表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

金魚の目

作者: 夏野ツバメ

 下をつつく事が苦手なあの子は、いつまでも上でパクパク。それでも食べる事が上手なあの子は、流れ着いた餌に喜んで食らいついていた。


 小さな口に大きな餌。収まりきらないソレを必死で食べていた。


 つい食べ過ぎて、いつも昼間にはぐったりと休んでる。それを初めてみた時は具合が悪いのかと心配した。それでも夜には動き出して、あまりよくない糞を排泄していた。

 

 一緒に暮らしていたお友達は先に旅立った。


 それからは赤い仲間と二人暮らし。いつも後を追いかけていた。


 キミが家にやって来てからもう数年経つ。ふっくら丸い身体は、初めて出会った時と変わらない。ヨチヨチ泳ぎの必死な姿が堪らなく愛おしい。


 キミは昨晩、旅に出た。


 水槽のそこで横たわりながら、何度も何度も口を動かしていた。


 ごめんなさい。何もしてあげられない。


 キミがつついていた水面に、今日も砕いた餌をまく。


 揺れる水面から見ていたキミは、今日から自由に泳げるね。

 

 今度はきっと、もっと大きな世界で暮らせるよ。


 キミのお墓は友達と同じように、レモンの鉢植えに拵える。姿が変わってしまうけれど、いつか私が手を伸ばすよ。今度は私が上をつつく。











 




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ