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0059.アンスラルドへ

 只今絶賛ダンジョンの第二層を殲滅中である。


 と言うのも、第一層、第二層を抜けるのに時間が掛かる上に、第三層は大群ばかりとの戦闘でレベルアップ後の体から煙の出るほどになるからだ。

 そのため歩くのもしんどい状態での帰還が辛いためである。


 第二層でレベルアップする間は、第二層で頑張る事になった。

 第二層でなら早々煙が出るほどのレベルアップにはならず、継続して戦えるから効率も良さそうだ。


 広くて沢山魔物がいるしリポップもよくするので、結構おいしいのかもしれない。


 妹たちもスライムを卒業し蛇を倒し始めている。


 ゆっくりとではあるが確実に強くなっているようだ。


 そういうわけでダンジョンの攻略は遅々として進まない。

 まあ、強くなればいいんだから問題はない。


 次の土曜日、俺はハムにもらった身分証明書でアンスラルドに行ってみる事にする。

 やっと、入れるな! ハムありがとう。


 そして、俺は朝一番から巨大な街壁にある入街ゲートに並んでいる。


 ゲートの列には色々な人種が並んでいる。

 エルフっぽいのから鬼っぽいのや、爬虫類の様なのまで幅広い。

 もらった知識の中にあったんだが、俺達から見て普通の人は基人族と言う事が多いらしい。


 そうそう、俺は前に一度街の中に転移しようとしたのだが、どうも街が結界の様な物に覆われているらしく、ぼやっとした探知しかできなかったので入れなかったのだ。

 そんな事を思いつつ並んでいると順番がやって来た。


「次、身分証明書を提示して。入街税は鉄貨一枚だ」


 ハムにもらった大きめの硬貨にも見える証明書を見せる。


「これは、見たことがないぞ! ちょっと待て! これは少し預からせてもらう」


 えっ! ハムまさかの誇大表現で使用不可ですか?

 兵士の元に事務員ぽい方々が集まり協議を始めた。


「待たせてすまなかった。これに、魔力を通してみてくれ」


 何人かで俺が魔力を流す様子を見守る中、俺が身分証明書に魔力を通すと光始め複雑な文様のエンブレムが浮かんだ。


「ほっ本物だ! ……ゲレナンド王国の第一種国賓証明書だ! ……失礼いたしました。入街税はいりませんのでお通り下さい」


 おっと、どうやら大した威力を持つ証明書だったようだ。

 しかも、国賓って? なんとなくは思っていたけど、ハムって予想以上に偉い人だったんだね。


「聖北教会の聖北騎士団本部ってどのあたりなんですか?」


 俺が聞いた兵士は最敬礼して緊張しながら答えた。


「はいっ! そちらの六番乗り場発着の馬空バスに乗って、六つ目の停留所で降りていただくとすぐそばです」

「ありがとう」

「はっ、どういたしまして」


 街に入ってみると、意匠は違うがどう見ても高層ビルにしか見えない建物が並んでいて巨大都市にしか見えなかった。


 そう、見る物のほとんど意匠が違う。

 しかし、用途などが分かる違う物ではない物ばかりだ。

 異世界ではあるが、文明度にそれ程の違いはないのかもしれない。

 確かにバス乗り場にしか見えない所に向かいバスを待った。


 車輪の無い馬空バスなので揺れも少なく快適だ。


「聖北教会本院前、お降りの方は手を挙げてください」


 何人かの乗客が手を挙げる。

 もちろん俺も挙げた。


 立派な教会の前に馬空バスが止まったのでバスを降りる。

 確か教会横にあると聞いたがどちらだ?


 きょろきょろと見回していると。


「ああ、あなたはタカ様では有りませんか。あなたのアルバです」


 後ろから声を掛けられ、振り向くと確かに見た顔だが、あなたのってなんだ? 

 背筋に悪寒が走る。


「お久しぶりです。アルバさん」

「今日は、我々を訪ねていらしたのですか?」

「ああ、そうなんだ」

「ささ、こちらへどうぞ。ミルス様もおられますよ」

「ありがとう」


 アルバさんは、ぽわぽわしながら案内してくれた。

 俺を見て頬を染めるおじさん達に見守られながら俺は聖北騎士団本部の中を進む。


 そう言えばこの連中には二重に魅了を掛けてしまったんだっけ? 

 とんでもないことをやらかしてるよ俺。

 

 彼らの魔力は一般人の魔力の倍程度でさほど多いわけではない。

 ハムドに比べると1/20程だが、体は鍛え上げてあって強そうに見えるが、頬を染めてくねくねしていたら台無しだ。


 背筋がさらに寒くなりお尻がむずむずする。

 恐い! 逃げたい! 気持ち悪い。


 しかし、そう思うとハムドは強かったんだな。

 俺たちは強くなり過ぎたのか? 


 いや、魔物は小悪魔のガウを見てわかるようにとんでもなく強い。

 アンバランスな世界だな。


 よく、滅びずに生き残っているな人類?


 コンコン


 アルバさんがドアをノックして。


「アルバです。お客様を連れてまいりました」

「よし、入れ」

「おお、タカ殿ではござりませんか。ささ、どうぞ、お座りください。アルバお茶を」

「はい、了解しました」


 ああ、ミルス様お美しい。

 うん? 耳がとがっていて普通より長いぞ。

 まさか、ミルス様はエルフなのか? 


「ありがとうございます。この前好評だったチョコをお持ちしております。どうぞお食べ下さい。つかぬことをお聞きしますが。ミルス様はエルフなのでしょうか?」

「はい、見ての通りでして、エルフは人より魔力が多いので、聖魔力があり魔力量が多い私がこの町の聖女をやらせていただいてます。ああそう言えば洞窟では耳が隠れていましたね」


 っと、ミルスはにこっとする。

 可愛い! 惚れ直すよほんと。


 エルフで聖女であるミルス様の魔力は常人の8倍程度である。

 そう言えば最初魅了するのに大分時間が掛かったっけ。


 俺は探知を広く行ってみる。


 この騎士団には200名近い反応がある。

 常時戦力としては多い気がするが、食費が安い世界だ維持費と言った面ではそれほどかからないのかもしれない。


 むっ教会の方に少し大きな魔力反応がある、俺達には及ばないが。

 しかも、悪意に満ちていそうだ。

 やばいのが傍にいるな。教会の中は悪意に染まった感が有る反応が多い。


 腐っているんだな。


「この度は、どのような用件で?」

「近くまで来たもので、ミルス様のご尊顔を拝見しにまいった次第でございます」

「わっ私の顔でございますか?」

「そうでございます」

「ミルス様、タカ様お茶でございます」


 アルバがお茶を持ってくる。


「ありがとうアルバ下がっていいぞ」

「ええっと、下がるのですね。分かりました」


 アルバが俺に熱い視線を送りながら、未練がましくゆっくり部屋を出て行った。


「彼ら修道衆は非常にまじめなんだが、戒律により異性との接触などを禁じられていてな、その、なんだ、申し訳ない」


 それってガチってことですよね。

次回更新は金曜日23時になります、よろしくお願いいたします。

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