第11話
そんな風に歓談をしている横には酔いつぶれているドラゴンがいたりする。
「あー、あいつのブレスは炎だ」
超危ないじゃん。爆発してしまう。いや、ドラゴンは強いからなぁ。こんな爆発程度屁でもないんだろうけど、俺が危ないんだよ。いざという時は龍己の陰に隠れよう。
「ん?そう言えば龍己が静かだね」
「ああ、そいつ?この谷の序列で最下位だからね」
最下位でも人間には脅威なんだよ~。
「最上位のドラゴンってどのドラゴン?」
「呼んだ?」
出てきたのは、人間だったら女王様って感じのドラゴンだった。
「いやぁ、貴女がこの谷の序列で最上位って聞いて、お会いしたいもんだと思って」
「この私に会えただけでも幸せなもんよ?」
実際のところ強いのだろうか?
「手合わせをしてもらえませんか?」
「いいけどぉ、私が勝ったら貴方の子種が欲しいわ」
いいのか?人間とドラゴンのハーフ。
「俺が勝ったら…そうだな。最下位のドラゴンの序列を上げてよ。俺はあいつに勝てないんだ」
いやマジで。
審判に名乗り出てくれたドラゴンに感謝。
試合は始まった。
そういえば、俺は武器とか持ってないな。女性を殴るのか(ドラゴンだけど)。ちょっと気が進まないな。悪いが全力で行かせてもらう。
俺は100発は殴った。敏捷性も上がってるからな。途中、ドラゴンの尾が攻撃してきたけど躱す。
「ありゃ?もうおしまい?もうちょっとかかると思ってた。ともすれば夜通し殴らないとダメかと思ってた」
違った。
ステータス 体力:計測不可 知力:9999 敏捷性:計測不可
強さ:計測不可 魔力:計測不可 etc.
俺の知力って…いや、これでも高い方なんだろうけど、俺は体力お化けか?
「マサミの勝ち!最下位のドラゴンの序列を上げる」
「マサミよりも強いんだろう?あいつが序列トップじゃないか?」
「最下位だったのにいきなりトップ?」
「しかし、中間くらいが妥当だろうか?」
「マサミよりも強いという事実はどうする?」
「龍己~どうする?」
「トップって事務処理みたいな仕事もしなきゃいけないから、俺はこのままでいい」
「龍己がそう言うなら」
龍己のドラゴンの谷での序列は最下位だが、周りが龍己を見る目が変わった。
「龍己、俺の新天地はどこがいいと思う?」
「うーん、話に聞くような前の世界に似てるのは東方の国かな?全く違うのは西」
「俺は寒いのが嫌いだから、南東を目指そう!」
南東には何があるんだろう?ま、それを知るのもこの旅の醍醐味だよなぁ。
「よし、南東だな。ジルベスト王国がある。そこまで背中に乗せてやろう!」
……旅の醍醐味。消え去った。
俺は有難く龍己の背中に乗せてもらった。
消えた旅の醍醐味…。ちょっと不憫。




