温泉地
「転移魔法」
ナナとの話が終わり、疲れて家に帰ってきた。
その⽇の⼣⾷時ティーがある提案をした。
「3⼈で旅⾏に⾏こう。」
突然の提案に俺もリオも唖然とした様⼦だった。ティーがこんなことを⾔うことは珍しかった。
「ルイの卒業旅⾏だよ。」
卒業旅⾏。 特にルイは、ここに来てからほとんど出歩いたことはなかったので、旅⾏で知らない地に⾏けることにわくわくしていた。
「明後⽇とか⾏ける?」
急な予定だがリオもルイも毎⽇家にいるので特に予定はなかった。
「いいよ。どこいくの?」
「温泉か海か⼭か遺産かどこに⾏きたい?」
海は⾏ったことがあり、普段⼭の中で過ごしている。温泉というものにはまだ⾏ったことがなかった。
「温泉!」
ルイとリオは息ピッタリで答えた。リオがそこまではっきりモノ申すのは珍しく、彼⼥は温泉が好きなのだろうと思えた。
「じゃあ温泉地にしようか。」
あっと⾔う間に旅⾏⽇になった。
「ルイ、旅⾏に⾏く⽀度できた?」
「ちょっと待って。」
旅⾏に⾏くにしても転移魔法で、⼀瞬で⾏けるわけだから⽀度をする必要はないのではないかとルイは思った。
「あとで荷物取りに来ればいいでしょ?」
「ルイ・・それは違う。」
「旅⾏というのはそこの場所だけで過ごすから良いの。戻ってくることは禁⽌だよ。」
ティーニアは、旅⾏に対して強い思いがあった。だが、ここは何処にも接していない場所
のため、ティーニアの転移魔法を使⽤し⼀瞬で温泉地まで⾏く必要があった。
ティーニアとリオは、格好が完全に出かける様相をしていた。ティーは、⻨わら帽⼦にワ
ンピースという格好で、リオは、紺でまとめたカジュアルな服だった。
⼀⽅ルイは、全くおしゃれに気を使っておらず、いつも着⽤しているジャージだった。
「ルイ、その恰好は・・」
そう⾔われてしまい、ティーは俺の部屋に⼊ると服を選び始めすべてコーディネートをした。
ルイは、全く格好が変わり、歩きにくいが鏡で⾒た⾃分はカッコよかった。
「転移魔法」
温泉地は、観光客で賑わっていた。ルイは、煙が諸所から発⽣しているところを⾒たことがなく、この硫⻩の⾹りも少し違和感があった。ただ、普段とは全く違う場所に少し⾼揚していた。
旅館に⾏くにはまだ時間は早く、温泉街を⾒回ることにした。
⼈だかりが多く、全然安らげる感じではなかったが温泉地特有の「温泉饅頭」や「温泉卵」などの⾷べ物を⾷べれることにルイは幸せを感じていた。
ただ、無数の男たちがティーニアとリオをいやらしい⽬で⾒ているのがものすごく気に⾷
わなかった。 俺が、彼⼥たちの厄介払いをし、何とか平穏を保てていた。
温泉街をいろいろ回っていたところで、時刻は4時を過ぎていた。
そろそろ、旅館でゆっくり過ごしたいと思い、3⼈で旅館に向かった。
旅館は、⼥将が出迎えてくれるほどの⾼級旅館で1⽇に1組限定だった。ティーは、⾏くのが決まっている前に予約をしていてくれたようで、もちろん貸切りだった。部屋は10
⼈以上が余裕で泊まれるくらい広く、何と⾔っても部屋付の露店⾵呂があった。
「部屋⾵呂に⼊ってくる。」
ティーとリオにそう告げ、部屋⾵呂に向かった。
部屋⾵呂でゆっくりしていると、あることを思い出した。⼥将さんの話だと、ここには、⼤浴場もあるらしい。ルイは、温泉がこんなに気持ちが良いものだと分かり、⼤浴場も早
く⼊りたくなった。さっそく部屋⾵呂を後にし、早速⼤浴場へ向かった。
⼤浴場の暖簾をくぐり脱⾐所で服を脱ぎ、⾵呂場の扉を開けた。
そこには、⼤浴場に浸かっているティーとリオがいた。
ルイは、途端として扉を閉めた。 彼⼥たちが⼊っているとは知らなかった。
⼤浴場の暖簾には、男、⼥と書かれていなかった。ここは混浴の温泉だったのだ。たしかに、⼀組限定だから家族⾵呂と⼤浴場なのが同じという事には納得がいくが、これは不味い事態になってしまった。
ルイは、扉から離れて急いで着替え始めようとした。
― ガラガラ
扉が開く⾳がした。
「ルイ、⼀緒にお⾵呂⼊ろうよ。」そこには、タオル1枚で全⾝を隠しているティーがいた。彼⼥の格好は余りにも⽬に毒だった。圧倒的に⼈の⽬を奪ってしまうナイスバディをルイは⼿で⽬を隠しながらうっすらと覗き込んだ。
「でも」
ルイは、照れてしまいさすがに恥ずかしかった。 彼は、本⾳として⼀緒に⼊りたい気持ちは、無くはなかった。
「家族⽔⼊らずだよ。」
「うん」
ティーにそう⾔われあく(、、、、)まで仕⽅(しかた)なく⼀緒に⼊ることに決めた。
浴場にはリオもいて、彼⼥は恥ずかしそうに体を隠していた。
ルイは、先ほど部屋⾵呂に⼊ったばかりだが、もう⼀度体を洗い始めた。
彼⼥たちの⽬線が痛かった。ルイは、チラチラ彼⼥の⽅を⾒るのだがそのたびに彼⼥たち
と⽬が合うのだ。ルイは、何分体を洗っているか分からないくらい⻑く洗っていた。
流⽯に彼⼥たちのいる浴槽に⼊る勇気がなかった。
「ルイ、そろそろ⾵呂に浸かったら。」
これまた仕⽅なく、ティーニアの指⽰通り恥ずかしがりながら露天⾵呂の隅にこっそりと浸かった。
リオとティーはこちらに寄ってきた。
流⽯に⽬やり場に困り空を⾒上げ天を仰いでいた。「ルイは、⼥の⼦に興味がある年頃だもんね。」そんな⾵にティーにからかわれていた。
「私たちと⼊っていたらゆっくりできないだろうから、そろそろ出るね。」
そう⾔い残し、2⼈とも⼤浴場を後にした。
ルイは、終始彼⼥らの顔を⾒ることは出来なかった。そして、⼤浴場で全く体は休まることはなかった。⼼拍数が⾼い状態が続き、ルイは⼼が落ち着くまで⼤浴場に⼊っていた。
あっと⾔う間に時間は過ぎ、⼣⾷になってしまった。
本⽇の⼣⾷は、お部屋で豪勢な料理を堪能した。
2時間のコース料理で楽しく過ごしていた。リオが初めてお酒を飲んでいた。
彼⼥は、軽く試飲しただけだがへべれけになり、だいぶ様相が変わってしまった。
あっと⾔う間の時間を過ごし⽇は更けていった。
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