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0046.買えば支払いが有る

 異世界はハルパの町、俺は皆に装備を買うことにした。


「ねえ、うちどう? セクシーやろ」

「お兄ちゃん私もどう?」


 麻生さんと妹が二人でセクシーポーズをとっているらしい。

 なれない事はするもんじゃない。

 ポーズが服に合ってない上に微妙におかしい。


「ああ、ばっちりだぜ皆似合ってる。それで、サイズに間違いは無かったんだな?」


 あまり言及せずにごまかした。


「皆ピッタリだよ、見た目より軽くて柔らかくて着心地がいいの!」


 妹はとても気に入った様だ。

 所々に厚い革が張って在り動きやすそうで可愛い感じだ。


 ジャケットの丈が長くミニスカートのように見え、パンツはだぶっとしている。

 ブーツの様な革靴も手袋を腰につけている様もトータルで女性受けがいいようにデザインされていて、よくできた防具兼服である。


 皆色や細部が違うのもグッドだ。


 その上に魔法により見た目以上の防御力が有ると言う。

 へえ~、なんだか高そうだな。


 生地もごつそうで、蛇の攻撃位防げそうだ。

 店主、実は有能だったんだな。

 もっと誠実に商売すればいいのに。


 まあ、俺はまた別の店で揉めたりするの嫌だからここで買うけど。

 本当は嫌なんだぞ! 分かってるか店主?


 この製品がちゃんと当たりなら他の店で同じような事が起こっても嫌だし、店主は俺の魅了の犠牲者でもあるので仕方なく次も来るかもな?


 皆、艶消しの薄い色彩であまり目立たないが可愛い。

 妹はピンク、結城さんは、イエローで、麻生さんがカーキとグレーの迷彩、瑪瑙さんはブルー、アンはグリーンにイエローとブラックのポイント入り。

 ケイはレッドの似たような感じに変わっていた。


「皆それでいいなら決めるぞ」

「いいわ」


 皆うなずく。


「最高級品だぜ。この町の軍や魔対の奴らより遥かにいいぜ。女性の防御力アップや目立たなく、その上に可愛くってのは貴族などの富裕層に需要が結構有ってな。戦えない女性を守るための逸品なのさ。まあ時々買う奴はいるが五着もまとめてッてえなあ兄ちゃんが初めてだぜ。はっはっは。あとサイズは、成長や着る人の体格に合わせて変わる魔法も掛かってるから、そこの小さい子が大きくなっても着られるぜ」


 ええっ! 最高級品? 

 しまった、価格帯の事を何も言ってなかった。

 それ以外は注文の通りだ、何も言わなきゃ、そりゃあ最高級品になるよね。


 店主は、すがすがしいまでにどや顔だ。

 皆すごく気に入ってるようで、今更ダメとも言いがたいしお金もない訳ではない。


 サイズが変わる魔法もうれしい、アンは人虎になると大きくなるからな。

 はあっ、仕方ないか! どうせあぶく銭だし。


「皆これも吊るして」


 短剣を渡し、着けさせた。


「で、いくらなんだ?」

「まあ、迷惑かけたし、中金貨六枚と小金貨三枚にまけといてやるぜ」


 えっ!? だがしかし店主に悪意がない。

 少しの値引きも嘘ではなく本当のようだ。


 なんてこった! 

 結局鴨られた? 


「毎度ありがとうございました~♪」


 上機嫌の店主に、支払いを震えながらこなし店の外に出た。

 日本円に換算したりはしない! 

 しがない高校生ではあまりの金額に卒倒しそうになるから。


 高級乗用車買えるわい馬鹿垂れ!

 何ちゅう金額だ!


 無邪気に喜んでいるが皆は金額にピンと来てないんだろうな。

 そうそう、アンだけ金額を聞いて驚きの表情になってるよ。


 アンは、青い顔でビクビクしながら


「にいちゃん、悪かったニャ! こんなに高いとは想像もつかなかったニャ」

「いいって、必要な物だからな」


 庶民の服は高くても銀の貨幣範囲で済むくらいだそうだ。


 戦闘用具が高いとなると、庶民はただ守られろと言ってるんだなここの政府は。

 こんなに治安が悪いのに魔物も生息しているのに。


 まあ、その辺はいいや、ここら辺りは魔物が少ないのが響いてるのかもしれないし、高級品だから特別に高いのかもしれないしね。


 見た目が変わったので絡まれにくくはなっただろう。


「観光に戻ろう、アンここから近い大きい教会ってどっちにある」

「タカ様、皆さんの着ていた服を部屋に持って帰っておきます」


 そうだな手荷物はない方がいい。

 ケイは気が利くな。


「頼めるか」

「はい、皆さん袋をわたくしに」

「これも、一緒に持って行ってくれ」


 俺は、ケイに大金の入ったウエストバッグを渡す。

 昨日から持ってるお金は、別の袋に入ってるから困らない。


 そんな大金は怖いだけなので持っていたくないんだ。


「はい」


 ケイはすぐに行って帰ってきた。

 もちろん移動せずにその場で待っていたよ。


「にいちゃん、こっちに大聖堂が有るニャ」


 俺たちはアンの案内で観光を開始した。

 いやあ、この観光はとても有意義だった。


 石造りの建物にしては大きすぎるし、地球とはまた違ったアシンメトリーな様式美で美しかった。

 しかも石なのに非常に大きく、又継ぎ目の少ない建物だ。

 外の飾り柱を軽くたたいてみだが、石なのに柔軟性がある。


 あれは魔法で切り出して運ぶのか? 

 解らないように繋いでしまうのか? 

 材質まで変えているのか? 


 知らないが、魔法文明パナイ!

 地球の常識の範囲では考えられない物だったな。


「お兄ちゃんお腹がすいたよ! どこかで食べようよ」


 結構歩いたので、お腹が空いたなあ。

 確かに。

 妹もお腹すくよな。


「そうだな、その辺の食堂に入ろうか?」

「アンこの辺の食堂は行った事ないニャ」

「アンの知ってる食堂は遠いのか?」

「そこまで遠くないニャ」


「じゃあ、そこまで急ごう」

「皆走れるニャ?」

「まだ大丈夫です」


 一番体力のなさそうな結城さんが言うなら大丈夫か?


「お兄ちゃん行こう!」

「じゃあ、走るぞ! アン後ろが付いて来てるか気にしながら走ってくれ」

「分かったニャ」

「俺が最後尾を走るからな。よし行こう!」


 アンが勢いよく走り始める。

 耳がこっちを向いているので、後ろをちゃんと気にしながら走ってくれているようだ。


「ここニャ」


 そこは、古くからある落ち着いた佇まいの食堂だった。


 ”大福食堂”


 名前はまあ普通かな。


 ドアを開ける。

 だが中は違った!


 広い店内が満席に近くなっており、わいわいと騒ぐ人々でごった返していた。

 これは期待できるぞ!


「へい、らっしゃい! 奥へどうぞ」


 俺たちは、店の奥に空いてる席を探しながら向かった。

「へい、らっしゃい。評価☆へどうぞ。マシマシの大盛だぜ」

次回更新は明日21時になります、よろしくお願いいたします。

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