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君がいるから時は流れる  作者: 雨霧 雅
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出会い

昔は魔法が使える人間はそこそこ居たが、今では人間が魔法を使えるなんておとぎ話のようなものだ。しかし魔族やエルフ族のような人間以外の種族では魔法が得意な種族が多く、人間は対抗手段として魔法と同等に強力な武器や道具を作り世界は均衡を保っていた。

しかし均衡は崩れていった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


アルペーン王国はあらゆる種族を捉え従属させる首輪を開発したことにより、他種族を人間に従属化させることでこれまで侵略できなかった他種族の領土を奪い大きな国へと発展した。

これまで力の均衡が取れていたが、人間が他種族を従属化させたことにより複数の種族を人間が使い攻めて来るため、侵略された側は1種族では太刀打ちできずどんどん領土を奪われていった。

閉鎖的な種族が多くあまり交流がないため他の種族と協力をすることもできず、人間に従属化されることを恐れてみな隠れ住むようになっていった。


アルペーン王国は領土を拡大するだけではなく、他種族の奴隷を他国に売ることで多額の富を得た。

城は金で覆われており、騎士でさえも多くの宝石がついた豪華な服装をしていた。

隣にはかなりボロボロの服を来た首輪をつけた様々な種族の奴隷が付き従っている。


王城では連日豪華なパーティーが開かれていた。


「今宵も存分に楽しんでくれ。今日は我が息子である第1王子の誕生日である」


でっぷりと太った王様の後ろには、これまた太った王子が2人と綺麗だが性格の悪そうな顔をした王妃が立っている。自分のお気に入りの奴隷なのだろう、見目麗しい奴隷を裸同然のような服装だったり、犬のように四足歩行させたりとやりたい放題出会った。


この国では王族、貴族以外は家畜と同じだと考える王によってその国ではあらゆる種族が奴隷にされていた。王族に気に入られている者だけが優遇される世界なのだ。王族に逆らったものは全て極刑、もしくは従属化させられた。どの貴族も王族に気に入られようと自分の娘や献上品を差し出したりと媚びへつらっていた。


パーティーでは他種族を並べて鞭で打ち悲鳴を楽しんだり、自分の奴隷を戦わせて楽しんだりする催しが行われている。


そんなパーティー会場とは程遠い王城の隅に豪華な城とは真逆な蔦まみれの古い塔が建っていた。

塔の中にはボサボサに伸びきった髪、ガリガリにやせ細った体、服もボロボロの少年がいた。

塔の扉には南京錠がされており、窓にはすべて鉄格子がされ、部屋の中は数冊の本とボロボロの布切れが一枚あるだけのようだ。


「おい!今日も汚ねぇなノアール。ほら飯だ。

 俺もパーティーに出たいのになんでコイツの見張りなんかしなきゃなんねぇんだよ」


騎士の服装をした男がやってきて、

扉についている小窓から固い黒パンと濁った水が入った袋を投げた。


「まったく身代わりのためとはいえ、いつまで妾の子の王子なんか飼ってんだか」


ご飯を渡し、用が済んだのかその場を後にする。

この塔に閉じ込められているのは、妾の子である第3王子ノアールだった。

今の王様と王妃の間には2人の王子がいた。王妃は子供を産むことで自分が老化することを恐れ自分の役目は果たしたと王との閨をしなくなり代わりに美しい女を奴隷化し娼婦としてあてがった。


複数あてがったがその中に王が大変気に入った美しい娼婦の女がいた。

王は若く綺麗な女に夢中になり、毎日ろくな食事もさせずただ自分に奉仕させ続けたのだった。避妊はしていたが、確実性のあるものではない。何度も繰り返すことで子供ができたのだ。


王妃は王子の替え玉用として使い道があるかもしれないと思いその子供を産ませた。

娼婦の女は子供を産むとそのまま力尽きてしまった。


王妃も綺麗な方ではあるが娼婦の方が優っていたため、生まれてきた子供はとても綺麗な顔つきをしていた。また勉強や剣術など何をさせても自分の子供より優っていた。王妃はそんな妾の子を疎み従属化の首輪を付け連日虐待をしていたがやがて飽きてしまい、塔に閉じ込めやせ細った汚い姿をさせることでプライドを保っていた。


それでも連日勉強と称してあらゆる虐待をさせる人間を送ったり、食事を粗末なものにするなどあらゆる嫌がらせをして憂さ晴らししていたが、何年も経ち飽きたのか放置するようになった。今では支持したことも忘れている騎士による粗末な食事を投げ入れ、食べさせるという嫌がらせのみが残っているというわけだ。


いつもは食べろと命令され、首輪によって無理矢理食べさせられ食べおらるまで騎士が見張っているのだが、パーティーの日だからなのであろう投げただけで帰っていった。

ノアールは投げ込まれたパンと水を少し見て、ノアールは読みかけの本に視線を戻した。部屋にある本は王妃が送ってきた教師がノアールを殴るために持ってきて忘れていったものだ。既に何十回も読み返しておりもう内容はすべて頭に入っていたが、本を読んでいる時間だけが現実を忘れられるためノアールは本を読むのが好きだった。

お腹は空いているが、食べるとお腹を壊し数日寝込むことになる。長年虐待され閉じ込められているノアールにとっては食事は命懸けなのだ。命令されないのならば飢えて死ぬ方がマシなのだろう。


「髪も肌も白いのに(ノアール)だなんて皮肉だね」


嫌味を言うにも名前がないと不便だと思った王妃がたまたま手にとった本の作者の名前だった。

そこに小さいがとても綺麗な鳥が1羽、鉄格子の隙間から部屋へと入ってきた。


「君はどこにでも行けるのに物好きだね」

私の夢に出てきたストーリーを膨らませて小説にしてます。

面白いと思ったらレビューいただけると嬉しいです!

のんびり更新していきますのでよろしくお願いいたします。

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