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0050.防具って大切です

 大体悪魔ってやつは強くて倒せない、らしい。

 悪魔祓いは悪魔を逃げられないように苦手な物で囲み悪魔が嫌がることを行って、自分の世界におとなしく帰ってもらう事だとさ。


 悪魔が怒ってあばれ大災害になった例は、裏の世界史を紐解くと結構あるそうだ。


 謎の町壊滅とかほとんど悪魔か又は、別の魔物のせいなんだとか。

 そうなんだ? 知らなかったよ。


 こちらの世界にも危険が満ち溢れているなあ。

 今回教会が悪魔祓いに失敗したらしく、陰陽師である瑪瑙家にお鉢が回ってきたとの事だ。


「厄介ごとに巻き込むなよな! そりゃあ、俺は人助けが好きだけどまったく未知数の敵とは接触したくないよ。皆まで巻き込んでさ」

「まあまあ、そう怒らずにさあ。沖縄だよ! ビーチだよ! 美女もいるよ」


 瑪瑙さんが皆にこの話をすると、皆乗り気で盛り上がってしまった。


 結城さんなど、さっきから親への言い訳ばかり妹と考えている。

 最近入り浸りだからなあ、親御さんも心配な事だろう。

 中学生の女の子が友達の家とは言え、何日も泊まり込んだりして大丈夫じゃないだろう普通は?

 そのうち怒鳴り込んできたりはしないだろうな。


 三人を家に送っていき土日の休みは終わった。


 明日からは学校だが、瑪瑙さん黙っている訳ないよな。

 登校が怖い。

 だが、翌日瑪瑙さんが学校で騒ぐことは無かった。


「アンも、もっと強くなりたいニャ」


 どうやら瑪瑙さんに触発されたみたいだな。


 吸血鬼? である俺も、人虎であるアンも本来そんなに睡眠を必要としない。


 ケイは全く眠らないし、悪魔も怖い。

 なので、三人で夜中のダンジョン探索を復活させることにした。


 瑪瑙さんに追いつかれると、何言われるか分からないってのもある。


 魔物の特性を持つ三人ならではの行動である。

 第二層は平気そうなので第三層を目指すことにした。


「このメンバーでの探索は久しぶりですね」


 ケイも嬉しそうでよかった。

 やはり子守ばかりだとストレスがたまるよね。


 俺は剣の扱いに慣れるため接近戦を主に戦い、アンも人虎になり全開である。

 時々罠にかかりながらも、最速で駆け抜けていく。

 大きめの蛇が出て気持ち悪かったが、敵ではなかった。


 何度か突き当たり、引き返したりもしたが、二日も有れば第三層への入り口を探知範囲に収めることが出来、三日目には第三層に到達することが出来た。


 第二層の入り口と同じような灰色で先の見えない第三層への入り口だ。

 また、首だけ出して覗き込んでみる。

 第三層は湿地帯のようで、歩きにくそうだ。


「第三層はオープンワールドか、第二層の例もある、気を付けて進むぞ」


 だが、探知では何も分からなかったので、結局ゆっくりと足を踏み出してみるしかない。


 ぬぷっ、くるぶしのあたりまで浸かる。

 この辺りはさほど、深くはないようだ。


 だだ……ええ? し、しびれる。


 バッチャアァン!


 俺はなす術もなく湿地に倒れこむ。


『タカ様、わっわたくしも、しびれて動けません』


 ケイが空中で身もだえている。

 眷属化にこんな弱点があるとは。


「にいちゃん、大丈夫かニャ? アンは平気だニャ」


 アン、前に入った人が異常を起こして倒れているんだから、入ってくるんじゃありません。


 こういう場合は倒れた人を何とか自分のいる安全地帯に引っ張り込むんですよ。

 しかし、平気なのか? 人虎の能力か? 

 いや、装備の差か。

 さすが高級装備だ!


「大量なホブゴブリンが来るニャ」


 アンはホブゴブリンを迎え撃つ。

 いや俺と一緒に第二層に逃げようぜ。

 しかし口もしびれているために話せない。


「くっ、こいつら早いニャ!」


 流石第三層の魔物、ホブゴブリンにアンが苦戦している。

 苦戦と言っても負けそうなほどでもないが、素早いアンも打撃を幾らか食らっている。


 再生力が無ければそれでもひとたまりも無かっただろう。

 そして、こちらにも奴らはやって来た。


 何なんだ、このダンジョン! 階入り口に初見殺しを仕掛けないと気が済まないのだろうか。

 麻痺とホブゴブリンの大群のコンボ、普通じゃあ突破できないぞ。


「うぐ! うが! うげ!」


 しびれて動けない俺は囲まれてタコ殴りにされている。


「にいちゃん、助けに行くニャ。ニャアッ!」


 アンが無理にこちらに来ようとして横から棍棒で殴られ吹っ飛ばされていく。


 むっ無理をするな! こいつらどうやら俺に致命傷を与える事が出来ないらしい。

 再生速度が勝っているので、たとえクリティカルを食ってもきっと俺は大丈夫だ! と思いたい。


 剣も鈍なのか俺を両断出来ないみたいだ。

 これは、いわゆる防御力みたいなのが上がっているのかもしれないな。


 普通の人間ならとっくにミンチだろこれ。

 痛みにも慣れて、耐性が付いて来ているとはいえやはり痛い。

 こいつら、人が動けないと思って無茶苦茶しやがって。


 くそっ!どんどん腹が立ってきた。

 うがあっ! 動け俺の体! 動け!

 うごけ~~!


 しかし、俺は動けなかった。

 ピンチに力みなぎるなんて無かったんだ。


 ホブゴブリンはアンを強敵と見て、数体アンと対峙してる奴以外は俺へ殺到してくる訳だ。

 が、ケイが俺の傍にいるので俺に迫るとケイに触れてしまうんだなこれが。


 ケイは触るもの皆生気吸収で倒していく。

 動けなくても生気吸収は出来るようだった。


 ホブゴブリンも馬鹿なのか? 

 ケイを無視して突っ込んでくるため動けないケイにやられていく。


 俺はうつぶせに倒れていて何もできない。


 息も出来なくて非常に苦しい死にかけの状態が続く。

 だが死なない。

 俺の体っていったいどうなっているんだろうね? 


 生還出来たらいい装備を買おう! 

 死にそうな苦悶に耐えながら俺は固く決心するのである。


 永遠にも感じた辛い時間はホブゴブリンの全滅により終わりを告げ、アンは俺を第二層に運び込んでくれた。

 俺もアンも魔力の過剰摂取により熱っぽくなりすぎ、体から煙が出ている。


 数分経つと麻痺が切れ、傷なども元通りに治ったので家に帰ることにした。

 装備の大切さを実感した出来事だったな。


 レベルアップがつらい!

 早く帰って寝よう。

次回更新は火曜日21時になります、よろしくお願いいたします。

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