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0079.ミルスにも装備

 アンに帽子を渡し、俺もヘルメットをかぶって第四層にきている。


「物理障壁より暖かいニャ!」


 凄いな! 全然違う。

 密閉されているわけでは無いので完全には防げていないようだが、吹雪の中楽に過ごせるようになった。


 アンの帽子も暖かいので障壁で風などを防いでるだけよりいいみたいだ。

 まあ、それでも視界は吹雪の中なので2mもないがね。

 しっかりとした探知は必要不可欠だな。


 やっと落ち着いて探索できるようになり、多少魔物を倒しても煙が出て動けなくなることが無くなるまではここでレベルを上げ、その後次の層に行くことにした。


 えっ、慎重すぎないかって? いや慎重なんじゃなくて動けなくなるのは非効率かなって何と無く思うからだけどね。


 そう言えばもう一つのダンジョン入り口の先も探索する予定だっけ。

 探知だとそれ程強い魔物もいなそうだったので皆で行ってもいいかも。


 第四層の攻略に目途が立ってきたので他の事にも気が回るようになってきたらしい。

 なぜ攻略が難しかったかはもう忘れた。

 えっとなんかあったっけ? 

 えへへへ。


「と言う訳で普段使っている隠し入り口みたいな所じゃなくて本来の入り口っぽい入り口から出て探索してみるんだけど、未知の領域で危険は有る。それでも一緒に行きたい人?」

「はい、一緒に行きたいです。どこに通じているのか、すごく興味があります」


 この世界の人であるミルスには気になるのかもしれないな。


「はい!」「はい!」「はい!」……


 手を上げながら鬼気迫る勢いで迫った来る皆。


「おおっ!」


 どうやら皆行く気満々の様だな。


「では皆で行こう」


 俺達は第一層の別出口に急いだ。


「はい、皆の帽子」


 俺は部屋に皆の装備である帽子を取りに帰ってきていた。


 今までいたダンジョンも危険では有るんだが、用意された危険と言う感じで俺達がすでにしっかり調べたところには突発的な危険は無かったのだ。


 まあ、初めて踏み込むことになる俺は普通では死んでる事ばかり沢山あったがね。

 初見殺しが多すぎないかあのダンジョン。


「ありがとう、タカ。この装備つけるの買った時以来だな」


「あの~、私も皆とおそろいの装備ほしいです」


 えっ? ミルスはその服がとっても似合うのに。

 でもそうだな、おそろがいいよね。

 ふと気になってガウを見ると。


「ポキには天然の毛皮があるビャ。とても防御力が高いのでわざわざ人間の装備はいらないビャ」


 なるほど、まあミルスが森の中を歩くには装備があったほうがいいよね。

 と言う事でいつもの装備屋にミルスと行ってみる事にした。


「へい、らっしゃーい! おっ、いつもの兄ちゃんじゃねーか。今度はどんな……にっ兄ちゃん、その後ろにおられる方は、まさか? ……聖女様! ……お慕い尊敬申し上げます」


 店主は片膝をついて頭を垂れた。


「あなたに神のご加護を」


 ミルスは店主の頭に手を置き神々しく仰った。

 流石になれたものだな。


「ありがたき幸せです」


 店主のその大きな体が震え涙ぐんでいる。

 似合わないなあ。


 しかし、あの悪徳で横暴そうな店主がこんな態度になるとは!

 信仰ってすごいな。


「彼女の装備にこの前そろえた奴が欲しいんだが、ほら前に買った女の子達と同じ奴」

「いえ聖女様の為であればもっと素晴らしい物を必ず用意いたします。ただ少々お待ちいただきたいのですが」


 店主は頭をもっと下げ言った。


「店主、私にそんな気遣いは無用です。同程度の物を用意ください」

「はっ、し、しかしそれでは、……はい思召すままに」

「(ミルス、聖女様って各教会に居られるんじゃないの?)」

「(いえ、そうではありません。その地方に大体一人です。国とか教会とか勇者協会とかが協議して選出します。いろいろな教会などに属していることが多いですが、勇者協会に属している場合もあります。この地方では聖北教会に属している私だけです)」


 なるほど、それはレア度が高いな。

 アンや店主がこうなるわけだ。

 俺は納得したのだった。


 しかし、そんな聖女様を罠にはめて(めと)ろうとは、大胆な奴だったんだなあの司教。

 純白を基調にした装備を店主が店の奥から持ってきて、ミルスに着てみるように(うなが)した。


 ミルスが着替えに行くと


「なんで、兄ちゃんが聖女様を連れ歩いてるのか知らねえが、ケガでも負わせてみろただじゃおかねえぜ」


 怖い怖いそんなに顔を近づけて凄まんでほしい。

 俺が彼女を危険にさらすとでも? ……いや、ないとは言い切れないか。


「あは、あはは、頑張ります」

「そうしてくれや」

「どうかしら?」


 ミルスが着替えを終えて戻ってきた。

 鮮やかな純白を基調とした装備が神秘的なミルスにマッチしていて美しい。


「よく似合うよ」

「うふ、ありがとう」


 流石に値段の高さも覚悟していたので、割と気にせず支払いを済ましダンジョン出口に帰ってくると。

 皆ダンジョン内に戻って魔物と闘っていた。

 すまん、待たせ過ぎたようだ。


「皆、お待たせ。今日森の探索行くか?」

「おかえりー。待っとったで~。さあいこうや!」

「遅いぞタカ待ちくたびれるぞ」


 おっと聖はしびれを切らしているようだ。

 どんだけ楽しみなんだ?


 そうこうしていると皆集まって来た。


「うわーミルスさん、その装備とても似合うわー」


 妹はなぜかうらやましそうだ。

 同じ装備なのになんでだ?


「エルフ探索装備、最高や!」


 美香はまるで男の様な反応だな。


「では、行くとしますか」

「いえーい、レッツゴー!」


 テンション高いな? 

 その元気も、どうやら高い山の中腹にあったダンジョンの出口から森まで降り終わったころには無くなっていた。

 なんだかなデジャヴーでも見てるかのような展開だ。


 違うのは皆冒険用の装備でしっかり身を固めているため何も見えないと言う所だな。

 少し惜しい気もする。


「ふわー、思うより高かったのね出口の位置」


 そう、皆レベルが上がって体力が付いたので走るより速い速度で一気に降りたが、結構な距離だった為みんな疲れ切ってしまい。


 一時帰宅して休憩することになった。


「ちょっと締まらないなあ。でも、もうちょっとで夕食時か。丁度良かったかもね」

「はい、わたくしも夕食の準備の手伝いが出来そうです」

「アンもするニャ」


 この続きは来週だな。

 夜中に森をさまよう訳にもいかないしね。

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