0039.聖はプロだった
今日のダンジョンでのレベリングも終わり部屋でまったりしている時間。
「ふうっ」
麻生さんと瑪瑙さんが無事魔法を使えたのでほっとしたな。
夕食後ダンジョンに潜っているとどうしても深夜になってしまう。
なのでいつもの様に麻生さんと結城さん、瑪瑙さん、の3人を家に送っていく。
そうはいっても、女の子だけで深夜帰すのは危ないからね。
「で、タカ、聖属性でダメージを食らうって本当か?」
瑪瑙さんを家へ送る際に彼女は言った。
「ああ、それがどうかしたか」
「僕が降魔光破陣を使った時平気そうだったじゃないか?」
「あれはね、軽い火傷は負ってたんだけど平気な顔をしていたんだ」
「くっ、騙されていたのか」
「人聞きの悪い事を言うな」
「ふむ、タカはさあ、聖なる気があるんだから、それで体を覆ってしまえばいいんじゃないのか? そうすれば聖なる力でダメージなど食らわないだろう」
おっと! それは考え付かなかった。
神気を意識して制御してみると、神気が体表にゆっくりと薄く広がっていく。
おお、出来る神気を操れるぞ。
「どうやら出来たようだね、おめでとう。これで、魔法を教えてもらった借りはなしね」
貸しだとかは思ってないけど、それで瑪瑙さんが満足ならいいさ。
「じゃあね、また明日」
そう言って瑪瑙さんは部屋に入っていった。
皆を送り終わるとその後俺は久々に探索ベースへと来ていた。
「タカ様先ほどの話の確認ですか?」
ケイは、静かに付いてきている。
「ああ、これは大事なことだ。俺たちの弱点を無くす話だからな。今から聖光を試すので外に出て待っていてもらえるか」
「いえ、わたくしも先ほどの話を聞き、神気を纏っております。心配ございません」
「そうか、では安全の為最小限の光破から行ってみるか」
「光破」
明るい光がベース内を照らす。
おおっ! ちくりとも痛くない。
「ケイは大丈夫か?」
「はい、まったく影響がございません!」
それから少しずつ魔力を上げていき聖水までかぶってみたがまったく効かない。
次は聖光だが、こいつは別格だ!
強くなった今でも体中の皮がめくれ水膨れだらけになるほどだ。
「次は聖光だ。そこまで付き合わなくていいぞ」
「いいえ、タカ様わたくしがタカ様に憑いて行くのには、この位の試練笑って通過できなくてはいけません」
え~と、ケイの中で俺はどんな事になっているのだろう?
「わたくしのやる気をお見せしましょう!」
ケイはそう言うと全裸姿になっていく。
想像を超えた場面での全裸少女に驚きつつも、少しだけ芽吹きつつある可愛いふくらみに目を奪われる。
「なっ!」
「どうです? この姿」
「いや、いや、いや、なんで今全裸に?」
一体どういう意味があるのか 全く理解できない。
しかしこんな状況でも条件反射の様に一部はギンギンに元気になっている。
「あっ今までで一番おっき……あ~、コホンッ。これは、何にも守られなくとも! 聖光に耐えて見せると言う決意の表明です!」
ケイの場合、服からアクセサリーに至るまで全て自身の霊体なのだから意味はなさそうなんだが……ドヤ顔で喜ぶケイに言っても仕方なさそうだと諦めた。
「ではやるぞ!」
「はい!」
「聖光」
ビカー!
と眩しい光が辺りを覆うがびくりともしない。
「ケイっ?」
「はい大丈夫です。全く効きませんでした!」
「よかった」
これで、異世界の街へ行く下準備が完了だな。
もちろん悪気や生気でも覆える。生気でも防げるかもと思い試してみると、神気程は防げないが、聖光でピリピリする程度だったので、人の標準だしこっちでもいいかなと考えもした。
「タカ様、まだまだ元気いっぱいですね。今は二人っきりです。最近発散できていないその欲望をわたくしで発散してください」
ケイは裸のまま品っと傍らに近づいて来て胸を擦り付けるように腕に抱き着いてくる。
今までと違って神気があるせいか、まるで本当に触っているようなぬくもりと存在感に俺の昂奮は頂点に達するのだった。
……とっ止まらない……
「うっ、ううっおっ!……はあっ!はあっ!」
「凄い回数ですね。わたくし嬉しいですっ!」
とケイはニッコニコだ。
なんでそんなに嬉しそうなのだろうか?
さっぱり分からん!
昂奮から覚めてしまった俺は欲望など微塵も感じなくなってしまい、ただただ恥ずかしいだけなのだが!
翌日、皆朝早くから我が家にやって来た。
父さんと初めて会う面々も多く挨拶合戦になる。
父さんのバツ悪げな微妙さが印象的な笑顔での挨拶が済むと、父さんが耳元で囁いてきた。
「(で、どの子が本命なんだ?)」
「(いや、そんなつもりじゃないんだって)」
「ほほう、そうなのか?」
そう、俺の本命は実はミルスなのだから。
ちなみに対抗が麻生さんで、大穴が瑪瑙さん、って俺、最低だな。
いや、まだ誰とも付き合っていないのだからセーフかな?
思いを寄せるだけならギリセーフだよね!
あとはお子様たちだ。
で、お前はそのお子様の全裸を見て何やってるんだ? って?
いやその、なんだ……ごにょごにょ……細けえこたーいいんだよ!
「わたくしは、誰を本妻に選ぶかが重要かと思います」
ケイさんや、何をまた言い出すのやら?
午前中はレベル上げをやったが、午後からは異界の街へ観光を提案する。
「午後は異世界の街を見に行ってみようかと思うんだがどうだろうか?」
「はい、行きたいです!」
真っ先に、結城さんが答えた。
そう言えばライトノベル大好きだっけ。
「冒険者ギルドとかあるのかしら?」
一人盛り上がっているな。
「まあ、うちも見てみたいなあ」
「お兄ちゃん、やっとその気になったんだ」
妹も行きたかったんだな。
「僕はあまり興味がないが、一人残るのは嫌だから一緒に行くよ」
瑪瑙さんは、素直じゃないなあ。
「アン、案内は出来そうか」
俺は聞いた。
「アン、ハルパの町付近しか知らないニャ。ただ、郊外の村には盗賊が出ると聞いた事が有るニャ」
「盗賊かー、会いたくはないな」
「盗賊やっぱりいるのね」
盗賊で盛り上がれるとか結城さんはラノベの読みすぎだ。
地球でも地域によっては山賊や海賊がまだ居るらしいので、別に珍しくはないと思うんだが。
「わたくしは、あちらではステルスモードでいます。こんな具合に」
ケイの姿がより薄くなったぞ。
「あれ、ケイちゃんどこ行ったの」
妹はキョロキョロと周りを探す。
「よくよく目を凝らさないと見えないな、大したもんだ」
と瑪瑙さんも太鼓判を押す。
「うちには全く見えんわ」
麻生さんは悔しそうだ。
「技術の差だ。ふふん♪」
「腹立つ言い方やなあ」
しかし、俺は言う。
「ケイ、確かに見えにくい。しかし、魔力がある事が当たり前の異世界に行くんだ。もし見られてもいいように出来るだけ地表を歩くふりをしてほしい」
「分かりましたタカ様」
「ステルスと言えばタカお前も普通の人と見分けがつかなくなってる。どうやった?」
ふふふ、近距離の瑪瑙さんをごまかせているぞ。
「今は生気で体を包んでるからかな?」
「器用な奴だな」
「わたくしも、タカ様から借りて、生気で覆ってみましょうか?」
ケイが生気で覆われていく。
「ケイさんとやらそれは駄目だ! 逆に非常に見やすくなってる。それじゃあ、一般人にも見えてしまうぞ! 透けてはいるがな」
「一般人にも見える? それって!」
妹がいち早く気付いた。
「タカ様、お父様やお母様に姿を見てもらえるかも?」
ケイの顔がパーッと明るくなる。
「ああそうだな試してみよう」
「その方向ならさらに言うと。話すときに指向性を加えて、もっと魔力を込めれば一般の人にも聞こえるんじゃあないかな。その上に魔力を手の表面などに強くまとえばきっと物を動かすこともできるかな? と思うな」
「ありがとうございます、聖さん。それも試してみます!」
流石、専門家だな。
世界で有数も嘘ではないのかもな。
悪気を隠せば隠すど俺のステルス性は増して一般の人と見分けがつかなくなるのかもな。
もしもの為に生気の下に神気も展開しておこう。
魔物と間違えられて駆除されたらたまったもんじゃないからな。
私もなろう有数の書き手……などと言ってみたいです。応援、感想をよろしくです。
次回更新は明日21時になります、よろしくお願いいたします。
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