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ぎゃおーん!正体バレしちゃった④

「驚いている暇はない!時間はないのだ!

 動揺するかもしれないが今は早く背中に乗ってくれ!!」


ドラゴンになったろくこはそう言う。

そうは言われても、奇想天外な事態が起きており、

さすがの羽刃さんも驚いている。


「今は驚くかもしれないけど、背中に乗りましょう羽刃さん」


「えーと・・・・うん・・・」


俺は動揺する羽刃さんにろくこの背中に早く乗るように催促した。

同級生とはいえ、ドラゴンの背中を羽刃さんはペタペタ手で触り

大丈夫なのかな~?とそんな感じに首を傾げながらろくこの背中に乗った。


「うむ、羽刃もようやく乗ったな!鱗もはよせい!」


「わかってるつーの・・・ちょっとは待ちやがれ」


今度は、俺もろくこの背中に乗る。鱗はまるでコンクリートのように硬く

冷たい。座り心地はそんな悪くないが、ろくこの背中から見る景色は

非日常な視点で相変わらず慣れないな・・・とそう思ったりもした。


「よし、みんな乗ったな!!限定グッズがある中古買取店に急いでいくぞ!!」


「う、うん・・・・!ドラゴンが空飛ぶんだ・・・き、緊張する・・・」


羽刃さんはそう言い、背中に手を掴んだ。

俺もこれから恐らく猛スピードで飛ぶのだろうと思い、

俺もろくこの背中を強く手でしがみつく。


「では行くぞ!!!」


ビュオオオオ オ オ オ オ!!!!


ろくこは人に見られることもなく超スピードで天高く飛んだ。

そして、俺が中古買取店の場所を教えた方向へと真っすぐ飛ぶ。

鳥が空を飛んでいるところにろくこが通りすぎると、鳥たちは慌てて

ろくこを避けようとする。1秒見た光景があっという間に違う光景になる。

ろくこはそれくらい速いスピードで空を遮った。


「ひいいいいぃぃ・・・は、早いよぉおおおお!怖いよおおおおお」


「まぁ、始めて乗るとそうなりますよ・・・お疲れ様です・・・・」


目的地に着き、俺と羽刃さんはろくこの背中から降りた。

俺は何度もろくこの背中に乗ったことあるから慣れてるとはいえ

普段人間が味わうことがないような体感をしたため、羽刃さんの足は恐怖で

がくがくだった。なんていうか可哀想・・・・。

あれしか手段はなかったとはいえ、突然のことでいろいろ困惑するだろうに・・・・


「待たせたな!では早速、探しに行こう」


人間に戻ったろくこがそう言い、俺たちは目的の中古買取店に向かうのであった。


「ぎゃおぎゃおぎゃおぎゃお、アニメや漫画のレア商品なら

 どらしんばんにお任せ!!お気楽にレアグッズの相談下さ~い

 ・・・・・とうとうここも閉店か・・・

 私が高校の時からあって暇さえあれば、この店によって珍品がないか

 チェックしてた日々がつまってる青春の店なんだがなぁ・・・・

 最近の子はアニメイトとかでしか商品買わないからなんか

 寂しいよねー・・・・・・」


ダダダダダ・・・・


中古買取店どらしんばん、閉店だからといって

特別なセールもしているわけではなく、客足が全くなく寂しい状態となっていた。

中古買取店どらしんばんの店員が閉店までしんみりしていると、ものすごい

勢いで足音が聞こえる。


「まだ閉店までに時間あるな!!この店である商品のことを訪ねたい!!」


「う、うわ!!!!な、何!!ええ!?いや、いいけどさ

 な、何の商品!!???」


ろくこが大声で、店員に尋ねたせいで、店員も思わずビックリしてしまった。

なんというか怒涛の勢い・・・・この間、5分もかからなかったという。


「あー!!このアニメの限定グッズか…

 私も見てたなー懐かしい… どれどれ…あったあった!」


「おーまさしくそれだ!!それがほしいぞ!!」


店員は倉庫の中から限定グッズを見つけ無事、俺たちに見せる。


「お金は私が一旦払うよ」

「すまないな羽刃!!恩に切るぞ!」


羽刃さんが限定グッズの代金を払い、俺たちはやれやれ終わったなぁーと

感じで店から出る


「・・・なんか普通の高校生だけど、勢いがすごい人たちだったなー

なんかああいうの見ると青春してるって感じで羨ましいねー」


俺たちは店に出て人目がつかないような、

店と店が並んでいてできた狭い路地裏に移動した。


「はぁーなんとか買えたね… にしても…

うーん何から話したらいいんだろう…ところでろくこちゃん…」


「うーむ…鱗以外にあの姿を見せた訳じゃなかったからなぁ…

単刀直入にいうとな…私はこの県に宿る山の龍神…

六甲竜と呼ばれる竜なのだ!」


羽刃さんが戸惑っていようが関係なく

ろくこは元気よく、自分の正体を明かす。

なんていうか、こんな時でも元気でいられる

こいつの神経さは褒めたくはないが本当にすげえと思う。


「六甲竜…?それってこの県の都市伝説で…」


ピカーン!!!


ろくこの体が光り始める。

光の輝きが消えるとそこにはまた竜の姿になったろくこがいた。


「さて、中学生の子の元に行こう!!  待たせるのも悪いからな!!

 そら、早く背中に乗った乗った!」


「え…背中ってまたあのスピードで… うぅ…」


「羽刃さん…そのうち慣れますよ…

つってもこんな機会またあるかわからんけど…」


羽刃さんは内心嫌そうな素振り見せながら

乗らなきゃ帰れないのでしぶしぶろくこの背中に乗るのだった。


「うわあああああああああああぁああぁ!!!」


行きと同じように猛スピードで、中学生の子のところに向かうのであった。

電車で行っても40分は最低かかるところを5分もかからず目的地に

着くのだ。正直、言ってワープしてる感覚に近い。

ドラゴンの不思議な力か移動してる際は俺たちに風圧とか物理的には

普通、味わうはずの感覚がない。

なのだが、視点は高速に映り変わるため、この光景に慣れてないと

酔ったりする。

だからこそ、慣れてない羽刃さんは、目的についた後はよろよろだった。


「うへへぇ・・・ただいまぁ~・・・目的のもの買ってきたよ・・・」


「えーっと、お帰りなさい・・・?

 なんかくたくたになってますけど大丈夫ですか?

 ・・・・ってそれって・・・本物!?」


羽刃さんは、ろくこの移動でくたくたになった様子を見せながら、

中学生の子にさっきの中古買取店で買った限定グッズを渡した。

なんというか、どうせならちゃんと姿で渡したほうがよかったのでは・・・

とさすがに思ったけど・・・今回のところはまぁ、仕方ないと思う。

羽刃さん・・・今日は家に帰ったらゆっくり休んでね・・・・



ポロポロ・・・


「あ、ありがとうございます・・・私、ずっと悩んでいて・・・

 多分、あなたたちに話さなかったら誰にも話さないまま苦い思い出に

 なってたと思います・・・

 これで仲直りできるかわからないけど・・・・

 私、勇気を出して友達にこれを渡してきますね・・・」


「うん・・・私たちはできるお手伝いはした

 あとは君次第だよ!頑張ってね」


「おう、遠く離れることになったとしても気の合う話ができる

やつなんてそういない…と思うぜ。ちゃんと仲直りしろよ」


「うむ・・・!あとはお前ががんばるのだぞ!!」


「・・・・はい!」


中学生の子は、やっと一人で抱えてた悩み事から解放された嬉しさか

涙がこぼしながら俺たちにお礼を言った。

そして、俺たちは中学生の子に声援を送り、俺たちは帰ることにしたのだった。

こうして、またちょっと変わった短くて濃い一日が終わるのだった。


(にしても、そこまでして関係を保ちたい関係があるのって羨ましいな

 俺もあんな風な関係のやつがいたらな・・・・

 もっと高校生活も充実してるって思えたんだろうかな・・・・)


俺は、今日の中学生の子の出来事を通じて、妙な感情になった。

なぜだかわからないが・・・なんでだろう

羨ましさか嫉妬か?なんかいずれにしても違う気がする。

なんかまるで、自分のことを誤魔化してることがあるようで

今日のことでそれが何なのかわかりそうな感じもあるような・・・


「にしても・・・・ろくこちゃんがドラゴンか・・・・

 うふふ・・・本当、すごい体験しちゃった・・・!」


「えーっと・・・羽刃・・・わかってると思うが

 私の正体は絶対に言わないでほしいぞ・・・・」


「うん、そのことなら大丈夫だよ!!

 言ったらさすがに大変なことになるもんね!

 ただ、今日のことで色々、私が興奮してきただけ!!

 今日はお疲れ!!じゃあね!!また明日!!」


羽刃さんは元気よく、帰りで別れる道を走って過ぎていくのだった。


「な、なんだ・・・羽刃ってあんなハイテーションなやつだったのか?

 ・・・・私は大丈夫なんだろうか」


「お前でも不安がることってあるんだな?

 ま、まぁ確かにあんな羽刃さん、今まで見たことなかったら

 不安になるのもわかるが・・・・」


「う、うむ・・・・もう正体を明かしたからには仕方がない!!

 何をしようがそれが吉と出る日も凶となる日もあるだろ!!

 これからが楽しみだ!という気分でいよう!!

 わっはっはっは・・・・!ぎゃお!」


なんか珍しく不安になったと思ったら、恐ろしいくらいの

気持ちの切り替えの早さだ。

ろくこの正体を明かして、羽刃さんとも関係とかその他もろもろどうなることやら

まぁ、でもそんなこと考えすぎても仕方ないことだよな…と思い

俺も家に帰るのだった。


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