第1章7 星の契約
「アスト!起きて!」
「んん〜。ミアリスか。おはよう。」
「おはよう。よく寝てたね。」
「あぁ、よく寝た。」
ミアリスと会話し、ふと隣を見ると…
「スピー。スピー。」
とスピカが気持ちよさそうに寝ていた。わざわざベッドをもう1つ持ってきて、くっつけて寝ている。
「うわぁ!」
「アスト落ち着いて!」
という声で少し、落ち着きを取り戻す。そして、ミアリスが聞いてきた。
「なんで、スピカ様を見ると驚くの?絶世の美少女だから?」
「ああ。」
「な〜んだ。恥ずかしいだけか〜。」
「ち、違う。」
「え?」
と、ミアリスが思っていた反応と違く驚いている。
「こ、怖いんだ。美少女が。」
「じゃ、じゃあ、ミーのことも怖いの?」
「お前なんていうか…美幼女というか…」
「美はつけてくれるんだー。まあ、ミー美人さんだしねー。」
と、誇らしげな顔をしてるミアリス。
「昔美少女となにかあったの?」
と、誇らしげな顔から真剣な顔へと切り替えてミアリスが聞いてきた。
「あぁ、まあいろいろとな。」
これ以上この話をするのは辛いので話を変えることにする。
「よし!じゃあ仕事行くかー。」
「そ、その前にちょっと待ってほしいの。」
「ん?」
と、アストが振り向く。すると、ミアリスが左手を出して元気よく言った。
「ミーと星の契約を交わして!」
「ほしの…けいやく?」
「そっか。分からないよね。説明するね。星の契約とは…六大星霊は120年の寿命の中でもし運命の人間と出会い運命の人間と契約を交わすと、殺されない限りは不死となる。ちなみに、星霊は不老だよ。そして、交わした相手の属性や星を使う事ができる。星冠を授かりし者とも契約を交わす事ができるけど、星冠は使う事ができないの。もし、相手が運命の人間ではなかった場合、星霊であるミーは死ぬ。でも星霊はなんとなく運命の人間を分かるの。これで説明は終わり。」
アストは星の契約について大方理解した。だからミアリスの発言にとても驚いた。
「もし、契約を交わしたらお前が死ぬ可能性もあるんだろ?だから契約は…」
「ミーの生死を心配してくれてることはありがとう。でも、ミーはそのリスクを犯しても、アストと一緒にいたいと思ったの。嫌なら嫌で良いよ。ミーもアストの決めたことだからそれで良いと思う。」
と、ミアリスが言い、少しの間を置いてから
「アスト、ミーと星の契約を交わして!」
アストは素直に嬉しかった。誰かに必要とされていることが。そして、その期待に応えたいと思った。信用できる人間なんて家族以外にいないと思っていた。でも、今この瞬間アストはミアリスの綺麗な桃色の瞳を見て思った。俺はミアリスとならどこへでも行けるんじゃないかと。
「ああ。交わそう。」
そう言い、アストは自分の左手でミアリスの小さな左手を握った。
「アスト、ありがとう!」
と、すごく嬉しそうな顔をしてお礼を言った。
瞬間、白い光と青い光で2人が包まれる。
「やった!星の契約が成立した!」
「成立したのか…!よかった。」
「アストー!これからずっとよろしくね!」
と、ミアリスが左腕に抱きついてきた。
「ああ!こちらこそ!」
「う〜ん…あ…さ?」
と言い、ゆっくりとスピカが体を起こす。そうして、目の前を見る。そこにはアストにミアリスが抱きついていた。
「っ!ミアリスー!離れてー!」
と、心から叫ぶ。
「わぁ!ス、スピカ様!?」
「あ。お、おはよう…。」
「アスト君!おはよう!」
と、寝起きなのに誰よりも元気な声で挨拶をした。
「そーれーでー?ミアリス?どういうこと?アスト君に抱きついて?」
と、スピカが頬を膨らませている。
「ご、ごめんなさい。そのーアストと星の契約を結んだから喜びでつい…」
ミアリスは申し訳なさそうな顔でスピカを見る。しかし、そこに頬を膨らませたスピカの顔はなく、代わりに驚いて目を丸くしているスピカの顔があった。
「星の契約!?すごい!おめでとう!!!」
「あ、ありがとう…」
「それでーアストの属性は…やっぱり!光属性だね。」
「光属性?私と同じだねアスト君!」
「そ、そうなんだ。」
と、応えるアストはスピカと一定の距離を保っている。
「それで…星は…?1つある!青甲の星だって!もしかしたらその急に変色した青い右腕かな?」
「おお!その青甲の星はどういった星なのかわかるか!?」
「ええーと、うん。物理攻撃の威力を格段に下げる事ができるけど、闇属性を纏った攻撃は逆に威力を格段に上げる星らしい。まあまあだね。」
「まあまあかよ!でもあるだけマシか。」
「私はかっこいいと思うよ!その右腕!」
「そ、そうか?」
と、かっこいいの基準がよく分からない人だなとアストは思った。
「それで、アスト。お願いがあるの。」
「うん?なに?」
「ミーと一緒に三天の英雄とされている蠍座を探してほしいの。だから旅に出たいんだけど、ついてきてほしいなーって思って。せっかく星の契約を交わしたんだから。」
「旅!いいね!行きたい!」
と、アストは旅という単語を聞いて興奮した。アストはもともと異世界の旅をするという漫画が大好きなのだ。
「え!?じゃあ、私もついていっていい?」
とスピカが2人に聞く。アストはスピカの目を見たら分かった。本当に行きたいんだなと。
「え、えーと…」
と、悩んでいるとミアリスが耳打ちしてきた。
「苦手を克服する良い機会なんじゃない?」
そう言われ、確かにその通りだと思った。だが、アストに苦手なものを克服する勇気は…
「大丈夫!ミーがいるから!」
そうミアリスに背中を押され、決意が固まった。信頼できるミアリスがいる。自分は大丈夫だと。そう自分に言い聞かせながら。
「う、うん。一緒に来てもらえると心強いし助かるかな。」
「っ!あ、ありがとう!」
と、スピカは嬉しさのあまり飛び跳ねた。




