0065.美香のハーレム
え~と セ、セ~フかな?
ミルスと一緒に聖水倉庫へ向かう。
聖水倉庫はミルスが行き易い様に、ミルスの事務室から直接行けるようになっていて誰も同席しない。
ミルスにストレスが掛からないようにとの配慮なのだろうが、今回はそれが悪用されたと言う事なのだろう。
聖水は少し小さめの樽に詰められる水に聖魔力を送ることで出来るようだった。
水は聖北騎士団が準備しここに持ってくる。
ミルスにあまり部屋を出る事がないのかと聞くと、休みもあるし空いた時間散歩に出る事も有るのだそうだ。
まあ、軟禁状態でなくてよかった。
ミルスは聖水に加工した樽にはサインを入れていたので、サインのある樽に聖魔力を込める。
ミルスは二樽も込めると魔力切れになったので、ダンジョンに連れ帰り、残りは俺一人で込めて回った。
ダンジョンに帰るとミルスがぐったりとしていた。
「まだしんどいのかい?」
「ええ、蛇を5体倒したら体が熱くって」
どうやら魔力不足ではなくレベルアップで疲れているみたいだった。
燃えているな。
俺は探知で解りえる教会の簡単な見取り図を描いて、どこが何なのかミルスの分かる範囲で書き込んでもらった。
『ケイ、そちらはどうだ?』
『こちらは先ほどおばさんが夕食を持ってきました』
そろそろ夕方か。そう言えばわが家が狭いな。
他に安全な所はないかな。
「アン、ミルスとアンの家で少しの間同居は可能か?」
「あの家は聖女様には少しみすぼらしいニャ」
「そうかなー?」
「困っとるんやったら、うちの部屋でもええで。親が泊りに来る際使う寝具あるし。アンちゃんもおいでや」
美香がずいぶん乗り気で提案してくる。
「むむむ、さては一人異世界語を覚える気だな」
聖はすぐ美香に対抗心を燃やすな。
「ふふふ、羨ましいか?」
「羨ましくなんかない」
「なら、ええんやな。なあ、アンちゃんおいでえや」
「ぐぬぬ」
「アンも行くニャ」
「よしっ、決まりや! ミルスはん、今晩からよろしくやで」
「[ミルス、今日から美香の所に泊まってもらいたいんだが、いいか?]」
「[ええいいわ、美香さん。よろしくね]」
「うう美人やわー。今日からうちのハーレムや!」
何言ってんでしょうなこの人は?
もしかして本当にレズっ気でもあるのかな?
美香に二人を預けるのが急に不安になってきた。
いや、美香は背も高く男前な性格だ。
もしレズなら彼女の一人もいるだろう。
だからきっと違うよね。
そんなえも言えない事を考えていると。
「お兄ちゃん、お腹減ったよー! そろそろ帰らない?」
「そうだな、家に帰ろう」
ケイとガウが居ないのは少し寂しいが、まあ何時もの夕食が終わり。
『ケイそちらに変わりはないか?』
『おばさんが、食後の散歩を進めて来たので、散歩に出ないのもおかしいかなと思いまして散歩に出かけたのですが』
『ふむ、それで?』
『町の不良が二人絡んでいらしたので、わたくしは、叫んで逃げておきました。でも、物陰に司教らしき姿を探知しましたのでガウに見に行ってもらいました』
『ポキが傍に行って話を聞いたビャ。どうやら絡まれたミルスを助け、恩を売る計画だったビャ』
『ケイもガウも無事だったんだな?』
『はい、それはもう』
『それは良かった。じゃあ引き続きお願いする』
司教、またどこかで聞いたことのあるような陳腐な計画を。
その後、ダンジョンに他の皆と行き、連れて行けとうるさい聖と第二層で鍛え、皆を家に送って行った。
「ケイ、どんな感じだ?」
「はい、何もありませんでした」
「俺は又教会に忍び込んでくる」
「行ってらっしゃいませ。ここはわたくし一人で大丈夫ですので、ガウも連れて行ってください」
まあ、確かに心配ないか。
「じゃあ、ガウ行こう」
俺達は又教会に侵入したのだった。
ガウは見えませんからと、堂々と正面玄関から侵入し、俺は又床下からの侵入となる。
実にうらやましい能力だ。
まずは司教の部屋に向かう。
司教はもう休んでいるらしく部屋は真っ暗だが、暗視が出来る俺達には問題がなく、部屋に降りて資料を見させてもらう。
ガウと手分けをして探したが碌な資料ないな、落書きみたいなものだらけだ。
マジでこいつ仕事していない。
本当に無能なんだな。
聖女を何とかしようと思わなければ別にどうでもいい人間だ。
一人では大した悪事も出来ないだろう。
助祭の部屋にでも行くか?
いや二人ともまだ仕事しているようだ。
ゲブンもまだ仕事している。
他の部屋を回ってみるか。
ふむ、個室でない事務所には誰もいないので調査してみよう。
探していると裁定者の来る日付が書いてある書類を見つけたが、誰が来るとかの詳細は書いていなかった。
「七日後つまり来週かな? 週末だし丁度いいな」
「そうですビャ」
他には大した書類も無かったので今日はこれでおしまいにする。
来週までには何か考えなくては。
「ケイ、こういう訳なんだけど、何かいい案がないかなあ?」
「わたくしも、考えてみます」
「ポキもじっくり考えてみるビャ」
「俺も考えるが、よろしく頼む」
二人とも考え込んでしまった。
これは、聖北騎士団の連中にも説明して、少しでも大勢で考えた方がいいのかもしれないな。
明日ミルスに聖北騎士団の事を相談してみよう。
俺は家に帰ると妹が俺の部屋のベッドで寝ていた。
「おい、起きろ杏子。何でここで寝ているんだ」
「ふにゃ、ああ、お兄ちゃんお帰り。何でって……最近ずっとアンと寝ていたから寂しくって」
と甘えた声と表情で言った。
「だからと言って兄のベッドで寝る奴が有るか。さあ自分の部屋に帰れ!」
「お兄ちゃんのけちっ。べーっだ!」
妹は舌を出してベーっとすると部屋から出て行く。
妹が隠しもせず好意を寄せ始めたんだが、どうしたらいいんだ?
ふん、お兄ちゃんのバカ!
私の一人Hの匂いでも嗅ぎながら寝るがいいわ!
そう考えたら体が又熱くなってきた。
私のエッチ。
アンちゃん最近いつも隣りにいて二人で寝ていたけど、今日はどうしているかしら?
寂しいよう。
「わが家へようこそアンちゃんミルスさん」
うちは、二人も美人さんを部屋に連れて帰ってご機嫌さんや!
別にレズやないんやけど、綺麗な子やかわいい子を見ているのは好きなんや。
今はタカを見ている方が好きやけど。
「布団引いたよって、ここで寝てな」
うちのベッドの横に布団準備し二人に勧めると電気を消して、うちも布団に入ったんやけど、あかん! 寝れん。
体がほてってきてしまったねん。
そう言えばタカと知り合ってから毎晩一人H して寝てたからや。
「はあっ、はあっ、ふう。体が熱いわ」
「ミルス様寝にくいですニャ?」
「……」
「アンがお慰めいたしますニャ」
「あっ、そんなとこ、ああ」
「気持ちいいですかニャ」
「……あっそこは」
「アンに任せてニャ」
ええっ? いったい何が始まっているの!
「兄ちゃんに魅了されると、気持ちよさが忘れられないニャ」
あっあかん! 刺激が強すぎや! もう辛抱たまらん。
……そこからの出来事は恥ずかしくて顔から火が出そうやで、思い出すのもはばられるんや。
翌朝目が覚めるとアンの裸体が目の前にあったんや。
あ~やってもた。
タカ~なんとかして~な。
うちおかしゅうなってまうで。
次回更新は金曜日23時になります、よろしくお願いいたします。
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