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0019.第2層への道

 俺はケイと一緒にテレビでワイドショーを見てその言いようにムカつきPCの画面に戻したところだ。


「ひどいですね、何も分からないのに好きな事ばかり言って」

『これだからテレビはあまり見ないんだよな』


 麻生さん達はきっと事情聴取があるだろう。

 あちらはどん感じなのかね?

 そうはいっても被害者だし警察はそこまでひどい扱いはしないかもしれないが、マスゴミは押し寄せて来るだろうし大変そうだ。


 おっと新しいニュースだ


 “犯人は前回の大量行方不明の被害者の一人?”

 “犯人は吸血鬼か死体には一滴の血も残らず”

 “現場には不明な灰も”


 ああ真相に近づいてきてるなあ。どっから漏れるんだろ?

 掲示板も見るが荒れてるな、読む気にもならずそっと閉じた。


 俺もさすがに色々あって疲れたので、ダンジョンに行ったりせず。

 サバゲーの友達とフェイスブックでやり取りし次のゲーム開催を考えたり。

 エアガンの新作を調べたりで気を紛らわせていると、ケイが画面をのぞき込んで


「タカ様! お友達は選んだ方がいいですよ!」

『ほっといてくれ』


 とか


「ええっ、銃が買えるんですか?」

『いや、玩具だよ』

「これ玩具なんですか凄い進歩ですねー、あっこれカッコいい」


 などと騒ぎ一人でゆっくり、じっくり楽しむことはもう無理だと教えてくれた。


 それに今もケイは、俺の部屋で二人っきりなので宣言どうりに全裸ですごしている。

 そしてケイはことあるごとに俺に体を寄せ、まるで体の各部を見せつけるような体勢になる事が多い。


 こんな状況で俺が落ち着けるわけもなく。

 何度も魂の奥から欲望が這い出て来て暴れる為、自制が再々効かなくなりティッシュの消費量が増える一方だ。

 何気に俺は凄い絶倫だなと少し優越感を感じたりもするけどな。


 いくらケイが眷属で幽霊だとは言え、人前での行為になれ始めている自分が信じられない。

 変な性癖が付いてないだろうな?


 インターネットのニュースも新たな情報が出る事も無く、警察から電話が入る事も無く、眠りについた。


 さて、奴らが銅路一人とは限らない。

 うじうじしていても何も良くはならない。

 それどころか、状況は悪くなりそうだ。

 今は強くなる事を最優先でやろう。


 と言う事で昼食を母親に言って断り、コンビニ弁当を持ち気合を入れてダンジョンへとやって来た。

 途中探知で尾行が居ないか探るのも忘れない。

弁当はフレッドの隠し部屋に置いてきたよ、あそこ虫すら居ないし。

 ダンジョンでの戦闘で弁当がバラバラになったら悲しいから。


 ダンジョンはこの前ケイが食い荒らしたのに全く元通りの様子だった。

 よし、今日の目標は最初の部屋の魔物の掃討と、出口二つの先を調べられたらいいな。

 あの部屋は広いがケイと二手に分かれれば出来るだろうきっと。


 まずはその辺のスケルトンと魔力を比べると20倍ほど上に育っていた。

 最初から比べると8000倍! インフレが止まらない。

 スライムより弱いってのは、そういう事だったのね。

 さて、すまないが俺が強くなるために消えてくれ。


「ではケイ手分けして魔物を狩るぞ」

「了解です、やりますよー」


 張り切ってるな。


「じゃあケイはあっちから俺はこっちからやるよ。出発」


 俺が指差しケイに指示を出すと二人は猛烈な勢いで魔物を狩っていく。

 生気吸収は効率がいい、走り寄って触るだけでOK。

 足もかなり速くなってるし。

 直接触らなくてもスケルトンから奪った錆々の長剣で間接的に切り付けても吸収出来てOKだった!


 2時間ほど走り回るとほぼ生物らしいモノの居ない荒涼とした空間になっていた。

 体が熱い、また一段レベルが上がったようだ。


 洞窟の入り口から近い方の出口を覗いてみるとサンサンと日が射す外だった。

 周りは鬱蒼とした森が見える範囲全てに広がっている。

 森を少し探知すると解る範囲内には、スライムや蛇並みの魔物が幾らかいるようだ。

 ここが本来ダンジョンの出入口なのだろう。


 本当に外か? とも思ったが転移も可能そうだったし、弱い方に行くこともないので昼食を食べ別の出口を調べる事にする。

 するとここは第一層だったんだな、まあスライム居たし。


 ケイとダンジョンを横断し、もう一つの出口へ向かった。

 見えてくるその出口は灰色一色で先が見えない。

 向こうの空間がある事は探知で解るので凄く変だ。


 光が遮られているような入り口に恐る恐る首を入れ覗き込むと、そこは一見普通の洞窟だった。

 その岩がごつごつとした様子に、おや、ダンジョンも、もう終わりなのかと一歩踏み込んで転移しようとしたが出来ない。

 どうやら第二層に進めたらしい。


「迷路型ダンジョンだな」

「迷路ですか~ワクワクしますね」

「そうだね」


 これは面倒くさそうだな。


 探知すると俺と同等か、より強い魔力を持つ魔物が迷路の途中途中に居るのは分かるが、あまり遠くまでは分からなかったので。

 持ってきていたノートにここを起点として分かる範囲の道を書く。

 かなり分岐していて解り辛そうだ。


「ゆっくりと気を付けて進んでいこう!」


 と一歩踏み出した所で落とし穴に俺は落ちていた。


「痛いぞ!」


 底は鋭い刃が並ぶ剣山の様になっているデストラップで先輩方の骨が沢山転がっていた。

 こんな、誰も来なさそうなダンジョンにも挑戦者が沢山いた時代があったんだな。


「タカ様大丈夫ですか~」

「すぐ上がる」


 今回は霧水化が間に合わず串刺しになっている。

 再生が始まっていて死にはしないが刺さっているところは痛いままだ。

 剣山はとても切れ味がいいらしく、ぐっさり深く刺さっているのに“痛いぞ”で済むとは痛みに相当慣れてしまったようだ。


 まずは手を上げ刺さっている剣を抜くと剣先を切れないように横から掴み、手の力だけで体を持ち上げる。

 ぬぷっと頭も入れて体中スプラッタームービーの様に刺さった剣山から剣先を持ったまま手の力だけで飛び上がり脱出に成功した。

 こんなでも生きていたり脱出が出来るのは、まるでアンデッドのようで自分が気持ち悪い!


 しかし、前の階層には罠が無くて次の入り口二歩目に仕掛けるとはなんと意地の悪い事か。


 何とか這い上がれたので、ノートに落とし穴と書いて後ろを見ると落とし穴は見えなくなっていた。

 試しに剣で突くと穴が開く。

 ちなみに罠は探知には、まるでかかりません!

 だから剣で前をつきながら歩くことになった。


 とりあえず自分より魔力の低い敵に向かって進んでいくとゴブリンを見つけた。

 奴は俺の半分より少し多い魔力を持ってやがる。


「ワキャ」

「ウキャ」


 なんかうるさい奴だな。


 なんとなしに声を発しているだけで特段意味はなさそうだ。

 あまり場所を移動せず同じ範囲をうろうろしている。

 今までの魔物でも思ったけどまじNPCの様な行動だ。

 いったいなんでそんなのなのか気にはなるが、考えても分からないので駆逐するか。


 顔が醜悪で表情が薄気味悪くゆがんでいるのは、罪悪感なく倒させる為の配慮だろうか?

 まあ襲ってくるだろうからどのみち倒す事になるけど人の形に近いほど嫌悪感が増すな。

 その内に慣れるのだろうか?

 慣れたらどうなるのか自分が恐いわ。


 ゴブリンに近づくと、こちらを見つけたら即襲い掛かって来た!

 好戦的なのも一緒か。

 大きく短剣を振りかぶって切りかかってくるので、長剣で跳ね飛ばし軽く切りつけ生気吸収を使ってみる。

 かなり弱った感はあるが一撃では死なず弱りながらも噛み付こうとしてくるので、もう一度手で生気吸収してやると溶けるように消滅した。


 あれだね吸血鬼の能力ってそれだけでチートだね。

 吸血鬼の中では最弱の吸血鬼? でも。

次回更新は17時になります、よろしくお願いいたします。

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