試験
⼀週間が経ち、ルイの試験の⽇が来た。
試験内容がティーニアから告げられは⼈の地へ⾏き実⺟のお墓にお参りをしてくること。
この試験は、ティーニアなりの気遣いだろう。
今⽇中に⼈間の地へ⾏き、戻ってくることが試験の合否判定となる。短時間しか⼊れないのも⾃分が⼈間ではなく神となったからだろう。
⼈間の地への⼊国許可は取ってあるとのことで、⼊出国管理局に寄らず神の地へ⾏くことが出来る。
ティーたちに⾒送られ、ルイは3年ぶりに⼈間の地へ着いた。地元であるオランダ―ル地区はさほど変化はなかった。周りを⾒渡しても戦場となった跡がくっきり残り、荒廃した地は⾒るも無残な形になっていた。
⾃分が住んでいた家は、以前と同じ状態で残っており何とか形を保っていた。久しぶりの家に⼊ると、もぬけの殻になっていた。⺟の荷物は残しておいたが、それは殆ど全て誰かに盗まれていしまったのだろう。
ルイは⾃分が建てた墓の前に座り込み⺟を感じていた。
「今は、⺟さんも知っているティーニアとリオと過ごしているんだ。」
「来⽉から学校に通えるようになるんだ。 ⺟さんも学校に⾏かせてあげたいってさんざん⾔っていたもんね。」
「俺強くなったよ。 ⼈間を辞めたんだけど、神族として⽴派に⽣きるから。」
ルイは、今までの出来事を⺟に伝えていた。⼀杯⼀杯伝えることがあった。この⺟と過ごした⼈間の地を感じ、昔のことも⾊々思い出せた。
⺟とのあっという間の時間を過ごしてしまった。気づいたら夜が深くなってしまっていた。もっと⻑くこの地にいたいけれど、⼈間ではないため不法滞在になってしまう。
特にここオランダ―ル地区は、実⺟と養⺟のお陰か友好関係を気付いているため、あまり変なことは出来なかった。
ルイは、「また来るね。」⼀⾔残し、神の地へ帰還した。
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