第17話
その後、第3王子が王太子となったはずだが、俺はよく知らない。
あ~、観光気分だったのに台無し。このまま西に行こうかな。
「西なのか?」
「龍己?!」
角笛吹いてないのになんで?
「俺様の聴覚をなめるでない!ちょっとした正己のつぶやきすらも聞き取るこの聴力!」
それって結構世の中煩いよね…。
「まぁ、西で暖かいところ。そんで、俺の噂がないところがいいかなぁ?」
「ラストの噂がないところってのは無理だろう。世界中で正己の話はもちきりだぞ?なんせ久しぶりのレベルがマイナスになった男だからな。尚且つ俺監修でいろんな魔法使えるし」
「とりあえず、西で暖かいところへ行こう。今回は徒歩で行こうと思うんだ。その間の旅も楽しみたいし。(世界中の全員が俺の顔を知ってるわけじゃないだろうし)途中の村での出会いとか大事にしたいんだ」
「了解。一気に飛んでいくわけじゃなく、地道に進むというわけだな。それでもなんかあったら角笛で俺を呼んでくれよ?」
過保護だなぁ。
俺は旅を楽しもうと思った。
しかしだ。乗り合いのはずの馬車でも何故だ?
「兄ちゃん、レベルがマイナスなんだろう?いやぁ、旅が安全だなぁ。レベルがマイナスって者がいたら、モンスターなんか寄ってこないだろうし、山賊でも安心だ」
俺を頼りにしてるのか?頼られるのは悪くないが、俺を頼って努力を怠るような人間が出てくることは不本意だ。
「俺はここで降りる事にする。じゃあな」
俺は途中から本当に徒歩での移動をすることにした。乗り合い馬車の連中にも顔バレなのかよ……。これは動きにくいなぁ。セルフで整形しとくか。
俺は架空の『マサキ』という異世界人を作り出した。顔が違うだけだけど。我ながらなかなかイケメンに作ったつもりだ。俺が思うイケメンに作り上げた。
それからというもの、旅をしてる間モンスターに会うことはなかったが、このまま冒険者登録ってのもありじゃないか?と思い始めた。
「冒険者登録って何をするんですか?」
旅の途中で行き先が西だという青年に聞くことにした。
「そんなことも知らないのか。まぁ、異世界人なら仕方ないか。ギルドに登録するんだけど、名前、年齢、レベル、職業なんかを登録書に記入しなきゃなんないんだ。お前、こっちの言葉書けるのか?」
「アハハ……。全く書けません」
「仕方ないなぁ。俺が代わりに書いてやるか」
やっばー。名前にレベル?本名と今のレベル記入しなきゃいけないのか?今は……-380…。
‘無職’と言えども、コレを公表するのは……憚られるなぁ。でも冒険者になってみたいし。うーん。仕方ない。顔も元に戻すか……。
「うわー!マサミじゃねーかよ!本物か?うわー、握手してください!」
俺の手、汚いんだけどいいのかな?
「俺、冒険者になりたいんだよね。協力してくれない?」
「喜んで!」
こいつの名前はフリック。西に行く途中で、自身も冒険者志望らしい。
「ところで、マサミに適したダンジョンとかってあるのか疑問です」
「どういうことだ?」
「マサミが強すぎて、そこらのダンジョンじゃ話にならないってことです」
なんてこと、そんなことがあるなんて!
正巳君、冒険者登録です!バレました‼




