解放
彼らを倒してしまったから、ここからどうやって帰るのかを、模索しなければならなかった。エルフ少⼥なら何かを知っている可能性がある。そう思い、エルフ少⼥のもとに近づいた。彼⼥は少し怯えている様⼦だったが、ルイに助けて貰ったことを覚えており分かっていることを全て話してくれた。
「ここは何処か知っている?」
ルイはそう尋ねると、エルフ少⼥は少し頷きながら答えた。
「ここは、⼈間領。魔族が⽀配をする⼟地。」
「なぜ魔族は、君や神族を狙った?」
「新たな⼈体実験をするための素材。 ここの箱はすべて、他の種族が眠らされて⼊れられている。」
ここには、1000近くの箱があった。その話だと、まさか魔族はここに居る者たちを連れ去ってきていることになる。これは、種族間の問題となり、ルイ⼀⼈では判断しきれない部分が多くなってしまった。そのため、急いで転移魔法を⽤い神の国へ戻り、ティーニアの応援を要請することにした。
この状況を説明するのは、俺ではなく彼⼥の⽅が良いと思い、彼⼥も神の地へ連れ帰ることとした。
ここに居る⽣徒たちを全員連れて帰りたいのは⼭々だが、ここの⼟地から神の国へこの規模の転移魔法が使⽤できるか分からなかった。そのため、5⼈ほど先に神の地へ送り届けることにした。
「君には⼀度神の地へ来てもらう。」
彼⼥は、嫌な顔⼀つ⾒せず快く快諾をしてくれた。
「転移魔法」
ルイは、学校ではなくティーニアと直接コンタクトが取れそうな⾃宅の庭に転移した。
そこには、久しぶりに⾒るリオの顔があった。
「ルイどうしたの?」
「ティーはいる?」
「家の中に」
「リオすまんが今倒れている⽣徒たちを休ませてあげてくれ。 それと、他の N に連絡を取る⼿段があったらここに来させてくれ。あと、彼⼥の話を聞いておいて」
ルイは、早く戻ることを先決とした。他の魔族があの地に襲来した際に、再び戦うことが出来る⼈材をその場所に居させたかったからだ。
「ティー 緊急事態だ。」
突然⾒るルイの顔で驚くことは無く、ティーニアはエルフの少⼥を連れている俺を⾒てすぐさま事態を理解してくれた。
「とりあえず、転移する。」ルイは相当焦っていた。神の国での事件だったら良かったが、⼈間の国への不法⼊国を繰
り返していた。しかも距離があるため、転移魔法を使うのに魔⼒の消費が激しかった。
「転移魔法」
⼀瞬で倉庫に戻ってきた。ティーニアは、凍り付いている魔族たちや倒れている神族の⼦供たちを⾒て、状況整理が全くできなかった。
「この状況は?」
とりあえず、敵の援軍が来た時に対応できるようにするため、ここで話すことにした。
ルイは、今までに起こったことを逐⼀説明した。
この箱の⼭を開放させる必要もあった。しかも、箱に⼊っている種族はバラバラだった。これは、種族間の重⼤な問題だった。すぐにでも他種族と連絡を取る必要もあり、やる事が⼭積みだった。
ティーニアは⼀度神の地へ戻り、他の神族たちを50名ほど連れてきた。ほとんどが A ランク以上の者たちだ。その中に、N 所属はナナ、エリ、ライボルト、サリーの4名がついてきた。
驚いたのが、A、S ランクの者がこちらに頭を下げているのだ。
「ルイ君驚かないで、N 所属は、国⺠に顔はばれないけど、A・S ランクの者には顔を明か
しているの。だから、リーダーである君に居な頭を下げているんだ。」
ルイは、礼儀などこの状況においてどうでも良かった。
「N のメンバーで話がある。」
N のメンバーだけ集め、話し合いを始めた。
「ここの箱に他の⼈種が⼊っている。それは魔族が⼿引きしたものだ。 今箱を全部開け他の種族たちを解放していいと思う?」
ルイは、もちろん彼らの解放をさせてあげたかったが、神族が問題を起こしたという⾵にとらえられてしまったら魔族以外の種族間とも戦争になりかねなかった。「私が責任を取る」
ティーニアがそう述べてくれたことで神族としての意向は決まった。
「全員、ここに居る奴らをすぐに解放しろ。」
ルイは、騎⼠団全員に命を下し、彼らはすべての箱を開ける作業を続けた。
そのまま N のメンバーによる緊急会議は続いた。
「ティーは他の種族とのコミュニケーションを取って。ナナは、エリは捕らわれていた者の回復。ライボルト、サリーは周囲の警戒を。俺は、まず神族を神の地へ送り返す。」
ルイは、N のメンバーに指⽰を出し全員の⾏動が決まった。ルイの指⽰は的確で、ティーニアは彼がここまで成⻑したことに感⼼していた。
全員が作業をするごと2時間ですべての種族を保護し終えた。
ここに居たのは、神族は今回連れてこられた32名 天使50名 ⼈494名亜⼈400名の全員を助けることが出来た。
彼らは全員眠らされていた状だけで健康な状態であった。こんな多数を眠らせていたと考えると、⾼度な魔術の使い⼿が複数いたことになる。
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