第1章2 王宮の暮らし
目の前が真っ赤に染まった。何が起きたのかとわからない。俺は助かったのか?
目の前を見ると蛇の首から上が無く、血が吹き出していた。
すると「君!大丈夫か!?」と隣から声が聞こえた。ゆっくり振り返るとそこには青髪のイケメンが綺麗でかっこいい剣を構え、前の蟹の大男と対峙している。
「え…?誰…なにが…。」
「僕はヘルクレス。勇者と呼ばれているものだ。君は?」
「お、俺は、アスト。」
「そうか、アストか…覚えた。アスト!そこから動くなよ!」
「お、おう…」
瞬間、ヘルクレスは大気を切った。はずなのに、蟹の大男の左腕が切れた。
「ああぁぁぁ!!」蟹の大男が叫んだ。
「くっそ!」と言い放ち、足から水を出し、勢いよく逃げて行った。
「逃したか」とヘルクレスは悔しげな顔をする。
「え?すご…」アストはヘルクレスとは真逆の表情で感嘆している。
しかし、気が抜けた瞬間、視界が暗闇に呑まれていく。
「はっ!」とアストは飛び起きた。
「ここはどこだ?俺はいつから…?」
「起きた?」と声が聞こえた。声が聞こえた方を見るとそこには金髪ロングで白い羽の生えた1Mほどの小さな少女がいた。
「え?誰?ちいさ!」と言った瞬間、「初対面で何で失礼な奴!」とかわいい小さな拳が頬に当たった。
「ご、ごめん」「謝るなら許す。そうだ!ヘルクレス読んでこないと!待ってて!」と言い、部屋から出て行った。
混乱していたが、しばらくすれば落ち着き、周囲を見渡した。自分は今ベッドの上に座っており、壁は白く綺麗だ。床は木材でできているらしい。
しばらく周りを見渡しているとさっきの少女とヘルクレスが部屋に入ってきた。
「アスト、大丈夫か?」
「おかげさまで助かった。ありがとう。」
「勇者として当たり前のことをしたまでだ。そうだアスト、君はどこの家に住んでいるんだ?」
「そ、それが…昨日異世界召喚されて、家も何もないんだ。」
「い、いせかいしょうかん?はよく分からないが何もないとは複雑なのだな。」
「そ、そういうこと…にしといて?」
「なら、ミーたちの住んでるこの王宮で住まわせてあげたらどう?」とさっきまで静かにしていた少女が話した。
「なあ、妖精みたいな君は誰?」
「ミーはベレニケ。星霊だよ。」
「星霊?」
「星霊は珍しいからね。ところでミ、ベレニケも言っていたようにこの王宮で住んでみたらどうだ?もちろん働いてもらうがな。」
「い、いいのか?こんな立派なところに住んでも。」
「ああ、構わない。ここで働いているものはここに住んでいる。」
「じゃあ、ここに住むってことでいいのね?」
「う、うん。喜んで!」
「じゃあベレニケ。彼に明日から仕事をするように今日は仕事の内容を教えてあげて。」
「はーい」といい返事をするのであった。
ベレニケに王宮を回りながら仕事の内容を覚えて行った。庭の草むしり、部屋の掃除とただの雑用だったが、庭も部屋も大きいので気が遠くなりそうだなと思った。
「アストは今回った範囲の掃除と草むしりをよろしくね!」
「いや広すぎだよ。やることは単純で助かるけど、広すぎだよ。」
「まあまあ、頑張ってよ。」
「ベレニケの仕事は?」
「ミーは怪我人を治療するくらいかな。けど、ほとんど怪我人なんていないから仕事はあんまりないんだよねー。」
「治癒魔法的な!?」
「そうだね。正確には水魔法かな。ミーは水属性の精霊だから。」
「ベレニケって実はすごいんだな。小さいなんていって悪かった。実際に小さいけど。」
「一言余計なんだよー!」
「わるいわるい。ところでその属性は何があるんだ?」
「本当にわるいって思ってるのかな?属性は炎、水、氷、風、光、闇があるよ。アストは…光っぽいね。けど、アストは魔素がほとんどないから魔法は使えなさそうだね。」
「意味ないじゃん!でも光ってかっこいいな。」
そんな会話をしながら仕事をして、3日経った日事件が起きた。




