第10話
神谷と港、長野先生の外傷は俺が魔法で治療した。そして今後こいつらと関わらずに生活をしていくことを決意した。
ヴェータス王国の他国との貿易権だけど、面倒だから他のやつに1億ゴールドで売った。国王陛下の許可が必要だったけれども、俺がヴェータス王国に腰を落ち着かせる気はないということで話はついた。
2-Cの連中の信用度は俺を囮にしていたことが国王陛下に露見して地に落ちた。商人としてこの国ではやっていけないだろうし(信用第一だから)、勇者とか肩書きは消えた。冒険者にでもなるんじゃないかな?袴田は王太子妃教育から解放されて喜んでるみたいだけど、今度は働かなきゃならなくて、困っているようだ。最悪の場合、娼館…。すでに娼館で働いてる元・女子もいるらしい。
俺は角笛を吹いた。
「どうした?また面倒ごとか?」
「いや、新天地に行こうと思ってな。その前に、前に聞いたドラゴンの谷ってやつに行ってみたいと思った。今の俺なら死にはしないだろ?」
「死なない人間なら歓迎されるだろうな。基本的にドラゴンは人間が好きなんだよ」
龍己は俺を食べたけどな。
「食べるのか?」
「正己なら出てこれるだろう?」
まぁそうだけど、正直微妙……。俺、食料?
しっかりと防寒着を着て、龍己の背中に乗ってドラゴンの谷を目指した。
ドラゴンの谷は、なんていうか…グランドキャニオンにエアーズロックが登場って感じの場所だった。うん、誰も来ないと思う。
「おう、若ぇの。随分面白い人間?だよなぁ、連れてるな?」
龍己は若いのか?
「須藤正己って名前です。マサミと呼んでいただけると嬉しいです。今はえーとレベルは-123です」
「ほえー、マイナスのレベルなんて100年以上ぶりか?人間自体にあんまり会わないからなぁ?」
「マサミはどこにいたんだ?」
今までの事の次第をドラゴン達にも話してあげた。
「お前さんも苦労してるんだなぁ。くぅぅっ酒が染みるっ」
日本酒?じゃないよね?何飲んでるの?昼間っから。何才が成人なんだろう?
「お酒を飲むことが出来る年齢とかあるんですか?」
「マサミのいた世界じゃあるのか?」
「『お酒はハタチになってから』ってキャッチフレーズがあります。一応ハタチかな?警察に怒られたりしますね~」
「ハタチなんかまだひよっこだろう?俺らはうーん、体が出来上がったらかな?」
それは人間とあんまり変わらない。
「人間はハタチで大体、体が出来上がるんですよ。内臓とか。お子様はお子様サイズの内臓ですからね~」
「わかる~。ドラゴンでもちびっこの内臓はお子様サイズだ。そうか、そんな子に酒はダメか…」
「酒の成分を分解できないんですよ~。分解しきれないの間違いか」
ちょっとドラゴン達が飲んでいるお酒をいただいたが…強っ。ウォッカを越えてない?アルコール度数はどうなってんの?引火注意。ドラゴンってブレスで火を吐ける奴とかいるよね。
お酒は大人になってから飲みましょう。場所によっては、引火要注意です!




