0025.電気魔法って現代最強説
俺に分かる(それで何が違うのかはよく分からないが)新たな概念である、神気、生気、悪気が人に有る事が分かった。
その為、もう一度周りの人の主に魔力や気を探知で調べてみると、はす向かいのおばさんとコンビニの店長が見逃しそうなほど少しだが魔力を持っていることが分かる。
神気や悪気を持つ者は探知範囲内には見当たらない。
魔力を持っている人は俺が魅了をほんの少しだが掛けた人だけだな。
あれ? すると妹の魔力は俺が魅了を掛けたから持っていると言う事か?
神気もそのせいかな?
もうちょっと多くの人を探知で調べてみればハッキリするかもな。
麻生さんと会う予定の喫茶店は街中なのでバスにも乗って移動する。
移動中も探知で魔力を調べていく中、数人の幽霊も探知にかかる。
幽霊って結構いるのな。
どうやら幽霊は悪気と魔力を少しずつ持っているようだが、普通の人は神気や悪気、魔力など誰も持っていない。
おっ魔力もち発見! で調べてみるとそれは待合予定の喫茶店に向かう麻生さんだった。
しかし彼女は神気を持っていない。
まだ、調べたサンプル数は少ないが、俺と妹の神気は何処からきているのか? ますます分からなくなってきた。
うちは、今日ウキウキや!
午前中のめんどくさい病院での検査も何のその。
いったい何を検査して、うちらが吸血鬼でないと調べるのかさっぱりや。
うちら、日の下で平気なんやし、牙もないで?
そんな嫌な思いも、木戸君と会えるそれで帳消しどころかプラスになるで。
うち、ショタッ気なんかないと思うとったけど、今ではすっかり年下の彼に夢中や!
吸血鬼に捕まった時、颯爽と助けに来た彼最高にかっこよかったわ。
後で聞いてみると他の攫われていた娘もまんざらでは無かったな。
要注意や! 情報はやらん。
でも彼あれで無事て、後から考えるとありえへんわ。
いったいどうなっとるのやろ? その辺も教えてもらえるくらいには親しゅうなりたいわ。
恋仲でなくても傍にいたいなんて、うちこんな気持ち初めてやわ!
早う会いたいわ。
うち、そんな雰囲気になった時の為にちゃんとゴムをカバンの中に常備や。
彼は高校一年やし、年上のうちがちゃーんと気を使わんとやな。
うちそんなんした事無いけど彼ならいいって、つい期待してるわ!
あかん! これはあかんで。
うち、彼に軽い女やなんて思われとう無いわ。
自重はせんとやな!
こじゃれたオープンタイプの喫茶店に着くと、麻生さんが先に来ていた。
「おーい! こっちや」
麻生さんが大きな声でにこやかに手を振る。
まずいな。
結構な注目を集めてしまった。
麻生さん派手めの美人だし結構目立つのよね。
「わたくし、あの人見たことあります。銅路に捕まってた人の一人ね」
ケイはいつものように付いてきている。
『そうなんだよ』
「お久しぶりです、麻生さん」
「いやあ、この前会うたやろ洞窟の「ちょっと待ってください!」なんでや?」
「場所を変えましょう」
「まあええねんけど」
俺は探知を使い人気の少ない公園を探し尾行を撒きながら移動する。
麻生さんには尾行が付いていたのだ。
「ちょっとこっちへ」
麻生さんには悪いが、麻生さんの手を引き急ぎ足で進む。
「なんやねん? ちょこまかと」
「尾行が付いてきます」
「ええっ! まさかうちが尾けられてるなんて」
「しっ!」
人ごみの中を抜けると、尾行は付いて来られなくなったようだ。
「もう、撒きましたよ、麻生さん」
「ようわかるな? 木戸君」
「ははは、そこの公園のベンチで話しましょう」
「まあ、ええねんけど」
『ケイ周りを見張っていてくれるか』
「はい、さっき気づいたんですが彼女から怪しい電波が出ています」
『電波ってそんなのも分かるの?』
「はい、たぶん電気魔法の関係でだと思います」
『その機械どこにあるか分かる』
「左の二の腕の皮膚の中辺りです」
『電波妨害できる?』
「やります」
「なに、ぼーっと、してるん?」
麻生さんが怪訝な顔でこちらを見ていた。
「あ、ああごめん、実は、って言っていいのかな? 知れば巻き込まれますよきっと」
「もうすでに充分巻き込まれてんねんけど。いいわ、覚悟を決めたるわ! 何でも言ってえな」
「麻生さん、左の二の腕に発信機仕込まれてます」
「ええ~! そんな事が」
「壊したりすると麻生さんが疑われるな」
「あのトイレから同じ電波を出せる魔法を仕掛けてはどうでしょうか? わたくしが居なくても1時間位なら出し続けられます」
『それってすげー便利! お願いします』
「分かりました」
ケイは優秀だなあ。
びっくりするよ
「麻生さん、電波妨害しましたのでもうちょっと移動しましょう」
「はい!」
「タカ様、わたくし今ので、かなり電気信号の事が理解できました。途中映った監視カメラの映像を消してきます」
『ああ、頼めるか、でもなんで分かるんだろう?』
そんなに急に理解できる物なのか? 信じられない! つい先ほどまで大戦中の子供だったのに。
「わたくし、知識としてはタカ様が規制しておられないので、タカ様の知識のほとんどが利用できます。どうも他人の知識と言うのは理解が難しくってほぼ理解できないだけです。それと、銅路なんですが彼、元は電気工学が専門の助教授だったみたいなのです。彼が亡くなった時にその知識が流れ込んできていましたが、今まで理解できていませんでした」
『なるほど』
「あそこの道のベンチはカメラに映りません。では行ってきます」
ケイの言った少し離れた道路の沿の歩道に設置してある石のベンチに座って話を続けることにした。
「もう、何から言っていいか分からんようになるわっ! そうそう、この前洞窟で助けてもろうてありがとう。あのままやったらうちも血を吸われて殺されてたわっ! でも、木戸君も無事でよかったわ。ひどくやられてたんで心配しとったんやで」
「心配させてしまいましたね。とりあえず無事です。でもよくあれが俺だと分かりましたね」
「もう一発で分かったわ! うちを舐めんなよ!」
「そうですか?」
「そうなんよ」
「話をする前に、許しては貰えないと思いますが謝っておきます。ごめんなさい」
「ええ、うち、告白もしてないのにうち振られたん?」
「いえそう言う訳ではないんです」
「ほな、どういう事ね?」
「話せば長くなるし引き返せませんが?」
「いいってゆうてるやろ!」
「分かりました、落ち着いて聞いてくださいね。俺ね、銅路と同じく異世界の吸血鬼に攫われて戻って来た者なんですよ」
原文では相当前にサブタイ変えて更新忘れてました。
次回更新は明日20時になります、よろしくお願いいたします。
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