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0058.ガウビィの実力

 ホテルに帰ると、他の皆が心配そうに待ち構えていた。


「あっお兄ちゃんお帰り」

「無事終わったんやな。よかった」

「お兄さん」


 皆安どの表情をうかべる。


「ああただいま。実は小悪魔を眷属に加えてんだ」


 ガウに姿を見せるように言うと、姿を現したガウの見栄えに、皆はその姿に驚きの声を上げる。


「可愛い。天使の輪よ! あれ」

「羽がきれい」


 芽衣が見惚れている。


「天使かと思ったんやが、角もあるんやな」

「今回眷属となった半神半魔のガウビィ。異世界からやって来た元小悪魔だった者だ」


 軽くガウビィをみんなに紹介する。


「うちは、美香よろしく。で、ガウビィあんた、男、女?」

「今は、性別はありませんビャ」

「今はってことは後々にはあるん?」

「進化できれば有る場合もあるビャ」


 へー進化ってあるんだ!。

 燃えるな! 進化目指して鍛え上げたい。


「私は、妹の杏子よ。杏って呼んでね。天使の輪がカッコいいわよ」

「可愛い……私は杏の友達の芽衣です。まさか、ここまでファンタジーな存在に会えるとは」


 芽衣はすっかりメロメロで目がトロンとなっていた。


 少しの間皆でガウをめでていると。


「ただいま」


 聖が報告を終えて帰ってくるが機嫌が悪い。


「(全く、父上達もしつこい。教えられないものは教えられないのに。ぶつぶつ)」


 ああ、正体を隠すのが大変だったのね。


「聖すまんな」


「いいさ、いつもの事さ。それよりこれからの予定はどうする? 明日は泳ぐとして帰りはどうする? 飛行機とるか?」


「飛行機はもういいよ」

「そうやな、もうええな」

「なら、転移で帰るか」

「ふむ分かった、そうしよう」


「そう言えば、ガウ食事は?」


 俺はガウに聞く。


「ポキはタカ殿からいただく魔力で十分でビャ。おやつとして、生肉を食べても構いませんビャ」

「そ、そうか生肉か、考えておこう」

「無くても困りませんビャ」


「タカ様、わたくしと、ガウは、食べませんのでお食事時は部屋で待機しています。でもお家では朝食の準備をさせてください」

「分かった、よろしく頼む。聖、そういえば、今夜はもう待機しなくてもいいんだよな?」

「なんだい、タカ?」


「ガウもいる事だし、ダンジョンに行ってみようかと思って」

「元気だな、タカ。僕たちは付いてはいけないが頑張ってくれ」


「おっと悪い、ガウは寝なくても大丈夫なのか?」

「ポキは、夜起きる方がいいビャ。昼間に少し寝れば大丈夫ビャ」

「ケイ、アン、ガウ行くぞ! ガウ俺に触れ」





「ああ、いってもた、タカは元気やなあ」

「お兄ちゃん偶に寝ればいいみたいなの」

「これは、戦闘にがっちり協力と言うのは無理やなあ」

「そうだな、でも僕は出来る事は応援していきたいな」

「私も役に立ちたいです」


「ダンジョンでの訓練は続けた方がえさそうやな」

「ふむそうだな」

「私も頑張ります」

「私もやめないわよ!」





 俺達はダンジョンにやってきた。


「ここは、いいです。力がみなぎりますビャ」


 ガウはいつの間にか柄の長い黒い鎌を持っていて、振り回しながら言う。


「じゃあ、ガウ、戦いを見せてくれ」


 ガウは近くにいる蛇を鎌で一閃する。


「ここでは敵が弱すぎて実力が分からないな。殲滅しよう」

「了解」


 皆散り散りになり、あっという間に第一層はもぬけの殻となる。


 どうやら、ガウが倒した敵の魔力も俺に入ってきているようだった。


「次の層行くぞ!」


 ガウは飛べるため第二層の罠には掛からない。

 ゴブリンが出てきたので、戦ってみさせると。


「アング!」


 大きな口を開けゴブリンを一口で食べてしまう。


「美味しいでビャ。ありがとうタカ殿。これは生肉より美味しい。生肉要らないビャ」


 まさか、食べるとは? まさに悪魔的な気がする。


 これは、任せてもよさそうだな。


「ここも殲滅だな」


 アンと俺は一緒に、ケイとガウは別行動で殲滅を開始した。


 もしかして俺も飛べるようになってないかな。

 フシュー久しぶりに蝙蝠形態だ。


 おお飛べる俺飛べるぞ! 

 と思ったのもつかの間、壁にぶち当たり落ちた。


 制御の仕方が全く分からない。

 OK飛べるのは分かった要練習だな。


「にいちゃん、大丈夫ニャ?」


 俺はフシューと元に戻って。


「大丈夫だ! 続けて行くぞ!」

「はいニャ!」


 流石に第二層の殲滅は多すぎたのか、中ほどで体から煙が出始めた。


『そっちは、大丈夫か?』

『わたくしは大丈夫です』

『ポキは少し体が熱いビャ』


『よし、撤収しよう。合流だ』

『ポキの体が狼に噛み付かれて傷ついても再生するビャ。これはタカ殿の能力だビャ』

『うん? 普通悪魔は再生しないのか?』

『しないビャ、小悪魔だけじゃなくて普通の悪魔もしないビャ。かなり高位の悪魔になると分からないビャ』


 なるほど、悪魔も再生すると普通に思ってた。

 危ない所だったんだな。気を付けないと。


『ポキは狼に噛みつかれて掠り傷を負いましたビャ』


 えっ、俺は骨を砕かれるよ。


『まあ、無事でよかった』


 確かに頑丈なんだな悪魔は。


 あっ今は悪魔じゃないんだっけ。

 再生できてよかった。


 でもレベルアップの熱は違う? と思うから休憩した方がいいかな?


 皆集まってみたが、ガウは体から煙など出ていない。

 むしろ元気そうだ。


「ポキ、強くなったビャ」

「それは良かった。さて、帰りますかね」


 ダンジョンの入り口に向かって走り始めた。


 ホテルに帰ると。


「タカ様、わたくしガウと見回りなどしてきます」

「ああ、気を付けて」


 寝られないと言うのもきつそうだな。


 次の日は朝から海水浴だ。


 沖の島に渡ると強化された力を余すことなく使い泳ぎ、遊び倒した。


 もちろん仕事が終わった俺は心に余裕を持ち存分に何かの揺れを堪能した。

 小さくても揺れる、いいすごくいいぞ。


 女性はそういう視線に敏感だと言うが、誰も俺の視線を気にした様子が無かった。

 俺の気配の消し方が完璧だと証明されたな。


 家に帰って親にガウを紹介すると、さすがに二人ともびっくりして何も言えないようだ。

 でもすぐ慣れて、その可愛さに魅了されていた。





 休みも開け学校へ行く。

 いつもの様に集まるとショウが。


「ようタカ、お前が女性の胸をガン見するって噂になってるぞ!」

「えぇっ、そんな馬鹿な?」

「バカな、じゃないのう。女性陣に噂されてるのう」


 それはやばい居場所がなくなる!


「いくら何でも、あからさますぎだって。こう、分からないように顔も向けないで見ないとな」


 冬二はギョロっと視線だけ向ける。

 冬二のバカ。

 バレて、ひそひそと言われてるぞ、お前。


 しかし、おかしい? 

 俺の気配断は完璧なはずじゃあ。


「それでなタカ、何でそんなに日焼けしているんだ?」

「そうだのう、この連休どこに行ってたんだのう?」

「いやあ、海にちょっと」


「おかしいぞ? どこも海はもう営業してないはずだ」

「そうだのうシーズンはとっくの昔に終わってるだのう」

「まあ、いいじゃないか」


 二人はじーっと俺を睨んでいる。


 すると聖がいつもの様に用も無いのにやって来て、爆弾だけ落として去っていく。


「やあ、タカ。沖縄はよかったな! また行こうぜ。ふふん」


「沖縄?」

「また行くのう?」


「まさか、タカだけ先に大人になるなんて。この裏切り者ぉー!」

「そんな事ないって。本当だって!」

「こいつ余裕ぶりやがって」


「まあ、冬二には一生関係ない事だのう」

「うがー!」

「おおっ、冬二が怒ったー!」

「逃げるのうー!」

「待てー! こいつらー」


 今日も俺の周りは賑やかで楽しい。

次回更新は閑話で日曜日23時になります、よろしくお願いいたします。

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