1話 女神は警戒心強め
「・・・・・大丈夫ですか?」
1年生の荒井伸二が先輩である2年生の久保美玖先輩と初めて話したのは、雨が 降りしきる中、橋の上で川を眺める先輩を見た時のことだった。
伸二が通う学園には容姿端麗でさらには、文武両道である女神と呼ばれる先輩がいるらしい。
伸二自体は、学園に通いだして一か月になるが未だに見たことはない。
だが、伸二は雨の中で見たときに確信した。女神のように、整った容姿で、出るところは出るといった誰もが憧れるような体系。女神というのは比喩だが、比喩だと思わせないような容姿であった。
雨さえも彼女を引き立たせるもののように感じさせるほどだった。
だが、先輩はなぜか暗い顔をしていた。雨のせいでよく見えなかったが泣いているようにも見えた。
私服で話に行ったら流石にナンパをしている人のように見えるかも知れないが、今日は部活帰りだったため、制服姿だった。
(これなら話しかけても問題ないかな~)
「・・・・・大丈夫ですか?」
「え!?」
美玖先輩は突然話しかけられて、少し驚いたような顔をしていた。
「静岡高等学園1年の荒井伸二です。 2年生の久保美玖先輩ですよね?」
「はい、そうですけど、どうして私の名前を知っているのですか?」
美玖先輩は少し警戒しているように見えた。
(そりゃそのリアクションですよね~知らない後輩に名前知られてるのですからね~)
「美玖先輩は1年の中のでも有名な先輩なんですよ。完全無比な先輩ってね。」
「そうなんですか?私に何か用でもあるのでしょうか?」
美玖先輩は安心したのか少しやわらかい顔になっていた。
「用というほどの用ではないのですが、先輩が雨の中で川を見ていたから少し心配で話しかけただけです」
「そう・・・私がこうしていたいからこうしているだけだから気にしないで。他にはないかしら?」
美玖先輩は、そう言って俺を放そうとする。
(俺も今から家にお客さんが来るらしいから。早く帰らないといけないしな。)
「この傘上げますのでさして帰ってくださいね。風邪ひかれると、後味が悪いので。それじゃあお先に失礼します」
俺はそう言い傘を渡してその場を後にしたのだった。
お読みいただき誠ににありがとうございました。
中学生なので学業メインで行いますので、毎日投稿できるかは、わかりません。
初めての小説なので、アドバイスなどがあれば書いといてくださるとありがたいです