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第1章6 孤独

 一方その頃王宮から脱出したスピカとミアリスとアストは…

「えっ!何これ!」

 とスピカが驚きで綺麗な桃色の瞳を丸くする。

「どうかしましたか?えっ!?」

 と声を聞いたミアリスもスピカが見ている方へ視点をずらすとそこにはアストの右腕があった。

「ア、アストの右腕が…青くて硬い、光沢がある腕に変わってる!?」

「ど、どういうこと…アスト君の腕が…何が起きているの?」

「これはミーにもよく分からないです。」

「スピカ様!」

 とスピカを呼ぶ声が後ろから聞こえた。

「え?ヘルクレス!もう終わったの?すごーい!」

 スピカが感嘆している。プレセペと戦ったスピカなら、ヘルクレスの凄さがより分かるのだろう。

「アストはまだ目を覚さないか…」

 ヘルクレスが心配そうにアストの方を見る。

「そうなの、まだ当たったところが肩でよかった。もし臓器が傷ついていたら…ミーでも臓器は複雑で治せないから。」

 当たったところが肩だったことは不幸中の幸いだったようだ。


「スピカ様。重いと思うので私が変わりますよ。」

 ヘルクレスがスピカを心配して声をかける。しかし、スピカは…

「あ、ありがとう。でも、気持ちだけもらっておくわ。ちょっと重いけど…大丈夫!アスト君は私を庇ってくれたからせめてこれくらしないと!」

 と少し頬を赤ながらスピカが言った。

 これをミアリスがくすくすと笑いながら小声でヘルクレスに

「スピカ様、アストの事が少し気になってるんじゃないの?」

 と、所々笑いを挟んで言った。

「今までスピカ様が男を好きになったなどという話は耳にしていなかったから嬉しいなベレニケ。」

「私、変な事言ったっけ?」

 となんで2人が笑っているのか分からない様子のスピカ。

「そうだ!」

 と戦いの時のミアリスとヘルクレスの会話で気になっていたことを聞こうと思った。


「それで、さっきから気になっていたんだけど、ベレニケって誰のこと?」

「それは、ミーがアストを警戒して名前を偽っていたの。」

「そういうことです。」

 とヘルクレスも口を揃える。

「アストは怪しくなんかないわ!むしろ…なんでもない!」

 と今度は顔を真っ赤にさせてスピカが言った。

「それはミーもわかったから、もうアストにはミアリスって伝えてあるよ。」

「え?伝えたのか?」

 と初めて聞いたヘルクレスは目を見開いている。ミアリスは昔から警戒心が強く、ほとんどの人に対してベレニケと言う名前で生活している。まだアストとあって3日ほどだというのにミアリスが名前を教えたことに驚いていた。スピカが知らないのは、ミアリスとは2人でいる事が多かったからである。

「うん。何故かアストに引き寄せられるの。」

「私もそうなのよ。」

 とスピカが口を揃える。

「スピカ様は置いとくとして、ミアリスのそれは運命の人間なのではないか?」

「ミーもそうかなとは思ってたの。でも、アストは特別な星も何も持っていないから分からないの。」

 ここで言う星とは、一般的にスキルと、そう呼ばれるものに近い。そして星冠は星の上位互換的な存在として知られている。

「私はアストと星の契約を交わしておくのも悪くないと思うが。」

「私もそれでいいと思うわ。でも、なんか胸が押しつぶされたみたいに痛いけど。」

 と、スピカは自分の豊かな胸に手を当てる。

「スピカ様が良いというのであれば、分かりました。アストと星の契約を交わします。アストが良いって言ったらだけど。」

 と、そんな3人の会話は続き…


「んん…?」

 アストの意識が暗闇から光のある世界へ移る。

「アスト!目が覚めたか。」

「ヘルクレス?」

 と名前を呼んだところで状況を確認する。プレセペはどこへ行ったのか。今俺の足は何故地面についていないのか。誰かが担いでくれているのか。目の前にはヘルクレスとミアリス。ではだれが担いでいるのか。

 そう思い、上を見ると…

「うわあぁ!」

 とアストが転んだ。自分を担いでいるのが絶世の美少女スピカだったからだ。しかし、この驚きは恐怖による驚きだ。アストは美少女という人間が虫と同じくらい苦手だった。ちなみにアストは虫を触れない。

「きゃっ!」

「アスト、大丈夫?」

 と、ミアリスが心配そうに声をかける。

 そしてアストは自分の右腕が視界に入った。

「は?」と息が口から溢れる。自分の目を疑った。自分の腕だと思いたくないのにそこにあるのは正真正銘自分の右腕だ。手は薄橙色だが、そこから上が青く光沢がある。

「なんなんだよ…」と呟き、地面に倒れる。

「アスト君!大丈夫?」

 と心配そうな顔でアストを見ている。逃げたい。嫌だ。来るな。怖い。またあの時のように馬鹿にされ、一人、孤独で生きていかなければならないのか。もうあんなのはごめんだ。

「アスト!しっかりして!」

 と美幼女が声をかけてくる。その心地のいい声で落ち着きを取り戻したアスト。

「す、すまん…何が何だか。」

「混乱しているだろう。今はとりあえずミアリスとスピカ様と共に王宮のアストの部屋で休んでくれ。私は安全確認のため、見回りをしてくる。」

「わかった。ありがとうヘルクレス。」

 少し口角を上げ、ヘルクレスは走っていった。

 そして、ミアリスからアストが寝ていた間の出来事を聞いた。改めて、ヘルクレスの戦闘力のぶっ壊れぐわいと、ミアリスの治癒力のすごさがわかった。

 そして、プレセペの王宮襲撃から一夜明けて翌朝…

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