしょう?でしたら相当の体力が失われているハズです。あと陛下が無事だという事は内密にしましょう」
「フリック、ちょっとこっち」
フリックに恐らく陛下に毒を盛っていたのがフリックの異母弟じゃないか?という事を話した。
「ハハハッ、それはないよ。異母弟はまだ乳飲み子だ」
「う~ん、だったら誰なんだ?」
「異母弟は乳飲み子なんだけどね、その母君の父親がかなりの野心家なのは覚えてる。彼の差し金かな?」
俺は見た!フリックの顔は笑ってるけど握った拳からは血が滲んでいるのを。こっそり治癒魔法かけておいた。
その母君の家の付近に龍己を連れて行ってみた。(トブチは既に家に帰しております。)
「なんだよ?この家すげー臭い!」
俺にはわからないが龍己にはわかるようだ。
家で、クスリでパーティーでも開いたんだろうか?
俺は再び王城へ行き、フリックと話をした。
「俺の友人のドラゴンの嗅覚だと異母弟の母君の実家のハンス家が「スゲー臭い」ってさ。クスリ使って乱交パーティーでも開いたのか?俺は毒の匂いでもすればと思ったんだが、他の薬の匂いでわからなかったが、とりあえず「スゲー臭い」らしい」
「うーむ。それだけで踏み込むことも強制捜査もできないからなぁ」
「そういえば、陛下の容体はどうだ?」
「メキメキ元気になっていってるよ。食器も銀食器に替えた。毒が入ってたら黒ずむんだな。わかりやすい。お前がちょくちょく来るから安心して食事もできるよ」
そうだよなぁ。フリックだって暗殺対象だよな。
俺はフリックの体の中も診察してみた(監修:龍己)。案の定というか、フリックも毒に侵されていた。
「フリック……今は元気だろうけど、実はなぁ体が毒に侵されてる。解毒するぞ~」
本当に俺がいる事が想定外だろうなぁ。
この世界、毒殺が流行ってるの?




