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先輩

部屋を変え、先ほどいた会議室に戻ってきた。会議室には、サトルを除いた全員が揃っていた。


「みんなお待たせ、ルイを連れてきたよ」


全員が⽴ち上がりこちらに向かって拍⼿をしてくれた。


「凄いね」


そんな声が⾶び交いルイは照れていた。


「まずは皆にルイを紹介するね。」


彼は、もともと⼈間です。知っている⼈もいると思うけど、お⺟さんの「ミア」から彼を頼むと⾔われて、私のところで3年間修業をしました。そして、神への種族変更をしこの度 X のメンバーへと加⼊しました。


拍⼿をしてくれている者もいるが少し訝しげな顔をしている者も多かった。


少し怖そうな⼤剣を持ったお姉さんが質問してきた。

「ティーニアこの⼦は、ミアの⼦?」


「そうだよ。」


ルイは、実⺟のことを知っていてくれる⼈がいて嬉しい気持ちが込み上げてきた。


「なんで⺟のことをご存じで?」


「・・・」


その瞬間静寂に包まれた。 だれもあまり良さそうな表情はしてなかった。


エリが気を使って返答してくれた。

「それは、彼⼥が私たちと戦えた唯⼀の⼈間だったから。」「⺟はそんなに強かったんですか?」


皆が少し⽬線をそらしたのには理由があるんだろう。


「ここにいるほとんどの者が彼⼥に負けたからね。」

少しティーニアは笑いながら答えた。ティーニアがそう⾔うと⽬線をそらした意図が分かった。ルイは実⺟がそこまで強かったという事は知らなかった。


「ルイ、皆を紹介するね。」


そう⾔ってティーニアは全員を紹介してくれた。

ティーニアと⼀緒に席を⼀周回りながら皆と話す機会ができた。

1位が私ね。知ってると思うけど。



2位がエリ 彼⼥のことは知っていると思うからあまり紹介をしないけど、凄い努⼒家かな。そして、魔法が凄く得意なの。


「ルイ君これからよろしくね。」


「私も君と同じ再⽣魔法が使えるから、⻑い付き合いになると思うわ。」


エリは凄く優しそうな⽅だからよかった。同じく永久の時を⽣きるものとして仲良い⼈間が多くいることは有難かった。


「末永くよろしくお願いいたします。」



3位がグリード 彼の体は凄く⼤きいでしょ。その⼤きさと顔⽴ちから怖そうに⾒えるけ

ど、本当に優しい⼼の持ち主なの。⾒た⽬通り物凄く体⼒には⾃信があるんだって。


「ルイ君、君の戦い⾒たよ〜。 凄くかっこよかった。」


ルイは、衝撃を受けた。彼の声は⼥性のような、優しく包まれるような声をしていた。

そして少し、しゃべり⽅もしぐさも⼥性らしかった。彼の喋りから感じるのは、温かみだった。彼の声を聞くだけでよい⼈間だと思った。


「グリードさんよろしくお願いいたします。」



4位が ライボルト 彼は、真⾯⽬なんだけどどこか抜けていて、気さくで⾯⽩いの。彼は魔法と体術が同じくらい使いこなせるから結構隙がない感じ。彼は、イケメンだから凄くモテルの。


「ティーニアさんそんな紹介の仕⽅⽌めてください。」


「ルイ君、君の試合興奮した。」


「もしよかったら、僕とも試合をしてほしいな。」


「ルイ君はまだ体術が苦⼿でしょ、もしよかったら僕が教えてあげるよ。」

彼のキラキラとした表情には、オーラがあった。流⽯イケメンのことだけはあった。


この誘いは、ルイにとっても是⾮ともお願いをしたいところだった。体術はあまり得意ではなく、ティーには及第点を与えられていた。


「是⾮お願いいたします。」

彼は、深く頷き快く承諾してくれたようだった。



5位が ナナ 彼⼥は真⾯⽬でクールなタイプ。魔法が好きで魔法研究を常に⾏っているような⼦。


「ルイさん、あなたの魔術は⾯⽩かったです。私と魔法の研究をしましょう。」


第⼀声が魔法の研究をしましょうという提案で、しかも彼⼥はこの場に魔導書をもってきている辺り魔法の研究が好きなのが伺えた。彼⼥と魔法の研究をしてみたいが、ルイは学校に通うためそこまでの時間は無かった。


「すみません、学校に通うことになっていて、あまり時間がないんです。」「学校に通うの?」


そんな声が全員から聞こえてきた。

周りを⾒渡すと、全員が愕然とした様⼦でこちらを⾒ていた。


「ルイ君、君の実⼒なら学校に⾏ったって浮いてしまうだけではないかな?」


ライボルトさんはこちらに気を使って発⾔してくれたことが分かった。


「ライボルトさん、ずっと学校に通いたかったんです。 あの⻘春を送ってみたいんです。」


「ルイ君の歳は幾つなんだ?」


「14です。」


ティーニアは頷づいていたが他の皆が驚いていた。なんせルイの姿は、若いが時空間魔法の使⽤ができるため、⾃⾝の時を戻ることぐらい可能である。


「14歳でそこまでの領域にたどり着いているんだ」


皆驚きのあまりその場が静まり返ってしまった。ルイは異常でしかなかった。この国で5

⼈しか使えない再⽣魔王を使⽤するものが14歳という年齢だったからだ。



「学校はどこの学校に?」


「ナナさん、アズール魔法学園です。」


「ちょうどよかった。私が教えている学校だよ。」


先⽣なんですか? ナナは、幼さがだいぶ残っており、先⽣というより学⽣という⽅が近しいように思えた。再⽣魔法を使⽤しているなら姿は変えられるが、実年齢で先⽣だったら凄い才能を持っていることになる。


「もしよかったら部活に⼊ってよ。」

彼⼥の提案は嬉しかった。ただ、彼は他の部活も⾒学したいという気持ちがありこの場では決めきれなかった。


「考えておきます。」



6位がミネルヴァ 彼⼥は剣の才があるんだ。魔法は⼈並みだけど、魔法無しだと彼⼥には誰も勝てないね。ほぼ魔法無しで X に⼊るぐらい凄い実⼒者。


「よろしく。」彼⼥の挨拶は簡単で、第⼀印象は何処かつかめない感じの⼈だった。ふわっとしている印象でのんびりそうだった。


7位がルイ


8位がアイ 彼⼥は、魔術が得意なんだ。彼⼥は去年 X に所属し、凄い若そうに⾒えるけど、彼⼥の年齢は誰も知らないんだ。


「さっきの試合かっこよかったよ。」


「今度お茶でもどう?」


彼⼥はルイと同じくらいの年齢に思えた。彼⼥は魔術で姿を変えているのか、とても幼さが残り成⼈をしているようには⾒えなかった。


「是⾮お話ししましょう。」


彼の答えを聞いた彼⼥は笑顔だった。


9位がサトル 良い印象は抱いてないかもだけど、彼は誰より負けず嫌いだから許してあげて。彼は、戦ってわかると思うけど魔法より近接格闘が得意かな。

ルイは、彼がティーニアへの⾏為があるように思えた。


10位がサリー 彼⼥は少し特異体質を持っているんだ。魔⼒の偏りがあって、攻撃魔法はあまり得意ではないんだけど、その分防御魔法に秀でているんだ。魔⼒の精度が⾼く同じ魔⼒量で魔術を発動したら必ず彼⼥が勝つ。ただ、魔⼒量もそこまで多くないから防御に徹するのが⼀番の武器なんだ。


「ルイさんよろしくお願いいたします。」


彼⼥からは、昔のリオに似た雰囲気があった。とても包み込んでくれるような優しさがありだけどまだ打ち解けていない感覚だった。


「こちらこそ、よろしくお願いします。」


ティーは、皆を紹介してくれて、神の代表たちとは⼀⼈を除いて仲良くなれそうな気がしていた。皆基本的に優しそうな⽅々で安⼼した。


ティーニアは、そのままルイを席に座らせ、会議が始まった。


「それでは、紹介も終わったところで今から報告会を始めます。」


「⼀つ⽬の議題は、魔族が⼈間の地の領⼟拡⼤に向けて進⾏中です。この対策案は誰かありますか?」


「⼈間の地に派遣している騎⼠団だけで対応できているの?」


「今はギリギリ⾷い⽌めることに成功しています。」


「魔族側への制裁は?」


「まだ、上位魔族の出現が⾒られないため、⾏動しにくいかと。」


会議は、いたってまじめな話し合いを繰り広げていった。流⽯に実⼒がある N のメンバーだけあって戦いの助⾔に関してはしっかりしていた。


それから、2時間ぐらいだろうか会議は続き今回の代表議会は「魔族対策」「⼊国管理」「亜⼈問題」などを複数の議題が上がったがなかなか結論は出ず、その⽇の話し合いは終了した。


ルイはティーニアに声をかけ⼀緒に帰ろうとしていた。そこに、声をかけてきたのはナナだった。

「ルイさんお茶でもしに⾏きませんか?」特にこの後の予定があるわけでもなく、ルイは断る理由もなく⾏くことにした。

ティーたちに遅くなると告げそのままナナの転移魔法で移動をした。


⾒慣れない町に着いた。都市フリスタと雰囲気が似て⼤都市だった。


「ここは?」


「ここは、第2都市エスタード。」


ナナは、この町を少し案内してくれた。この町は、アイが住んでいる町らしい。彼⼥は、ここら辺の地形にめっぽう強かった。

「喫茶店でお話ししようか」


落ち着いて話をしたいと思い、喫茶店に⼊った。

そこは、喫茶店では珍しい完全な個室になっており、2⼈きりで話すにはピッタリの場所だった。


メニューを渡されるとここはパフェが⼀番⼈気と記載されていた。


ナナは、喫茶店名物のパフェの Mサイズを注⽂した。ルイは、⼥性が⽢いものを注⽂するなら⾃分が注⽂してもあまりダサく⾒えないと思い「チョコパフェ」の L サイズを注⽂した。


「ルイ君はこれからアズール学園に通うんだよね。」


「そうだよ。」


「皆に⾔っていないけど、私も⼀応学⽣なんだ。」


通りでだいぶ幼く⾒えたわけだ。でも、学⽣で神族代表ってものすごい実⼒って事では?ルイは⾃分が⾔えたことではないがそう思ってしまった。


「年は幾つなの?」


「16歳だけど」


「少し、上なんだ」


「ルイ君は何歳?」


「14歳になったばかり。」


「じゃあ後輩だね。」

そんなたわいもない会話をしていったが、ルイはアイに対して全く敬語も使っていなかったので後輩と⾔われて、釘を刺されたのかと思った。


「ここは、私の通っているブラン魔法学校がある町なんだ。」

通りで⾃分たちと同じくらいの年代が多かった。彼らも多分魔法学校の⽣徒なのだろう。

ルイは、魔法学校に通うのが楽しみになってきた。


「神族の代表は、皆年齢がずっと上だから同じぐらいの⼦が⼊ってくれてうれしい。」


合い⾃⾝も神の地で年齢を公開していなかったという事は、あまり⾃分が他とは違うという事を悟られたくなかったのだろう。

ルイも年が近い⼦は、神の地へ来てから初めての出会いで好奇⼼が湧いていた。


「学校通っていて、普通に過ごせている?」


ルイは、⾃⾝が⼀番気になるところだった質問をアイに投げかけた。


「普通は難しいよね。 私は、⾏事とかあまり参加しないようにしているの。神の騎⼠団

の意向ってわけではないけれど、⼒を制御して⼤会に参加するのは違うなって。」


「たぶんルイ君も学校対抗戦に参加はできないけれど。そうだ、⼀緒に学校対抗戦⾒ようよ。」 「約束。」


彼⼥の「約束」という⾔動とアイの可愛らしい姿に少しドキッとしてしまった。「年が近い

⼥の⼦と2⼈きりでお話しする」こんな⻘春らしい事を送れて充⾜感に満ち溢れてきた。


「たぶん学⽣として君に会えるのは、学校対抗戦の時かな。」アイとは、3時間ほど⼀緒にお茶をしていた。「学校」「部活」などルイは様々なことを聞け、充実した時間を過ごせた。


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