日々
ルイは、⽇々の訓練は⽋かさず⾏い、天候や気分関係なく研鑽を重ねていった。それは、早く学校へ⾏きたいと思う気持ちが強かったからかもしれない。
ルイは毎⽇の訓練をこなしティーニアとリオさんとの⽣活は1⽉が経った。
変わったことと⾔えば、リオの態度が⽇々変化してきた。最初はルイ様と堅苦しいような呼び⽅だったが、最近はルイ君呼びに変わった。彼⼥と⾃分の⽴場が変わったからかもし
れない。家政婦として働いてくれている中、ルイの教師としての時間も多くを占めていた。
リオさんは、ティーニアが外出をしている⽇に訓練に付き合ってくれていた。特に、つま
らない魔法座学の唯⼀の楽しみは、ド S 教師の格好をしたリオさんの姿であった。
リオさんの⼈柄からはイメージができない格好であった。たぶんティーニアがリオさんに無理を⾔って着せたであろう。⾃分のやる気を引き出そうとしてくれるためか、彼⼥⾃
⾝のためか真意は分からなかった。
半年経つと、魔⼒精度が⾼まり新たな魔⼒吸引装置を装着しても体の負担がない程度にはなった。 訓練を重ね体つきもだいぶ変化してきた。
リオさんは、すっかり先⽣らしくなり、ルイは注意されることもしばしばあった。
極めつけはルイは、朝が弱く⼆度寝をすると、ベッドから落とされるようになっていった。その時の表情がうっすらと笑っているのが妙に怖かった。
ティーニアは仕事で出かけることも多くなってきて、リオさんと2⼈の時間が増えていった。最近彼⼥は、ド S ⾐装やメイド服など様々なコスプレをしていた。リオはきっとティーニアに着させられてコスプレが好きになったんだろう。
⼀年経つとリオやティーニアとの関係性は変わってきた。ティーニアのことはティーと愛称で呼ぶことが多くなった⺟と息⼦というより姉と年の離れた弟という関係性に近いかもしれない。リオの事は、リオさんという堅苦しい呼び名を辞めて欲しいということで、リオと気軽に呼ぶ様になった。リオとの関係性は仲の良い先⽣と⽣徒の関係性に近しいだろうか。
実⼒⾯では、リオの全⼒には軽くあしらわれてしまうが、魔法無しだと少しは戦えるようになってきた。ティーニアには魔法無しでも互⾓に戦えることはなく、350戦0勝という無様な記録を残した。ルイは⾃⾝の⼒がついてきたが故、相⼿の実⼒を図ることもできるようになってきた。リオの実⼒は今の⾃分では全く勝てる気がしなかった。ティーの実⼒は、どれほどなのか検討すらつかなかった。
⼆年後、ルイは毎⽇が億劫になっていった。これも思春期の特徴という奴だろう。彼は、⽀えあえる友達も同い年の話し相⼿すらいない環境だ。だが毎⽇のルーティーンだけは⽋かさなかった。実⼒も相当上がり修⾏前と⽐べれば魔⼒量は5倍以上にはなっているだろ
う。魔法無しのティーニアと全⼒を出したルイと勝負ができるぐらいにはなっていた。
ティーとリオは、少し類との接し⽅を考える⽇が多くなって来た。思春期の⼦供に接する親の気持ちを⼗分思い知った。⾊々⼤変だけどこの時期は今しかないという寂しさ。ティーは年齢を重ねているからまだしも、まだ若いリオまでも少し⼦育ての⼤変さを感じていた。
三年が経った。ルイは若⼲14になり、⼦供だったルイはすっかり⼤⼈びていた。顎髭が⽣え声もすっかり低くなっていった。背もティーニアに近しくなるぐらいのび、170は超えた。この環境も慣れ、ティーとリオとこのままの暮らしをしていきたいと思うくらい彼⼥たちのことを⼤切に思う様になっていた。魔⼒量も魔⼒精度も体術も知識も全て何をとっても格段に成⻑した。ティーニアとは圧倒
的な実⼒差があるが、リオには5割ぐらい勝てるようになっていた。