閑話 謎の会議03
「それでは、生徒会女子部緊急会議を行います。朝早くからの、お集まりありがとうございます。あたくし、議長を務めます。生徒会副会長の谷津ヶ岳 麗香 会員番号1番です。今日の議題は、ハーレム男の件です。が、それ以外でも自由に発言されて結構です。まずは、あたくしの思い付きですが聞いていただきたいのですが」
「副会長が自分の意見を述べるとか珍しいですね、どうぞ」
「先生、ありがとうございます。あたくし、今まで思いつかなかったのが不思議なのですが、会員の皆様の容姿や性格などについて疑問を持ったのです。一般組も併せて、写真や資料とあたくしの知りうる限りのデータを、博士たちブレインと一緒に検討してみたのですが。外見に、ある一定の基準と方向性が見受けられ、ほぼ、例外はありません。性格も分かる範囲ですが検討してみました。それも、一定の基準を満たした者のみだと思えます」
「ほほー、それは興味深いな」
「彼が助ける者は老若男女、外見など問わず、困っている方を見かけると助けています。しかしながら、我ら被害者の会の会員は若い女性のみなのです。そこから、推察いたしますと。見た目が彼の好みに合い、好感の持てる性格の女性のみ選ばれてこの状態になっていると考えられます。あたくしからは、以上です。意見のある方どうぞ」
「そっ、それは、彼が、わっ私たちの事を、すっすっ好き、と、言う事でしょうか?」
「彼が意識し覚えているかは分かりませんが、その可能性が高いと思います。彼は気が多そうですから」
「キャー!」
ある者は歓喜の声を上げ。
「そ、そうか。良かった!」
また、ある者は静かに涙を流しながら喜びをあらわにしている。
先生も隣でメイクが落ちるのも気にせず声を殺して泣いています。
一般的には気が多い男、それは普通欠点でしかなく嫌悪の対象でしかない。
気持ち悪くて嫌われる。
現状でのあたくし達には実際、彼以外にはそう感じるのでそれが普通のはずなんですが。
彼が気が多いのは我々には希望の光に見え魅力にもなっている。
不思議な方です。
ああ、何かあたくしもゾクゾクっときて鳥肌が立ってきましたわ。
「はぁ~あっ♡」
興奮の頂点で濡れてきてしまいました。
念のために言っておきますが漏らしたわけではありませんわ。
そもそもこの学校は現在、女生徒の比率がとても多く会員も多い。
それは、彼の成績、性格、家の位置から鑑みてこの高校に彼が入る可能性が最も高いと考察し、皆が勉学に励んだ成果です。
あたくしもそう考えてここを受けましたもの。
あたくしも必死で受験勉強しましたよ。
県内でも屈指の進学校なんですよここ。
簡単には入れません。
「あたくしが、大幅に脱線させてしまいましたが、他に無いようでしたら主議題に入りたいと思います。報告を」
「はい、先日の夕刻から、わが校の生徒のSNSを中心に噂が拡がりを見せ、放ってはおけない事態と思いましたので急遽、議題に上げた次第です」
「誰か、原因がわかる方はいませんか?」
「はい」
「どうぞ」
「昨日の放課後、M.Hさんが、彼らとの会話中に、“ハーレム男とは付き合えない”的な発言をしてしまい。目下、彼の彼女と最有力視される、M.Hさんの発言だけに、信ぴょう性が出てしまったのだと、思います」
「なるほど、迂闊な発言をしたものですね」
「そうだな、どうした物だろうかな?」
「はい、SNSは私たちが書き込んで誘導すればいいと思います」
「なるほど。それでしたら、ここにいる皆でいいので、“彼はそこまではモテない”、“M.Hは冗談が好き”、“彼が女と一緒にいる所をM.H以外見たことがない”、“ただの痴話げんかじゃないの?”をキーワードにSNSでの拡散と噂の収束を図ってください。もし、ハーレムがあるとしたら、この噂は、我々がハーレム入りをする際の障害にしかなりません。現代日本ではハーレムなど法的にも民意的にも認められません。事は秘密裏に進める必要性を感じます」
「はい、そうだと思います」
「私も賛成です」
「さんせいでーす」
「はい」
「どうぞ」
「私が、彼にハーレムを求めているか確認します」
「大丈夫なのか? 心臓が破裂するぞ!」
「M.Hさんと、大分仲良くなったので、きっと大丈夫だと思います」
「そうか、無理はするなよ」
「はい、先生!」
「佐藤さん頑張てみてください。良い結果が出るといいですね。他には何かありませんか……では今回の緊急会議を終わります」
次回更新は金曜日になります、よろしくお願いいたします。
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