#2 歯医者
2話です。楽しんで頂けると幸いです。
私はネコ。もう名前は覚えてくれたよね?今日は恐怖の歯医者に行こうと、思う。理由は、定期検診。虫歯がみっかったらどうしよう(翻訳…見つかったらどうしよう)
とりあえず買いなおした私の廃車で行こう。
相変わらずボロい音が鳴り、頼りない走り方で動き出した。
「虫歯が見つかるのはマジ勘弁だからここでも歯磨きしよ」
すぐにポケットから歯磨き粉と歯ブラシを取り出す。そして歯磨きを始める。運転をしながらの歯磨きは非常に危険なため、真似したくない。
「あ待ってどこに吐こうか。」
しばらくキョロキョロして、結局窓の外に吐いた。外を歩いていた歩行者の顔にクリンヒットした。
(笑)
歯医者の駐車場につく。中に入る。そして受付をし、待合室の椅子に座る。置いてある観葉植物が、なんとも落ち着く空間を作り出していた。周りを見るとたくさん待っている人がいた。ずいぶん待つことになりそう。隣を見ると、寝ている人を見つける。ゆっくりその人の待合札と取り換える。
(笑)
そして、ネコが呼ばれる。
ネコは、大きく喜び、寝ている人の目の前で手を振ってから診察室に入った。診察室には、もう1人治療を受けている人がいた。その人には付いている医師が、ネコに気づく。
「あぁ。ネコさんですね。そこの椅子にお掛けください。」
言われるままに座る。すると、誰かがこの診察室に入ってきた。
「先生少しいいですか?」
「あぁ分かった。」
医師が診察室を出ていく。
なかなか帰ってこない。実はネコはこの後予定があって早く帰りたかった。でも医師がくるみ込みがない。仕方ない。自分でやるか。椅子から立ち上がり、器具が置いてある机を探す。すると、後ろから声がした。
「ちょっと先生早くしてください!!」
あの時医師が対応していた患者だ。きっとネコが器具のところをいじっていたから医師だと間違えたのかもしれない。
「ちょっとこの後の予定があるんです!!お願いします!!」
仕方がない。器具を適当に掴む。そして患者のところに行く。
「はいでは口を開いてください?」患者は口を開く。
奥歯に器具の先を当て、スイッチを入れる。ギュイーンと言う音が鳴る。
「痛い痛い痛いよ?」
(笑)
患者がネコの手を弾く。
「どうしました?」
「いやどうしました?じゃないの!!痛いよ?適当にやってません?」
「大丈夫です。」
次に、小さな鏡で歯の状態を見る。一つ、グラグラしていて今にも取れそうな歯を見つけた。適当な器具を手に取り、治療しているフリをする。すると、歯に器具を当てすぎたせいか、患者の歯が取れる。
(笑)
ネコは慌てて歯を回収する。キョロキョロ周りを見て、ゴミ箱に入れる。
「終わりましたよ。」
焦り気味でネコが言う。
「あぁありがとう。」
患者はそう言って診察室を出ていった。変わりにこの部屋に入ってきたのは医師だった。
「あれ?ここにいた患者は?」
しばらく周りを探す。そしてゴミ箱に入った歯を見つける。ネコは焦って医師に言う。
「あぁそこにいた患者さんなら一人で治療して帰っていきましたよ。」
医師は驚いて持っていた歯を落としかけた。
次は自分が本物の医師に診てもらう番だ。
「痛かったら痛いって言ってくださいね。」
医師がそう言って器具をネコの口の中に入れた。
「痛い!!」
(笑)
まだ何もしていないのに痛がる。
「ネコさん大丈夫ですか?まだ何もしていませんよ?」
医師がそう言って、再度器具を入れようとする。
「痛いっ!!」
ネコがそう言って医師の頭を叩く。
(笑)
医師は驚いていた。
「あ、あの…ネコさんまだ何もしてませんよ?」
「痛い痛い痛い!!」
(笑)
困る医師。こんな様子じゃ進まない。
「じゃあ痛かったら痛くないですって言ってね〜」
医師がそう言ってネコの口の中に器具を
入れる。
「痛くないです!!」
「はい痛くないのね〜」
医師はそう言って続ける。
(笑)
ー検診後ー
「特に異常はありませんでしたよ」
医師がそう言うとネコは大げさに胸を撫でおろす。
診察室を出ると、待っている人たちが何やら言い合っていた。
「い〜や絶対に変わってる!!」
あの時、待合札を取り替えた人が叫んでいる。ネコはバツが悪く、すぐに歯医者を出た。
自分の廃車に乗る。やはり頼りない音が出て、発進した。
定期検診は怖いよね(?)